- 学名…Begonia semperflorens-cultorum Group
- 和名…シキザキベゴニア(四季咲きベゴニア)
- 別名…ベゴニア・センパフローレンス
- 科名…シュウカイドウ科
- 属名…ベゴニア属
- 原産国…南アメリカ
- 花色…赤、白、ピンク
- 草丈…20㎝~70㎝
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:10 to 11
ベゴニア・センパフローレンスとは
ベゴニア・センパフローレンスは、シュウカイドウ科ベゴニア属の常緑多年草です。
ベゴニア属の植物は、オーストラリアを除く世界の熱帯から亜熱帯にかけて1400種以上が分布する巨大な植物群で、交雑種まで数に入れるとその数倍の品種が存在すると言われています。
その中の一つである「ベゴニア・センパフローレンス」は、「ベゴニア」として最もポピュラーな品種群です。
ベゴニア・センパフローレンスという名前はヘゴニア・ククラタ(Begonia cucullata)の旧学名で、現在ではベゴニア・ククラタを元に生まれた園芸品種群の総称として用いられています。
原種であるククラタは南アメリカに分布するベゴニアです。
ククラタが導入されたのは1821年で、ブラジルからベルリン植物園に送られた積み荷の中に偶然紛れ込んでいた種が発芽し、現在流通するセンパフローレンスの起源となりました。
1878年にはククラタの変種(Begonia cucullata var. hookeri )とヒメベゴニア(Begonia schmidtiana)の交配による品種が作出されています。
その後、数種のベゴニアの交配、突然変異などにより多くの品種が生まれ、現在のセンパフローレンスに繋がっています。
別名はシキザキベゴニア。
ベゴニア・センパフローレンスの花期は4月~10月。
花期になると、茎の頂部に近い葉の付け根から花序を出し、花を咲かせます。
▼ベゴニア・センパフローレンスの花序
花序は2又分枝を繰り返しながら雄花を咲かせ、最後に雌花を房状に咲かせて枝垂れます。
▼ベゴニア・センパフローレンスの花序に付く雄花と雌花
雄花には花被片が4個あり、外側の花被片は大きく類円形~腎形、内側の花被片は狭倒卵形です。
雄しべは24~33個。
▼センパフローレンスの雄花
雌花の花被片は4~5個あり、不揃いな大きさの倒卵形です。
雌しべの花柱は3裂し、さらに2裂してらせん状に曲がっています。
▼センパフローレンスの雌花
花色は赤、ピンク、白。
一重咲きの他、八重咲品種もありあります。
▼八重咲きのベゴニア・センパフローレンス
花は10℃以上の気温があれば咲き続けるため、四季咲きベゴニアとも呼ばれています。
春から秋までの長期間、花を楽しむことができます。
▼たくさんの花を咲かせるベゴニア・センパフローレンス
葉は長さ4.6~7.2㎝、幅3.3~8.5㎝の卵形~腎形で、縁に鋸歯があるものと無いものがあります。
葉にはワックスを塗ったような光沢があるため、ワックス・ベゴニアとも呼ばれます。
▼ベゴニア・センパフローレンスの葉の様子
緑葉の品種と銅葉の品種があり、白やクリーム色の斑が入る斑入り品種も流通しています。
花を咲かせながら草丈20~70㎝程度に成長し、株はこんもりと茂ります。
▼たくさんの花を咲かせるベゴニア・センパフローレンス
丈夫な性質で、育てやすい植物です。
ベゴニア・センパフローレンスは園芸上では一年草として扱われますが、本来は多年草です。
霜の当たらない場所で、3℃以上の気温があれば冬越し可能です。
ベゴニア・センパフローレンスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。
八重咲き品種は、直射日光で葉焼けを起こしやすい性質なので、午後からの西日が遮られる半日蔭の方が望ましいです。
冬越し
耐寒温度は3℃程度です。
耐寒性は低く、戸外での冬越しは困難です。
霜に当たると葉が枯れてしまいます。
鉢植えの場合は、冬場は室内に取り込んで管理して下さい。
庭植えの場合は、挿し木苗などを作って室内で冬越しします。
日当たりが良く、10℃程度の気温があれば、冬の間もぽつぽつと開花します。
冬越し中の水やりは控えめにして下さい。
過湿にすると根腐れしやすくなります。
暖地の場合は、軒下に移動するだけで越冬することもありますが、確実とは言えません。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
庭植え、鉢植え共に、真夏を除いた4月~10月の生育期間中に、追肥として緩効性化成肥料を定期的に置き肥するか、液体肥料を週に1回程度施します。
植え付け、植え替え
適期は4月下旬~6月、9月~10月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土などを混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
株間は20㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合で冬越した株は、春に植え替えを行います。
根鉢の硬くなった土を1/3ほど落とし、新しい用土に植え替えて下さい。
切り戻し
夏の終わりごろに、茎が伸びすぎて草姿が乱れたら切り戻しを行います。
1/2程度の高さにバッサリと切って下さい。
秋には再び花を付けてくれます。
増やし方(挿し木)
挿し木で簡単に増やすことが出来ます。
挿し木
4月~10月の生育期間中はいつでも可能です。
茎の節から花芽が出ますが、そこから上に出来る芽は全て花芽です。
挿し穂には葉芽が必要なので、花の咲いていない茎を選んで挿し穂にして下さい。
3~4節程度で切り取り、下の節(1~2節)の葉を取り除いて水揚げをします。
葉を取り除いた節が土に埋まるように、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないようにして発根を待ちます。
発根したらポット上げをして、芽が伸び始めたら摘心して脇芽を出させます。
水挿しでも簡単に発根します。
挿し穂を水に挿しておき、発根したらポットに植えて同様に育てて下さい。
病気・害虫
灰色かび病、うどんこ病
株が蒸れると時々発生することがあります。
葉に水がかからないように水やりをするのも、予防策の一つです。