和名…キバナルリソウ(黄花瑠璃草)
別名…セリンセ・マヨール、セリンセ・マヨル
科名…ムラサキ科
属名…キバナルリソウ属
原産国…ヨーロッパ南部~中部
花色…紫、黄色
草丈…30㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:Not Applicable
セリンセとは
セリンセ・マヨールは、ヨーロッパ南部を中心に分布するムラサキ科キバナルリソウ属(セリンセ属)の一年草です。
セリンセ属の植物は、地中海沿岸地域を中心に20~25種が分布していますが、観賞用として栽培されているのはセリンセ・マヨール種(Cerinthe major)のみです。
分布域は、ヨーロッパ南部~中部、レバノン、シリア、トルコにあり、地中海沿岸地域の草原や牧草地に自生しています。
中世からヨーロッパでは栽培されていましたが、広く普及しているというわけではありません。
日本では近年になって苗や種子が流通するようになっており、現在急速に普及しつつあります。
セリンセの花期は4月~5月。
花期になると、伸びた茎の頂部に花序を出し、筒状の花を下向きに咲かせます。
花序はムラサキ科の植物に多く見られるサソリ形で、最長12㎝程度になります。
花は長さ2㎝程度で花冠が浅く裂けて反り返り、花の付け根には広卵形~楕円形の苞が付きます。
▼セリンセの花
基本種の花は上部が紫色、下部が黄色ですが、紫一色の花を咲かせる園芸品種が主に流通しています。
プルプラスケンス(Cerinthe major ‘purpurascens’)は、花と苞が暗紫色になる改良品種で、日本で見られるセリンセの大半を占めます。
▼セリンセ・マヨール・プルプラスケンスの花
葉は長さ2~6㎝、幅1~2㎝程度の心形~長楕円形で葉柄は無く、茎を抱き螺旋状に互生します。
新葉には不規則な白い斑点がありますが、葉の成長と共に大半は消えていきます。
茎は分枝して花を咲かせながら草丈30~60㎝程度に成長します。
▼セリンセ・マヨールの葉の様子
秋に種を蒔いて春に花を楽しむ秋蒔き一年草です。
耐寒性はあまり高くないので、強い霜の降りる地域では霜よけを設置する必要があります。
寒さにだけ気を付ければ、放任でもよく育ち花を咲かせます。
こぼれ種でも発芽します。
セリンセの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
ジメジメした場所や、乾燥しすぎるような環境ではうまく育たないので注意して下さい。
冬越し
強い霜に当たると苗が傷み、枯れてしまうことがあります。
霜の心配のある地域では、霜よけを設置するか、鉢植えで霜の心配のない場所で冬越しをして下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
乾燥が長く続くようなら、水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
あまり多くの肥料を必要とする植物ではありません。
多肥な環境で育つと葉ばかりが茂り花付きが悪くなります。
庭植えの場合は、元肥として植え付け時に緩効性化成肥料を施します。
追肥は通常必要ありませんが、生育が悪いようなら春に緩効性化成肥料を施します。
鉢植えの場合は、庭植えの同様に元肥を施し、春になったら液体肥料を2週間に1回程度施して下さい。
※市販の草花用培養土には肥料が含まれているので、元肥は必要ありません。
種まき
適期は秋の9月下旬~10月上旬です。
発芽温度は18℃前後です。
播種前に一晩水につけておくと発芽が早くなります。
種はポットに1~2粒ずつ撒き、覆土は種が隠れる程度に。
発芽後は、生育の良い苗を残して間引き、本葉が5~6枚程度になったら定植します。
霜に当たると苗が傷むので、霜よけを設置するか、霜の当たらない軒下などで冬越しをして下さい。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
株間は20~30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことができます。
こぼれ種でも発芽します。
こぼれ種で発芽した苗は、移植すると生育が遅れることがあるので、注意が必要です。
種の採取
花後に種が出来ます。
種は熟すと落下するので、落ちた種を集めます。
または、花が終わりかけた花序を切り取って、紙袋などに入れて乾燥させ、種を採取して下さい。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。