多年草・宿根草

ゼフィランサス

育て方のポイント

ゼフィランサスの育て方早見表

ゼフィランサスは、夏から秋を中心に白、ピンク、黄色の花を咲かせる球根植物です。 日なたから半日陰で育ち、丈夫で植えっぱなしでもよく増えます。 種類によって耐寒性が異なるため、特に冬越しは品種に合わせて管理します。

分類
球根性多年草
開花期
6月~10月頃。種類によって異なる
花色
白、ピンク、黄色
草丈
10cm~30cm程度
日照
日なた~半日陰。花付きをよくするには日なたが向く
適した場所
日当たりと水はけのよい場所
水やり
庭植えは乾燥が続く場合のみ。鉢植えは表土が乾いたら水やりをする
肥料
少量でよい。春または花後~秋に緩効性肥料を施す
植え付け
3月中旬~5月中旬
植え替え
数年は植えっぱなしでよい。混み合って花付きが悪くなったら分球する
夏越し
耐暑性が高く、特別な対策はほぼ不要
冬越し
種類によって耐寒性が異なる。タマスダレは比較的寒さに強い
増やし方
分球、種まき
病害虫
大きな被害は少ない。ナメクジやカタツムリなどに注意
注意点
タマスダレなどは有毒。葉や球根を食用にしない

育て方のコツ: 日当たりのよい場所で育て、球根が混み合うまでは植えっぱなしにします。 高温乾燥が続いたあとにまとまった雨が降ると、一斉に花茎を伸ばして開花することがあります。

注意

タマスダレなどは食用にできません

ゼフィランサスの仲間には有毒成分を含むものがあります。 特にタマスダレは、葉をニラ、球根をノビルなどと間違えて食べ、 食中毒を起こした事例が報告されています。

葉、花、球根を食用にせず、 家庭菜園のニラやネギ類などと混植しないようにします。

ゼフィランサスの基本情報

  • 学名…Zephyranthes
  • 和名…Zephyranthes candida:タマスダレ、Zephyranthes carinata:サフランモドキ
  • 別名…ゼフィランサス、レインリリー
  • 科名…ヒガンバナ科
  • 属名…タマスダレ属(ゼフィランサス属)
  • 原産国…南アメリカ、メキシコ
  • 花色…白、ピンク、黄
  • 草丈…10cm~30cm
  • 日照…日なた~半日陰
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:品種の項目を参照

ゼフィランサスとは

ゼフィランサス(タマスダレ)

ゼフィランサスは、南北アメリカを中心に分布するヒガンバナ科タマスダレ属(ゼフィランサス属)の球根植物です。
美しい花を咲かせることから世界で広く栽培されており、いくつかの種はアメリカ、インド、中国などで帰化植物として定着しています。

ゼフィランサス属の植物は観賞用として数多く流通していますが、最も普及しているのがタマスダレ(Zephyranthes candida)と、サフランモドキ(Zephyranthes carinata)です。
高温乾燥が続いたあと雨が降ると一斉に開花することから「レインリリー」と呼ばれます。


ゼフィランサスの花期は品種によってやや異なりますが、6月~10月。
花期になりると、細い花茎を長く伸ばし、頂部に径3~8cm程度の花を咲かせます。
花は6個の花弁を持つ漏斗状で、上向きに咲きます。

▼ゼフィランサス(タマスダレ)の花

ゼフィランサス(タマスダレ)の花

雄しべは6個、葯が黄色く目立ちます。

▼ゼフィランサス(サフランモドキ)の花

ゼフィランサス(サフランモドキ)

花色は白、ピンク、黄。

▼キバナサフランモドキ(Zephyranthes citrina)

ゼフィランサス(キバナサフランモドキ)
Photo credit: Forest and Kim Starr

葉は線形で、品種により幅にやや違いがあります。
草丈10~30cm程度に成長します。

▼ゼフィランサス(タマスダレ)の草姿

ゼフィランサス(タマスダレ)の草姿

耐寒性は品種によって異なります。
白花のタマスダレは寒さに強く常緑で冬越し、自然分球でよく増えます。
他の品種は半耐寒性のものが多く、寒さにはやや弱い性質で冬越しには対策が必要になります。

※ヒガンバナ科の植物で、全草に毒性があります。


よく似た花を咲かせる植物にハブランサスがあります。
ハブランサスは、同ヒガンバナ科、ハブランサス属の球根植物で、ゼフィランサス同様にレインリリーと呼ばれます。
両種の最も大きな違いは花の向きで、ゼフィランサスの花は上向きなのに対し、ハブランサスはやや横向きに咲きます。
ハブランサスについては下記を参照ください。

ゼフィランサスの主な品種

種類 花色 特徴 冬越し
タマスダレ
Zephyranthes candida
最も一般的。自然分球でよく増え、植えっぱなしでも育てやすい 比較的耐寒性が高く、温暖地では常緑で越冬することもある
サフランモドキ
Zephyranthes carinata
ピンク タマスダレより大きなピンク色の花を咲かせる タマスダレより寒さに弱く、寒冷地では防寒が必要
キバナサフランモドキ
Zephyranthes citrina
黄色 鮮やかな黄色の花。種もできやすい 強い凍結を避けると安全

タマスダレ(Zephyranthes candida)

ゼフィランサス(タマスダレ)
USDA Hardiness Zone:7 to 10

ブラジル南東部・南部、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチン北東部に分布するゼフィランサスです。
自然分布では、降雨の多い川沿いや沼地で多く見られます。
ゼフィランサスの中では最もポピュラーで、世界の広い地域で栽培されており、アメリカ、インド、中国など多くの地域で帰化植物として定着しています。

花径3~5cm程度の白い花を咲かせます。
葉は長さ20~30cm、幅2~4mmの線形で肉質です。
花を咲かせながら15~30cmに成長します。

「タマスダレ」の名前は、細い葉茎の様子をスダレに、蕾の様子をタマに見立てたことに由来しています。
耐寒性が高く、放任でもよく花を咲かせ、自然分球でよく増えます。
こぼれ種でも増えます。

サフランモドキ(Zephyranthes carinata Syn. Zephyranthes grandiflora)

ゼフィランサス(サフランモドキ)
USDA Hardiness Zone:9 to 10

メキシコから中央アメリカ、コロンビアに分布するゼフィランサスです。
ゼフィランサス・カリナータの名前で流通することもあります。
江戸時代に渡来しサフランと呼ばれていましたが、後に本物のサフランが導入され、「サフランモドキ」と呼ばれるようになりました。

花径5~9cm程度のピンク色の花を咲かせます。
葉は長さ15~30cm、幅7mm前後の線形で、やや多肉質です。

タマスダレに比べると耐寒性が低く、耐寒温度は-5℃程度で、寒い地方では冬場に防寒対策を施す必要があります。
冬場は地上部を枯らせて休眠します。
花付きはタマスダレに比べると少ない感じです。

キバナサフランモドキ(Zephyranthes citrina)

ゼフィランサス(キバナサフランモドキ)
photo-credit:Forest and Kim Starr
USDA Hardiness Zone:7 to 10

メキシコ南東部から中央アメリカ、カリブ海地域に分布するゼフィランサスです。
ゼフィランサス・キトリナの名前でも流通します。

花径3~5cm程度の鮮やかな黄色の花を咲かせ、キバナサフランモドキとも呼ばれます。
葉は長さ10~20cm、幅4mm前後の線形です。
花を咲かせながら草丈10~15cmに成長します。

結実してこぼれ種でもよく増えます。

他にも数は多くありませんが、「モモイロタマスダレ(Zephyranthes taubertiana)」など、数種の品種が流通することがあります。

ゼフィランサスの育て方

ゼフィランサスの育て方

栽培環境

日当たりと水はけが良い場所が適していますが、半日陰程度の日照でも問題なく育ちます。

ゼフィランサスの花が咲かない原因

ゼフィランサスの花が咲かない場合は、 日照不足、長期間の乾燥、球根の混み合いなどが原因として考えられます。

半日陰でも育ちますが、日照が少ない場所では花数が少なくなります。
花をよく咲かせるには、できるだけ日当たりのよい場所で育てます。

また、ゼフィランサスは乾燥が続いたあとにまとまった雨が降ると、 一斉に花茎を伸ばして開花する性質があります。
夏に極端な乾燥が長く続く場合は、庭植えでも水やりをします。

数年間植えっぱなしにして球根が密集すると花付きが悪くなることがあります。 株が混み合ってきたら、春に掘り上げて分球します。

冬越し

品種によって耐寒性が異なります。

白花のタマスダレは寒さに強く、土の中の球根まで凍ってしまうような寒冷地でなければ特に対策の必要はありません。
その他の半耐寒性品種はやや寒さに弱い性質なので、盛り土をしたり腐葉土でのマルチングなどの防寒対策を施します。
鉢植えの場合は、霜や凍結の心配のない場所に移動してください。

水やり

生育期に乾燥が続くと花が咲きにくくなります。

庭植えの場合は、夏場に雨が降らずに乾燥が続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

肥料

庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は秋に緩効性化成肥料を置き肥します。

鉢植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を株元に施してください。

植え付け・植え替え

適期は3月中旬~5月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら腐葉土やパーライトなどを用土に混ぜ込んで、水はけの良い環境を作ってください。
群植する場合は球根同士を数cm程度あけて植え付けます。
植え付ける深さは、球根1個分くらいです。
4~5球を密生させて植え付けると、最初の年から見栄えがします。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
5号鉢に7球程度が目安です。

植え替え

ゼフィランサスの球根は、前年の根が活動している間に新しい根が生育するという性質があります。
そのため、数年間は植えっ放しの方がよく育ちます。

株が混みすぎると花付きが悪くなるので、その場合は分球を兼ねて植え替えを行います。
鉢植えの場合は3~4年に一度、庭植えの場合は4~5年に一度、花付きが悪くなったら植え替えを行ってください。

増やし方(分球、種まき)

分球と種まきで増やすことができます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照ください。

分球

適期は3月中旬~4月頃です。
掘り上げて分球します。
暖地の場合は葉が付いたままの場合が多いと思いますが、株分けの要領で分球してください。

種まき

品種によって種の出来やすいものと、そうでない品種があります。
黄花品種は全般的に種が出来やすいです。
自然交配されていた場合、親株と同じ花が咲かない場合もあります。

種からも増やせますが、開花する大きさの球根に育つまでには時間がかかるため、
手軽に増やす場合は分球の方が簡単です

種の採取

花後に出来た鞘が茶色く変色し、裂けて黒い種が顔をのぞけたら種が熟しています。
採取してください。
採取した種は、乾燥させずにできるだけ早くまきます。

種まき

採取した種は採りまきですぐにまきます。
覆土は種が隠れる程度にごく薄く。
日が当たる場所で水切れに注意して、発根を待ってください。

病気・害虫

大きな病害虫の被害は少ない植物です。

芽や葉が柔らかい時期には、ナメクジやカタツムリに食害されることがあります。
また、乾燥した環境ではハダニが発生することがあります。

よくある質問

ゼフィランサスのよくある質問

ゼフィランサスを育てるときによくある疑問をまとめました。 花が咲かない原因、雨の後に咲く理由、植えっぱなしで育てられるか、冬越し、分球などを確認しておきましょう。

ゼフィランサスの花が咲かない原因は?

日照不足、乾燥が長く続いていること、球根が混み合いすぎていることなどが原因として考えられます。 半日陰でも育ちますが、花を多く楽しむには日当たりのよい場所が向いています。 数年間植えっぱなしで球根が密集した場合は、春に分球して植え直します。

雨が降るとゼフィランサスの花が咲くのはなぜですか?

ゼフィランサスは「レインリリー」と呼ばれ、 高温乾燥が続いたあとに雨が降ると、急に花茎を伸ばして一斉に咲くことがあります。 雨によって土壌水分が増えることが、開花のきっかけになります。

ゼフィランサスは植えっぱなしで育てられますか?

はい。特にタマスダレは、数年間植えっぱなしでもよく育ちます。 毎年掘り上げる必要はありません。 球根が増えて株が密集し、花付きが悪くなってきたら分球して植え直します。

タマスダレとサフランモドキでは冬越し方法が違いますか?

タマスダレは比較的耐寒性が高く、温暖地では特別な防寒なしで越冬できます。 サフランモドキなど寒さにやや弱い種類は、 寒冷地では株元をマルチングしたり、鉢植えを霜や凍結のない場所へ移動します。

冬に葉が枯れたら球根も枯れていますか?

種類によっては冬に地上部を枯らして休眠します。 球根が凍結していなければ、春に気温が上がると再び芽吹きます。 タマスダレは暖地では葉を残したまま冬越しすることもあります。

ゼフィランサスはどうやって増やしますか?

最も簡単なのは分球です。 親球の周囲にできた子球を春に分けて植え付けます。 種からも増やせますが、開花サイズになるまで分球より時間がかかります。

タマスダレは食べられますか?

食べられません。 タマスダレには有毒成分が含まれ、葉をニラ、球根をノビルと間違えて食べた中毒例があります。 葉、花、球根を食用にしないようにします。

  • この記事を書いた人

suzuna(すずな)

バラや季節の草花に囲まれて育ち、現在も自宅の庭でガーデニングを楽しんでいます。 植物の基本情報は、国内外の植物園・植物データベースなどを確認しながらまとめています。

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