多肉植物

黒法師(サンシモン)

学名…Aeonium arboreum ‘Atropurpureum’
和名…黒法師(クロホウシ)
別名…アエオニウム、サンシモン
科名…ベンケイソウ科
属名…アエオニウム属
原産国…モロッコ
花色…黄色
草丈…30㎝~100㎝
日照…日なた(夏は半日蔭)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 11

黒法師(サンシモン)とは

黒法師(サンシモン)

黒法師は、ベンケイソウ科アエオニウム属の多年草です。
黒法師の仲間であるアエオニウム属の植物は、北アフリカの一部地域とカナリア諸島、カーボベルデ諸島、マデイラ島およびその近隣の島々に、約35種が分布しています。

その中で黒法師として流通しているのは、アエオニウム・アルボレウム種(Aeonium arboreum)から作出された園芸品種(‘Atropurpureum’または'Schwartzkopf')で、「サンシモン」「アエオニウム」とも呼ばれています。
アルボレウム種は、モロッコの大西洋側の一部地域のみに少数分布する多肉植物で、アエオニウム属の中で最も広く栽培されており、数多くの園芸品種の交配親となっています。

黒法師は、美しい葉と独特の草姿が魅力の多肉植物です。
葉は長さ5~15㎝のへら形で、茎の頂部にロゼット状に付きます。
※'Schwartzkopf'の葉はスプーン形に近く、‘Atropurpureum’に比べるとやや短い傾向がありますが、交配していることも多々あり、同定は困難です。

一つのロゼットは径10~25㎝程度の大きさになり、50~70個の葉が密生します。
葉は日光に当たると暗紫色に色付き、日照不足の環境では緑になります。

▼黒法師の葉の様子

黒法師の葉の様子

茎は木の幹のような質感で分枝しながら長く伸び、草丈100㎝程度に成長します。
茎の先でロゼット状に展開する葉が黒い花のようで、独特の雰囲気を持った多肉植物です。

▼黒法師の草姿

黒法師の草姿

ロゼット状の葉が成熟すると、春の3月~4月頃、小さな黄色い花を咲かせます。
花を咲かせたロゼットは、開花後に枯れます。

多肉植物の中では比較的耐寒性があり、霜や雪の心配がない暖地であれば、戸外での冬越しも可能です。
夏の高温多湿にやや弱いところがありますが、育てやすい植物です。

黒法師(サンシモン)の花

黒法師の花

黒法師はロゼットが成熟すると、春に黄色い花を咲かせます。
黒法師(サンシモン)が属するアエオニウム属の植物は、花が咲くと枯れてしまう性質を持っています。
花を咲かせたロゼットは、寿命を迎え枯れていきます。
分枝していれば他のロゼットは成長を続けるので、花の付いたロゼットを取り除きます。

黒法師(サンシモン)の育て方

黒法師(サンシモン)の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い、乾燥気味の環境を好みます。
日照時間が足りないと美しい葉色が褪せ、徒長します。

黒法師は冬生育型の多肉植物で、生育期は冬から春の間です。
特にこの期間はよく陽の当たる場所で育てて下さい。

高温多湿の環境が苦手な性質なので、夏場は風通しの良い涼しい場所で夏越しをさせます。

季節の管理

冬~春

生育期にあたる冬から春にかけては、よく陽の当たる場所で管理します。
雪や霜の心配が無く、0℃以上の気温が保てる場所であれば、戸外でも冬越しが可能ですが、心配な場合は室内に取り込んでください。

室内では、窓辺などのよく日が当たる場所で、5℃以上の気温を保って管理します。
一日中暖房が効いているような部屋は適していません。

夏越し

夏場の高温多湿な環境が苦手な性質です。
雨が避けられ、出来るだけ涼しく、風通しの良い、半日蔭から明るい日陰の場所で育てます。
夏場は休眠期になるので、水やりの必要はほとんどありません。

日陰の場所で管理すると、葉色が緑に退色してしまいますが、日に当たるようになると美しい黒紫色に戻ります。
秋になったら再び、よく日の当たる場所で管理して下さい。

水やり

年間を通じて、やや乾燥気味に管理します。
春と秋は、用土の表面が完全に乾いてから水やりをして下さい。
冬場は水が乾きにくいので、さらに乾燥気味にし、用土が乾いて2~3日後の水やりになります。

夏場は休眠期に入るので、水やりの必要はほとんどありません。

肥料

多肉植物全般に言えることですが、あまり多くの肥料は必要ありません。

春と秋に、少量の緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を施します。
液体肥料は濃いと根を傷めることがあるので、通常よりも薄めにして使用して下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月~4月、9月~10月です。

植え付け(用土)

市販のサボテンの土や、多肉植物の培養土などが手軽です。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行って下さい。
小さな鉢で育てている場合は、すぐに鉢がいっぱいになります。
鉢底から根が出ているようなら、適宜植え替えを行って下さい。

切り戻し、仕立て直し

必ずしも必要な作業ではありませんが、大きくなりすぎた場合や、草姿が乱れた場合は切り戻してください。
適期は3月~4月、9月~10月です。
切り戻した部分から複数の脇芽が出て、再び美しい葉を展開します。
切り戻した先端部分は、挿し穂として使うことが出来ます。

増やし方(挿し芽)

挿し芽で増やすことが出来ます。

挿し芽

適期は3月~4月、9月~10月頃です。

先端部分を10㎝程度の長さの茎を付けて切り取り、挿し穂として使用します。
挿し穂は発根までの間、日陰に置いておきます。
この期間は土も水も必要ありません。
空のペットボトルなどに挿して置くと、乾燥中に茎が曲がってしまうことを避けられるのでお勧めです。

発根までには2~3週間程度かかります。
発根を確認したら、割りばしなどで挿し木用土に穴を開けて挿して下さい。
挿し木用土にはサボテンや多肉植物の土、または川砂を使います。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

-多肉植物
-