- 学名…Buxus microphylla var. japonica
- 和名…ツゲ(柘植、黄楊)
- 別名…アサマツゲ、コツゲ、ホンツゲ
- 科名…ツゲ科
- 属名…ツゲ属
- 原産国…日本
- 花色…淡い黄色
- 樹高…2m~9m
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:6 to 9
ツゲとは
ツゲは、日本に分布するツゲ科ツゲ属の常緑低木~小高木です。
分布域は関東地方以西から九州の山地にあり、主に石灰岩地や蛇紋岩地に自生が見られます。
ツゲは成長が非常に遅いため、材は硬く極めて緻密です。
そのため、繊細な彫刻を施す細工物、印鑑や櫛、ソロバンの珠や将棋の駒、数珠などの原料として使用されます。
また、枝葉が密に茂るため、生け垣などにも利用されています。
ツゲの花期は3月~4月。
雌雄同株で、葉腋に小さな黄色い花を束生します。
花序の中心には1個の雌花があり、その周りを数個の雄花が取り囲む形になっています。
▼ツゲの花の様子
雌花、雄花ともに花弁はありません。
雌花は舌状の花柱が3個、緑の子房、萼片6個から形成されています。
▼ツゲの雌花
雄花には4個の雄しべがあり、萼片は4個です。
▼ツゲの雄花
花後には倒卵形の果実が実り、果実の先には雌しべの花柱が角のように残ります。
果実は熟すと3裂して中の種を出します。
▼ツゲの果実
葉は対生し、長さ1~3㎝、幅0.7~1.5㎝の倒卵形で、先が小さく凹み、基部はくさび形となります。
鋸歯は無く、皮質で表面に光沢を持ちます。
▼ツゲの葉の様子
幹は灰白色〜淡褐灰色で、古くなると樹皮に不規則な割れ目が入ります。
枝は多数分枝しながら、樹高2~9mに成長します。
本種はヒメツゲの変種で、日本固有種です。
基本種であるヒメツゲは、日本の他台湾にも分布しています。
※ヒメツゲの名前は狭義では栽培種(var. microphylla)を指します。
栽培種のヒメツゲは、葉が長さ2㎝、幅5mm前後と、小さく細長いのが特徴です。
また、よく似た植物にイヌツゲがあります。
イヌツゲは本種同様に庭木として植栽される低木ですが、ツゲ科ではなくモチノキ科の植物です。
イヌツゲのことを「ツゲ」と呼ぶこともあるため、本種は「ホンツゲ」とも呼ばれます。
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