多年草・宿根草 野の花

コンフリー(ヒレハリソウ)

  • 学名…Symphytum officinale L.
  • 和名…ヒレハリソウ(鰭玻璃草)
  • 別名…コンフリー
  • 科名…ムラサキ科
  • 属名…ヒレハリソウ属
  • 原産国…ヨーロッパ、西アジア
  • 花色…紫、白、ピンク、水色
  • 草丈…30㎝~90㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 8

コンフリー(ヒレハリソウ)とは

コンフリー(ヒレヒリソウ)

コンフリー(ヒレハリソウ)は、ヨーロッパ原産のムラサキ科ヒレハリソウ属の多年草です。
分布域はヨーロッパ全域に渡り、牧草地、小川や池の周辺など、やや湿り気のある場所に自生しています。

コンフリーは、少なくとも紀元前400年からハーブとして栽培されており、薬用、または食用として利用されていました。
そのため、北アメリカやニュージーランドなど、多くの地域で逸出したものが野生化し、帰化植物として定着しています。

日本には明治時代に食用、または牧草として導入され、昭和40年代には健康食品として一大ブームとなって各地で栽培されていました。
ただし、コンフリーの摂取による肝障害の事例が海外において多数報告されており、2004年に厚生労働省が食用としての流通を規制しています。
現在では大々的に栽培されることはありませんが、観賞用として栽培されており、また逸出したものが各地で帰化しています。


コンフリーの花期は5月~8月。
花期になると、伸びた茎の頂部に花序を出し、多数の花を咲かせます。

▼コンフリーの花序

コンフリー(ヒレヒリソウ)の花序

花は長さ1.5㎝程度の鐘形で、先が浅く5裂しており、裂片は外側に反り返ります。

▼コンフリーの花の様子

コンフリー(ヒレヒリソウ)の花

雄しべは5個、雌しべは1個。
雌しべの花柱は花冠からやや突出します。

▼コンフリーの雄しべと雌しべ

コンフリー(ヒレヒリソウ)の雄しべと雌しべ

花色は淡紫色~赤紫色~白色。

▼白い花を咲かせるコンフリー

白い花を咲かせるコンフリー(ヒレヒリソウ)

葉は互生し、長楕円形で、基部の葉は長い柄を持ちます。
上部の葉には柄が無く、葉の基部が茎に流れて翼となっています。

▼コンフリーの葉の様子

コンフリー(ヒレヒリソウ)の葉の様子
コンフリー(ヒレヒリソウ)の葉の様子

葉茎には粗い毛が生えています。
藪生し、茎は多数分枝して草丈30~90㎝程度に成長します。

▼コンフリーの草姿

コンフリー(ヒレヒリソウ)の草姿

▼たくさんの花を咲かせたコンフリー

たくさんの花を咲かせるコンフリー(ヒレヒリソウ)

耐寒性に優れており、育てやすい植物です。
地下茎で横に広がり藪生します。
放任でもよく育ち、よく広がりますが、強い乾燥は苦手な性質です。
冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。

※日本で帰化しているのは純粋なヒレハリソウ(Symphytum officinale)では無く、オオハリソウ(Symphytum asperum)との交配種であるロシアンコンフリー(Symphytum × uplandicum)起源のものとされています。

▼日本で見られる帰化種のコンフリー

帰化種のコンフリー

関連図鑑

草姿の似た植物にボリジ(ルリジサ)があります。
ボリジ(ルリジサ)はコンフリーと同じムラサキ科の一年草です。

コンフリー(ヒレハリソウ)の育て方

コンフリー(ヒレハリソウ)の育て方

栽培環境

大きく育ち、横に広がるので鉢植え向きの植物ではありません。
ここでは庭植えでの育て方を紹介しています。

日なた~半日陰の環境に適応します。
強い乾燥が苦手な性質なので、夏場の西日が避けられる場所だと水やりの手間が軽減されます。
生育旺盛で大株に育ちます。
小さな植物を駆逐する勢いがあるので、注意が必要です。

土壌PH6.1(弱酸性)~PH7.8(弱アルカリ性)で生育可能です。
土壌が酸性の場合は、苦土石灰を混ぜ込んで、土壌を中和しておいて下さい。

冬越し、夏越し

耐寒性、耐暑性共に高く、特に対策の必要はありません。

水やり

ある程度の乾燥には耐えますが、夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

肥料

元肥として用土に少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
生育に問題がないようなら、追肥の必要はありません。

植え付け、植え替え

適期は3月中旬~4月、9月中旬~10月です。

植え付け

土壌PH6.1(弱酸性)~PH7.8(弱アルカリ性)で生育可能です。
土壌が酸性の場合は、苦土石灰を混ぜ込んで、土壌を中和しておいて下さい。
水保ち、水はけが悪い場合には、腐葉土を混ぜ込み、元肥として少量の緩効性化成肥料を施しておきます。

株間は70~90㎝程度です。

植え替え

特に植え替えの必要はありませんが、増えすぎているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。

花茎切り

花が終わった花茎は早めに切り取っておきます。
時期が早ければ、脇芽が伸びて再び花を咲かせます。

増やし方(株分け、根伏せ、種まき)

株分けと根伏せで増やすことが出来ます。

株分け

適期は植え替え時の3月中旬~4月、9月中旬~10月です。
掘り上げた株を切り分けて植え付けて下さい。

根伏せ

太い根を10㎝程度の長さに切り取り、土の上に寝かせて覆土します。
水を切らさないように管理し、発根、発芽を待ちます。

種まき

※不稔性の品種があり、種が出来ない、または出来ても発芽しないことがあります。

種まきの適期は春の3月~5月です。
ポットに2~3粒ずつ種をまき、薄く覆土します。
花壇に直まきすることも可能です。

発芽までは乾かさないように注意し、発芽後は元気な苗を残して間引きます。
ポットに根が回ったら、定植して下さい。

病気・害虫

ナメクジなどによる葉の食害が発生します。
丈夫な植物なので生育にはあまり影響がありませんが、気になる場合は専用の薬剤などで駆除して下さい。

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