低木 庭木

ハゴロモジャスミン

学名…Jasminum polyanthum
和名…ハゴロモジャスミン(羽衣素馨)
科名…モクセイ科
属名…ソケイ属
原産国…中国
花色…白
樹高…1~3m(つる性)
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:9 to 10

ハゴロモジャスミンとは

ハゴロモジャスミン

ハゴロモジャスミンは、中国およびミャンマーに分布するモクセイ科ソケイ属の半常緑つる性の低木です。
中国では南西部の貴州省、四川省、雲南省に分布しており、森林や里山などに自生しています。

原産地は中国、ミャンマーですが、現在ではオーストラリアとニュージーランドで帰化植物として定着しています。
ジャスミンの名前が付く通り、ジャスミンティーの原料として有名なマツリカ(Jasminum sambac)とは同属の近縁種になります。

マツリカやハゴロモジャスミンが属するソケイ属には約200種の植物が分類されていますが、花が美しく、比較的耐寒性があり育てやすいハゴロモジャスミンは、アメリカやヨーロッパをはじめ、世界で広く栽培されている品種です。
日本への渡来時期は不明ですが、流通し始めたのは昭和50年代以降で、比較的歴史の浅い植物です。

ハゴロモジャスミンの花期は3月下旬~5月。
花期になると、分枝した茎の頂部に花序を出し、花径2㎝程度の小さな花を30~40輪ほど咲かせます。
花は筒状になっており、花冠が深く5裂して平らに開きます。
花の外側はピンク、内側は白になっており、蕾の時にはピンクで、開花すると星形の白い花になります。
花には強い芳香があり、風に漂って周囲に広がります。

▼ハゴロモジャスミンの花

ハゴロモジャスミン

葉は5~7枚の小葉から形成された羽状複葉で、対生します。
茎は柔らかいつる状で、他の物に巻き付きながら長さ1~3m程度に成長します。
生育旺盛でよくつるを伸ばし、暖地ではフェンスに絡ませて生垣に仕立てたりします。

▼ハゴロモジャスミンの葉

ハゴロモジャスミンの葉

耐寒性はあまり無く、冬越しには0℃以上の気温が必要になります。
暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
0℃以下の気温になると花芽も傷んでしまうため注意が必要ですが、病害虫の発生もほとんどなく、冬の寒さにだけ注意すれば、育てやすい植物です。

行燈仕立てにしたりオベリスクに絡ませたり、暖地であればフェンスや樹木に絡ませても愛らしい花と香りで春の庭を彩ります。

ハゴロモジャスミンの近縁種

ハゴロモジャスミンが属するソケイ属は、アフリカ、アジア、オーストラリアを中心に世界に約200種が分布しています。
ソケイとはジャスミンの和名で、ソケイ属の大半の種は花に芳香を持ちます。
観賞用として栽培されているソケイ属の代表的な植物には本種の他、以下のようなものがあります。

ハゴロモジャスミンの育て方

ハゴロモジャスミンの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭程度の日照でも育ちますが、花付きが悪くなります。
たくさんの美しい花を楽しむためには、年間を通じてよく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

0℃以上の気温があれば戸外での冬越しが可能です。
暖地の場合は、庭植えでそのまま冬越しすることも出来ます。
鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない日なたに移動して冬越しさせて下さい。

その他の地域では鉢植えにして、冬の間は室内で管理します。
室内の場合も、よく日に当てて育てます。
ハゴロモジャスミンの花芽は、秋から冬にかけてある程度の低温(5℃~15℃)に4~6週間ほど当たることで形成されます。
一日中暖房の効いているような部屋では花芽が出来ないので注意して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場は水切れさせないように注意して下さい。
冬場はやや乾燥気味に管理します。

肥料

庭植え、鉢植えともに、寒肥として2月頃、花後のお礼肥として5月頃に、緩効性化成肥料、または骨粉入りの固形の油粕などを施して下さい。

植え付け、植え替え

植え付け

適期は3月中旬~4月、9月下旬~10月です。

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍の植穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥などをたっぷりと混ぜ込んで土を作ります。
根鉢を軽く崩して植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土を使います。
根を切らないように注意して根鉢を軽く崩し、植え付けて下さい。

植え替え

適期は花後です。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こしやすいので1年に一度、植え替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えます。
同時に剪定を行い、絡んだつるを解いて大きな支柱に取り換えて下さい。

剪定

生育旺盛で盛んにつるを伸ばします。
ハゴロモジャスミンの花芽は、春から夏にかけて伸びた枝に、秋から冬にかけて作られます。
大きな剪定は花後の出来るだけ早い時期に済ませ、剪定後につるが伸び過ぎて樹形が乱れるようなら適宜整えます。
秋以降に剪定を行うと、花芽を落としてしまうことになるので注意して下さい。

ハゴロモジャスミンの基本の剪定は、主となるつる以外の脇から出たつるを取り除いて間引く方法です。
樹形が乱れているようなら、つるの先から1/2程度の位置まで切り戻すことも可能ですが、全体を大きく切り戻すと翌年に花が咲かないことがあるので注意して下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は8月~9月です。

切り戻した枝を挿し穂に使うことも出来ます。
その年に伸びた枝を2~3節の長さに切り取って、挿し穂にします。
下の節の葉を取り除いて水上げをしたら、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

病気の発生はほとんどありませんが、風通しの悪い環境で育てているとアブラムシが発生することがあります。
風通しの良い環境で育てて、発生を抑制して下さい。
発生した場合は、薬剤で駆除します。

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