低木 庭木

デュランタ

  • 学名…Duranta erecta L
    Synonym:Duranta repens L.
  • 和名…タイワンレンギョウ(台湾連翹)、ハリマツリ(針茉莉)
  • 科名…クマツヅラ科
  • 属名…ハリマツリ属
  • 原産国…北アメリカ、南アメリカ
  • 花色…紫、青、白、複色
  • 樹高…30㎝~200㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:10 to 11

デュランタとは

デュランタは、北アメリカから南アメリカに分布するクマツヅラ科ハリマツリ属の常緑低木です。
ハリマツリ属には約20種の植物が分類されていますが、栽培されているのはタイワンレンギョウ(Duranta erecta)の一種のみとなります。

タイワンレンギョウは、アメリカ・フロリダ州からメキシコ、ブラジル、西インド諸島に分布しており、道端や荒地、森林の縁など 開けた日当たりのよい場所に自生しています。
世界で広く栽培されており、栽培を逸出したものが、オーストラリア、中国、南アフリカなど、熱帯・亜熱帯地域で帰化しています。

日本へは明治時代中期に渡来し、沖縄などでは街路樹や庭木としてよく植栽されています。
熱帯植物のため寒さに対する耐性はあまりありませんが、霜の心配のない暖地であれば戸外での冬越しが可能です。

デュランタの名前はハリマツリ属の学名です。
園芸界ではデュランタというとタイワンレンギョウとその園芸品種を指すのが一般的です。
別名はハリマツリ(針茉莉)。

※流通するデュランタには主に花を楽しむタイプと、葉の美しさを楽しむタイプがあります。


デュランタの花期は6月~10月。
※葉を楽しむタイプの品種にはあまり花が咲きません。

花期になると、枝の頂部、または葉の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は長さ15~20㎝の総状花序(そうじょうかじょ)、枝垂れます。

※総状花序(そうじょうかじょ)…柄のある花が花序軸にほぼ均等に付く花序の形。
参照…花序の形-総状花序

▼デュランタの花序

花は直径1~1.5㎝、基部が筒状で先が5裂して平らに開きます。
花には細かな毛が生えています。

▼デュランタの花

雄しべは4個、雌しべは1個。

▼デュランタの雄しべと雌しべ

花色は紫、青、白、複色。

▼様々なデュランタ


果実は丸い核果(かくか)。
果実は宿存する萼に完全に包まれており、萼の先はくちばし状になっています。

※核果(かくか)…外花被は薄く、中果皮は多肉質でまたは液質で、内果皮が木質化して核となった果実。液果の一種。

▼デュランタの果実


葉は対生、または輪生し、長さ2~6.5cm、幅1.5~3.5cmの卵形~楕円形です。
全縁、または先に鋸歯があります。

▼デュランタの葉の様子

枝は下部からよく分枝して多くは枝垂れます。
品種によっては刺があるものもあり、別名「ハリマツリ」の由来となっています。

樹高0.3~2mに成長します。
主に葉を楽しむ植物として、斑入り葉品種、黄金葉品種なども流通します。

▼たくさんの花を咲かせるデュランタ

熱帯性の植物ですが、耐寒性はそこそこあります。
霜の心配のない暖地では戸外での冬越しが可能ですが、寒さで落葉することがあります。

デュランタの主な品種

デュランタ・タカラヅカ (Duranta ‘Takarazuka’)

紫の花弁に白の覆輪が美しい人気品種です。
「タカラヅカ」の名前は、キリリとした美しい花姿が、タカラジェンヌが正装した袴姿を思わせることから名付けられました。

デュランタ・アルバ (Duranta ‘Alba’)

タイワンレンギョウの白花品種です。
「アルバ」とは白色を意味します。

ゴールドエッジ(Duranta erecta 'Gold Edge')

葉に入る黄色の覆輪が非常に美しい品種です。
主に葉を楽しむ品種で、花はあまり咲きません。

斑入り葉の品種は様々あり、ライトグリーンの葉に緑の覆輪が入る「グリーンエッジ」、明るい葉色が魅力の「ライム」などがよく流通しています。

デュランタの育て方

デュランタの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと花付きが悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。

※斑入り葉や黄金葉の品種は、夏場の直射日光で葉焼けを起こすことがあります。
夏場は半日蔭の場所に移動して下さい。

寒さにやや弱い性質ですが、暖地では庭植えも可能です。
その他の地域では鉢植えで育て、冬場は室内で管理した方が安全です。

冬越し

耐寒温度は0℃程度です。
暖地では、霜の当たらない日当たりの良い場所で冬越しすることが出来ます。

中国地方の管理人宅(最低気温-3℃、積雪無し)では、庭植えで何年か冬越しをしました。
冬前に強剪定を行って藁で霜除けを施した状態です。
寒さで落葉し枝も枯れましたが、春になると株元から新芽が顔を出していました。
ただ昨年の寒波(最低気温-7℃)で枯死してしまったようで、今年は春になっても芽吹きませんでした。
心配な場合は、鉢植えにして室内で管理した方が安全です。

鉢植えの場合は、11月頃になったら室内に取り込みます。
室内では日当たりの良い場所で育てて下さい。
寒さで落葉することがありますが、春になれば再び芽吹きます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場は乾きやすいので水切れに注意して管理して下さい。

肥料

庭植え、鉢植え共に、春から秋にかけての生育期間中に、緩効性化成肥料を定期的に置き肥するか、液体肥料を施します。
開花中に窒素分の多い肥料を施すと、葉ばかりが茂って花付きが悪くなるので注意して下さい。

植え付け、植え替え

適期は4月~5月です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、完熟堆肥を混ぜ込みます。

鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいので、1~2年に一度、植え替えを行います。
根鉢を1/3ほど崩し、一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えて下さい。

庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

切り戻し、剪定

花が終わったら枝先を少し切り戻すと、再び開花します。
生育旺盛で春から秋の生育期間中ならいつでも切り戻すことが可能です。
伸びすぎた枝があれば、適宜切り戻して下さい。

大きくなりすぎて仕立て直す場合は、冬前に強剪定を行います。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月~6月です。

枝を2~3節分の長さに切り取っと挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

アブラムシやハダニが発生することがあります。
見つけ次第駆除して下さい。

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