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フクジュソウ

学名…Adonis ramosa
和名…フクジュソウ(福寿草)
別名…ガンジツソウ(元日草)、ツイタチソウ(朔日草)
科名…キンポウゲ科
属名…フクジュソウ属
原産国…日本
花色…黄、白、オレンジ、緑
草丈…10㎝~30㎝
日照…半日蔭
難易度…星
USDA Hardiness Zone:

フクジュソウとは

フクジュソウ

フクジュソウは、日本の北海道から九州にかけて分布するキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。
分布域は山林の中にあり、落葉樹の下などの木漏れ日が差し込むような場所に自生しています。
初春に花を咲かせることから春を告げる花として有名で、ガンジツソウ(元日草)、ツイタチソウ(朔日草)とも呼ばれています。
江戸時代から広く栽培されているため、園芸品種も数多く作出されましたが、現在ではその多くが失われています。

フクジュソウの花期は2月~4月。
花期になると、分枝した茎の頂部に、花径3~4㎝程度の鮮やかな黄色い花を咲かせます。
花は10~30個の花弁を持ち、中心には多数の雄しべと多数の雌しべがあります。
花弁は太陽の光を集めるために緩やかに湾曲しており、集めた熱で虫を誘引しています。

▼フクジュソウの花

フクジュソウ

花色は基本種の黄色の他、白、緑、オレンジ。
写真は八重咲きですが、一重咲き、段咲き品種も流通しています。

▼紅花のフクジュソウ秩父紅

フクジュソウ 秩父紅

葉は細かい切れ込みを持つ羽状複葉で、繊細な形をしており互生します。
茎は直立して分枝し、花を咲かせながら草丈10~30㎝程度に成長します。

▼フクジュソウの葉の様子

フクジュソウ

花期の最初は短い茎に花だけを付けますが、徐々に花茎を伸ばし葉を広げます。
晩春には葉を枯らし、休眠期に入ります。

フクジュソウの育て方

フクジュソウの育て方

栽培環境

芽出し前から開花中はよく日の当たる場所が適しています。
日光に当たらないと花が開かないので注意して下さい。
花後から葉が枯れるまでは明るい日陰、その後は日陰で育てます。

庭植えの場合は、落葉樹の下などが適しています。

冬越し

耐寒性は高く、凍結しなければ大丈夫です。
土まで凍ってしまうような寒冷地の場合は、凍結対策を施して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
生育期に乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
花後に葉が枯れて休眠期に入りますが、乾燥させてしまうと生育に影響するので水やりをして下さい。

花弁に水がかかると花が傷むことがあるので、水がかからないように注意します。

肥料

庭植え、鉢植えともに、元肥として緩効性化成肥料を施します。
追肥は、芽が出始めたら同様の肥料を置き肥して下さい。
さらに、地上部が枯れるまで、液体肥料を2週間に1回程度施して、翌年の花のために根の生育を促します。

植え付け・植え替え

適期は9月下旬~10月中旬です。

植え付け

庭植えの場合は、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込んでおきます。
根を切らないように深めの植え穴を掘って、植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・軽石(小粒)2などの配合土に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
根が大きく成長するので深鉢を使い、出来るだけ根を広げて植え付けて下さい。

※秩父紅など希少種のフクジュソウは雑菌に弱い性質のものもあるので、腐葉土は混ぜ込まないで下さい。
山野草の土を使うか、鹿沼土5・赤玉土4・軽石1などの配合土を使います。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年一度は植え替えを行います。
根が長く伸びていますが、切り詰めずに傷んだ根だけ取り除いて、そのまま植え付けて下さい。

庭植えの場合は、3~4年に一度、植え替えを行います。
根が大きく深く広がっているので、傷つけないように注意して掘り上げて下さい。
必要であれば株分けを行います。

※お正月用の寄せ植えは根を切り詰めてあります。
時期に関係なく、出来るだけ早く深鉢に植え替えて下さい。

増やし方(株分け、種まき)

株分けと種まきで増やすことが出来ます。
種まきについては下記「種まき」の項目を参照下さい。

株分け

植え替え時に行います。
株を掘り上げたら土を落とし、1株に5芽くらいを目安に手で分けて下さい。
あまり小さく分けすぎると生育が遅れるます。
手で自然に分けられる程度にとどめ、根を傷めないように注意して下さい。

種まき

発芽率が悪く発芽までには1年近くかかり、さらに開花までには4年以上の時間がかかります。

種の採取

花後に種が出来ますが、フクジュソウの種は未熟のまま地面に落ち、地中で成熟して発芽するという性質を持っています。
触るとポロポロと落ちますが、自然に落ちるのを待って種を採取します。
空気穴を開けたビニールなどを被せておくと、簡単に採取可能です。
※種はまだ緑色をしています。

採取したらすぐに採り蒔きをします。

種まき

種床の用土は、赤玉土5・鹿沼土5、または鹿沼土単用などです。
種が重ならないようにまき、覆土は1㎝程度。
水やりをして直射日光の当たらない棚下などで、苔が生えないように注意して管理します。

うまくいけば翌春に発芽します。
発芽したら極薄い液体肥料を施して下さい。

病気・害虫

白絹病

夏場に発生することがあります。
発生すると株元や用土の表面が白い絹糸のようなもので覆われ、やがて枯れてしまいます。
残念ですが発生した株は処分して下さい。

植え付け、植え替えの際は清潔な用土を使い、発生を抑制して下さい。

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