多年草・宿根草

アスクレピアス・ツベロサ

  • 学名…Asclepias tuberosa L.
  • 和名…ヤナギトウワタ(柳唐綿)
  • 別名…宿根パンヤ、アスクレピアス・チューベローサ
  • 科名…キョウチクトウ科
  • 属名…トウワタ属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…オレンジ色~黄色
  • 草丈…30㎝~90㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:3 to 9

アスクレピアス・ツベロサとは

アスクレピアス・ツベロサ

アスクレピアス・ツベロサは、北アメリカ原産のキョウチクトウ科トウワタ属の多年草です。
分布域は、カナダ・オンタリオ州およびケベック州、アメリカ東部から南部、メキシコ北部にあり、草原や森の開けた場所、渓谷や丘などに自生しています。
アメリカでは蝶を呼ぶ花として愛されており、よく庭に植栽されます。
英名はバタフライウィード(Butterflyweed)。

日本には大正時代末期に渡来しています。
和名はヤナギトウワタ(柳唐綿)。


アスクレピアス・ツベロサの花期は6月~10月。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は散形、一つの花序には5~27個の花が付きます。

▼アスクレピアス・ツベロサの花序

アスクレピアス・ツベロサ

花は花冠が深く5裂して反り返り、羽根つきの羽のような独特の形になります。

▼アスクレピアス・ツベロサの花

アスクレピアス・ツベロサの花

花の中心には雄しべと雌しべが合体したずい柱があり、ずい柱の周りには副花冠があります。
副花冠はずい柱より長く、内側には角のような付属体が付いています。

▼アスクレピアス・ツベロサのずい柱と副花冠

アスクレピアス・ツベロサのずい柱と副花冠

花色はオレンジ色~黄色。

▼黄色の花を咲かせるアスクレピアス・ツベロサ

黄色の花を咲かせるアスクレピアス・ツベロサ

果実は長さ7~14㎝、幅1.2~2㎝の紡錘形の袋果。

※袋果(たいか)…一本の線で裂開する袋状の果実。一つの心皮からなる。

▼アスクレピアス・ツベロサの果実

アスクレピアス・ツベロサの果実

果実がパンヤノキに似ていることから宿根パンヤと呼ばれることもあります。

種子は長さ8~9㎜、幅4~5㎜の卵形で、縁に翼があり、表面は微細なひだ状になっています。
種子には長さ3~5㎝の綿毛が付いています。

▼アスクレピアス・ツベロサの種子

アスクレピアス・ツベロサの種子

葉は互生し、長さ2~12㎝、幅0.3~3㎝の長楕円形~披針形~線形です。
葉柄は1~4㎜。

▼アスクレピアス・ツベロサの葉の様子

アスクレピアス・ツベロサの葉の様子

ヤナギトウワタの名前は、ヤナギに似た葉の形に由来しています。

茎はあまり分枝せず直立し、草丈30~90㎝に成長します。

▼アスクレピアス・ツベロサ

アスクレピアス・ツベロサ

強健な性質で放任でもよく花を咲かせます。
こぼれ種でも発芽します。

関連図鑑

アスクレピアス・ツベロサが属するトウワタ属の植物では他にトウワタがよく栽培されています。
また、トウワタと名前の付く植物には、別属ですがフウセントウワタがあります。
フウセントウワタはフウセントウワタ属に分類されています。

アスクレピアス・ツベロサの育て方

アスクレピアス・ツベロサの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
じめじめした場所や日当たりの悪い場所ではうまく育たないので、よく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し、夏越し

寒さ、暑さに強く、特に対策の必要はありません。

冬場に土まで凍るような寒冷地の場合は、凍結対策を施して下さい。

水やり

やや乾燥気味の環境を好みます。

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

冬越し中の株は、乾燥気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込みます。
追肥は春と秋に、緩効性化成肥料を施します。

鉢植えの場合は、生育期の5月~9月の生育期間中に緩効性化成肥料、または液体肥料を定期的に施します。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い土を作ります。
さらに元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込みます。
株間20~30㎝で植え付けます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの混合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで用土を作ります。

植え替え

鉢植えの場合は、2~3年を目安に植え替えを行います。
根鉢を軽く崩し、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

庭植えの場合は、株が込み入っているようなら株分けを兼ねて植え替えを行います。

増やし方

挿し木と種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照ください。

挿し木

適期は4月~6月です。

茎を2節ほどの長さに切り取り、挿し穂にします。
しっかりと水揚げをして挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理し、発根を待ちます。

水に挿しておくと発根するので、発根を待ってから植え付ける方法も有効です。

種まき

こぼれ種でもよく増えます。

種の採取

花後に出来る果実が熟して割れると綿毛の付いた種が現れます。
採取したら紙袋などに入れて涼しい場所で保管して下さい。

種まき

適期は4月~5月です。
発芽温度が20~25℃と高めなので、暖かくなってから蒔いて下さい。

綿毛が付いていたら取り除き、種は播種箱かポットに蒔き、2~3㎜程度の覆土をします。
発芽までは水を切らさないように管理し、本葉が3~4枚程度になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回るまで育苗し、花壇や鉢に定植します。

種からも容易に育てることが出来ますが、根付くのが遅く、花が咲くまでに2~3年かかることもあります。

病気・害虫

アブラムシ

アブラムシがよく発生します。
見付け次第駆除して下さい。
定期的に薬剤を散布して予防するのも効果的です。

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