中・高木 庭木

エゴノキ

学名…Styrax japonica
和名…エゴノキ
別名…チシャノキ、ロクロギ
科名…エゴノキ科
属名…エゴノキ属
原産国…日本、朝鮮半島、中国
花色…白、ピンク
樹高…5m~8m
日照…日なた~半日蔭
難易度…星
USDA Hardiness Zone:5 to 9

エゴノキとは

エゴノキ

エゴノキは日本、朝鮮半島、中国に分布するエゴノキ科エゴノキ属の落葉性高木です。
日本では、北海道から九州、沖縄まで分布しており、日当たりの良い雑木林などでごく普通に見かける樹木です。
美しい花を咲かせることから、ジャパニーズ・スノーベル(Japanese snowbell)と呼ばれ、欧米やヨーロッパなどでも庭木として植栽されています。

エゴノキの花期は5月~6月。
花期になると、分枝した小枝の先に小さな花を房状に咲かせます。
花は花径2.5㎝程度のベル状で花冠が深く5裂し、中央には黄色い雄しべが10本あり、2~3㎝程度の花柄でぶら下がるように下向きに咲きます。
葉が上を向いて付いているため花はよく目立ち、花付きも非常に良いため、最盛期には緑の葉の下で無数に咲く花を楽しむことが出来ます。

▼エゴノキの花

エゴノキ

基本種の花色は白ですが、ピンクの花を咲かせる品種もあります。

▼ピンクの花を咲かせるエゴノキ

エゴノキ

花後には丸い果実を実らせます。

▼エゴノキの果実

エゴノキ 果実

果実の果皮には胃や喉に炎症を起こすサポニンという有毒物質が含まれており、口に入れると舌が刺激されてえぐみ(えごみ)を感じます。
「エゴノキ」の名前はこの果実のえぐみに由来しています。
この果実はヤマガラの大好物で、何処からともなくやって来て、せっせと果実を持ち帰っていきます。
ヤマガラは有毒な果皮を取り除いて種子の胚乳だけを食べたり、土や木の穴に貯蔵しているそうです。
エゴノキの繁殖に貢献している愛らしい小鳥です。

▼ヤマガラ

葉は先が尖った卵形で互生します。
枝はよく分枝しながら樹高5~8m程度に成長します。

日本に自生している樹木なので、耐寒性・耐暑性ともに優れています。
北海道南部以南で植栽可能です。

エゴノキの育て方

エゴノキの育て方

栽培環境

日当たりの良い場所を好みますが、半日蔭でも十分育ちます。
乾燥しすぎる場所は苦手なので、強い西日が株元に当たらない場所が適しています。

冬越し

耐寒性は高く、北海道南部以南で栽培可能です。
特に対策の必要はありません。

水やり

庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
特に生育期の春から秋にかけては水切れに注意して下さい。
水切れを起こすと早く落葉したり、木が弱って枝先が枯れ込んだりします。

肥料

鉢植え、庭植えともに、寒肥と花後のお礼肥を施します。
寒肥は油粕などの有機肥料を、お礼肥には緩効性化成肥料を施して下さい。

植え付け・植え替え

適期は厳冬期を避けた落葉期の11月下旬~12月、3月です。

植え付け

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで下さい。
植え付けた後にはしっかりと水やりをし、棒などで突いて土をなじませます。

鉢植えの場合は、市販の培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、2~3年に一度植え替えを行います。
傷んだ根を取り除いて、一回り大きな鉢に植え替えて下さい。

剪定

適期は落葉期の11月下旬~3月上旬です。

自然樹形が美しい樹なので、強い剪定は行いません。
絡み枝や、枯れ込んだ枝、ひこばえを付け根から切り落とします。
混み合っている箇所があれば間引いて下さい。

増やし方(挿し木、接ぎ木、種まき)

挿し木、接ぎ木、種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

挿し木

適期は3月、6月です。
前年に伸びた枝を10~15㎝程度に切り取って挿し穂にします。
下葉を取り除いて水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。

接ぎ木

適期は3月で、実生苗を台木にします。
増やしたい株の枝を10~15㎝程度に切り取って穂木にします。
台木に三角形の切り込みを入れ、その切り込みに合うように穂木の切り口を整えます。
台木と穂木を接ぎ木テープで固定し、鉢に針金で枠を作ってビニールで覆って下さい。
明るい日陰で管理して芽が伸び始めたら徐々にビニールを外していきます。
失敗した場合は穂木が枯れてきます。

種まき

種の採取

花後に出来た果実が秋になると熟して茶色くなります。
中から種を取り出して下さい。
果実が熟すと種は落ちるので、株元を探すと種が落ちていますが、乾燥すると極端に発芽率が下がるので、落下直後のものか、落下前のものを採取するのが理想です。

種まき

採取した種をとりまきします。
用土は少し湿り気が残るような土が適しているので、ピートモスなどを混ぜて調整します。
覆土は種が隠れる程度に軽く。
水を切らさないように管理すれば、春には発芽します。

病気・害虫

カミキリムシ(テッポウムシ)

株元におがくずのようなものが落ちていたら幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
放っておくと樹が弱ったり枯れてしまったりするので、早目に駆除して下さい。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを突っ込んで補殺します。
薬剤の場合は、駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意して下さい。

エゴノキアブラムシ

エゴノキの芽に寄生して吸汁します。
バナナのような虫こぶを形成するので、見つけ次第駆除して下さい。

うどんこ病

葉の表面に小麦粉をまぶしたような病変が現れます。
美観を損ねる上、拡大すると樹勢が弱まって早く落葉したりします。
放っておくと拡大するので、早めに薬剤で対処して下さい。
風通しの良い環境で樹が元気に育っていれば、発生しにくくなります。

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