
育て方のポイント
宿根バーベナ・テネラの育て方早見表
宿根バーベナ・テネラは、細かく切れ込んだ葉と小花を楽しむ、這うように広がる多年草です。 日当たりと水はけのよい場所を好み、春から秋まで長く花を咲かせます。 グランドカバーや花壇の縁取りに使いやすく、花後に切り戻すと草姿が整い、再び花を楽しみやすくなります。
- 分類
- 多年草・宿根草・グランドカバー
- 開花期
- 5月~10月
- 花色
- 白、ピンク、紫
- 草丈
- 15cm~25cm。横に広がり、花壇の縁取りやグランドカバーに向く
- 日照
- 日なた。日当たりが悪いと花付きが悪くなりやすい
- 適した場所
- 日当たりと水はけのよい場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ。鉢植えは用土が乾いたらたっぷりと水やりをします
- 肥料
- 花期が長いため、春から秋に緩効性肥料や液体肥料を追肥する
- 植え付け
- 4月~5月
- 切り戻し
- 花後や草姿が乱れたときに切り戻す。株元の葉は残す
- 夏越し
- 暑さに強く、真夏の直射日光でも育つ
- 冬越し
- 暖地では戸外で冬越し可能。寒冷地では霜よけや鉢上げで保護する
- 増やし方
- 挿し芽。地面に触れた茎から発根した部分を移植しても増やせる
- 病害虫
- うどんこ病に注意。ただし宿根バーベナ・テネラでは発生は少なめ
育て方のコツ: 宿根バーベナ・テネラは、日当たりと水はけのよい場所で育てると、春から秋まで長く花を楽しめます。 花期が長いため肥料切れに注意し、花がら摘みや切り戻しで草姿を整えます。 冬は地上部が枯れますが、暖地では春に再び芽吹きます。
宿根バーベナ・テネラの基本情報
- 学名…Glandularia tenera (Spreng.) Cabrera
Syn. Verbena tenera Spreng. - 和名…ヒメビジョザクラ(姫美女桜)
- 別名…バーベナ・テネラ
- 科名…クマツヅラ科
- 属名…ビジョザクラ属
- 原産国…南アメリカ
- 花色…白、ピンク、紫
- 草丈…15cm~25cm
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:7 to 11
宿根バーベナ・テネラとは
宿根バーベナ・テネラは、南アメリカに分布するクマツヅラ科ビジョザクラ属の多年草です。
宿根バーベナ・テネラとして流通しているのは、ヒメビジョザクラの和名を持つグランダラリア・テネラ(Glandularia tenera)です。
グランダラリア・テネラは近年までクマツヅラ属(バーベナ属)に分類されていた経緯があり、バーベナ・テネラの名前で呼ばれることもあります。
※現在でもバーベナ属で分類される場合もあります。
グランダラリア・テネラの分布域は、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイにあり、牧草地や草原、森林の開けた場所、道ばたなどに自生しています。
観賞用として世界で広く栽培されており、現在フィリピンやインド、アジアの一部の地域で、導入されたものが逸出して帰化植物として定着しています。
一般的にバーベナとして流通する品種は寒さに弱く、一年草として扱うことが多いのですが、グランダラリア・テネラは耐寒性が高く、冬を越して翌年以降も花を咲かせます。
そのため「宿根バーベナ」とも呼ばれることもありますが、「宿根バーベナ」の名前はバーベナ・リギダの和名であるため、区別して「宿根バーベナ・テネラ」と呼ばれています。
宿根バーベナ・テネラの花期は5月~10月。
花期になると、分枝した茎の頂部に花序を出し、小さな花を密に咲かせます。
花序は散房状で、咲き進むと伸びていきます。
▼宿根バーベナ・テネラの花序

花は直径1cm程度の高杯形で、先が5裂して平らに開きます。
裂片はさらに浅く2裂しています。
▼宿根バーベナ・テネラの花

花色は、白、ピンク、紫。
▼白い花を咲かせる宿根バーベナ・テネラ

葉は対生し、長さ1.5~3.5cmの卵形で、3全裂し、さらに羽状に細かく裂けます。
小さな裂片は線形になります。
▼宿根バーベナ・テネラの葉の様子

茎はよく分枝して地面を這うように横に広がります。
グランドカバーとしてよく利用されます。
▼宿根バーベナ・テネラの草姿

冬になると地上部はほぼ枯れてしまいますが、春になると再び芽吹いて花を咲かせます。
グランドカバーで使うときのポイント
宿根バーベナ・テネラは横に広がる草姿のため、花壇の縁取りやグランドカバーに向いています。
日当たりのよい場所では花付きがよく、春から秋まで長く花を楽しめます。
一方で、広がりすぎたり、茎が伸びて草姿が乱れたりすることがあります。 花後や姿が乱れたタイミングで切り戻すと、株元から新しい芽が出て、まとまりのある草姿に戻りやすくなります。
宿根バーベナ・テネラの主な品種
「タピアン」シリーズ(Tapien Series)

タピアンはサントリーフラワーが開発したハイブリッド品種です。
宿根バーベナ・テネラに比べると格段に花付きが良くなっています。
紫、紅色、ピンク、やや紫を帯びた白など、豊富な花色が揃います。
関連図鑑
宿根バーベナ・テネラが属するビジョザクラ属は、世界に約100種が知られる多年草、または亜低木です。
美しい花を咲かせることから本種以外にも観賞用として栽培されます。
かつてクマツヅラ属(バーベナ属)に分類されていた経緯があり、バーベナの名前で呼ばれることの方が一般的です。
本来のバーベナであるクマツヅラ属では、バーベナ・リギダ、三尺バーベナなどが栽培されています。
また、野の草花では在来種のクマツヅラ、帰化種のアレチハナガサなどがあります。
宿根バーベナ・テネラと、よく比較されるバーベナの仲間を比べると、次のようになります。
| 種類・品種 | 特徴 | 草丈・草姿 | 花期 | 庭での使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 宿根バーベナ・テネラ | 細かく切れ込んだ葉と小花が特徴。冬を越して翌年も咲く。 | 15cm~25cm。這うように横に広がる | 5月~10月 | グランドカバー、花壇の縁取り、鉢植え |
| タピアンシリーズ | サントリーフラワーが開発したハイブリッド品種。花付きがよい。 | 横に広がりやすい | 春~秋 | 広い面を覆うグランドカバー、寄せ植え、花壇 |
| バーベナ・リギダ | 本来「宿根バーベナ」の和名を持つ種類。丈夫で花壇向き。 | 立ち上がる草姿 | 初夏~秋 | 花壇、宿根草の植栽 |
| 三尺バーベナ | ヤナギハナガサとも呼ばれる背の高いバーベナ。 | 高性で立ち上がる | 初夏~秋 | 花壇の後方、ナチュラルガーデン |
| アレチハナガサ | 帰化植物として見られるバーベナの仲間。 | 細く立ち上がる | 夏~秋 | 観賞用より野草・帰化植物として扱われることが多い |
宿根バーベナ・テネラの育て方

栽培環境
日当たりの良く、水はけの良い環境が適しています。
耐暑性は高く、真夏の直射日光に当たっても元気に花を咲かせます。
冬越し
秋に完全に花が終わったら、短く刈り込みます。
耐寒性は高い方ではありませんが、暖地ではそのまま戸外で冬越し可能です。
その他の地域では、霜よけなどを設置してください。
寒冷地の場合は、根を崩さないように掘り上げてプランターに移し、温かい場所で冬越しさせます。
小さな苗の場合は、暖地であっても寒さには注意が必要です。
その場合は株元をマルチングして防寒対策を施します。
水やり
庭植えの場合は、一度根付けば、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
真夏に乾燥が長く続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
乾燥には比較的強い性質です。
肥料
花期が5月~10月と非常に長いので、肥料が必要になります。
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、緩効性肥料の置き肥か、液体肥料を月に2回程度、施します。
鉢植えの場合も同様です。
肥料が切れると花付きが悪くなります。
植え付け・植え替え
適期は4月~5月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行ってください。
宿根バーベナ・テネラの花が咲かない原因
宿根バーベナ・テネラの花が咲かない場合は、日照不足、肥料切れ、切り戻し不足、株の老化などが原因として考えられます。
日当たりのよい場所を好むため、日照時間が短い場所では花付きが悪くなります。
また、花期が長く、春から秋まで次々と花を咲かせるため、肥料切れにも注意します。
花数が減ってきた場合は、緩効性肥料や液体肥料で追肥します。
花が終わった花茎を残したままにすると、草姿が乱れやすくなります。
花後は花茎を付け根から切り取り、株全体が伸びすぎた場合は切り戻して新しい芽を出させます。
花がら摘み・切り戻し
花がら摘みをしないと、徒長して草姿が乱れます。
花が終わった花茎は付け根から切り取ります。
花期の途中でも姿が乱れたら、切り戻しを行ってください。
1週間~10日ほどで新しい芽が出てきます。
切り戻しの位置は、草丈の1/2~1/3程度を目安にし、必ず株元の葉を数枚残します。
切り戻し後の管理
切り戻し後は、新しい芽が伸びるまで水切れに注意します。
鉢植えでは用土が乾きすぎないように管理し、必要に応じて薄めの液体肥料を施します。
ただし、真夏の暑い時期に強く切り戻すと株に負担がかかることがあります。
株元の葉を数枚残し、様子を見ながら整える程度にすると安心です。
増やし方(挿し芽)
挿し芽で増やすことが出来ます。
挿し芽
適期は春~初夏、または秋です。
しっかりした茎を先端から5~10cm程度に切り取って挿し穂にします。
下の葉を取り除いて水揚げをしたら、挿し木用土に挿してください。
地面に触れている部分から発根していることもあるので、そちらを移植しても増やすことが出来ます。
病気・害虫
うどんこ病
高温多湿の時期にバーベナに発生しやすい病気ですが、宿根バーベナ・テネラではあまり発生しません。
発生すると、葉や茎が白い粉をまぶしたように白くなります。
すぐに枯れることは少ないものの、株が弱ります。
風通しを良くして発生を予防してください。
発生してしまった場合は、薬剤で病気の拡大を防ぎます。
よくある質問
宿根バーベナ・テネラのよくある質問
宿根バーベナ・テネラを育てるときによくある疑問をまとめました。 冬越し、切り戻し、花が咲かない原因、グランドカバーでの使い方、タピアンとの違いなどを確認しておきましょう。
宿根バーベナ・テネラは多年草ですか?
宿根バーベナ・テネラは多年草です。 一般的なバーベナは一年草扱いされることも多いですが、宿根バーベナ・テネラは冬を越して翌年も花を咲かせます。 冬は地上部がほぼ枯れますが、暖地では春に再び芽吹きます。
宿根バーベナ・テネラは冬越しできますか?
暖地では戸外で冬越しできます。 ただし耐寒性がとても高い植物ではないため、霜が強い地域では株元をマルチングするなど防寒対策をします。 寒冷地では、根を崩さないように掘り上げて鉢に移し、寒さを避けて冬越しさせると安心です。
宿根バーベナ・テネラの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、肥料切れ、切り戻し不足、株の老化などが原因になることがあります。 日当たりのよい場所を好むため、日照時間が短い場所では花付きが悪くなります。 また、花期が長いため、肥料が切れると花数が減りやすくなります。
宿根バーベナ・テネラは切り戻しが必要ですか?
草姿が乱れたら切り戻しを行います。 花が終わった花茎を付け根から切り取ると、徒長を防ぎ、次の花を咲かせやすくなります。 切り戻すときは、株元の葉を数枚残して、草丈の半分から3分の1程度を目安に切ります。
宿根バーベナ・テネラはグランドカバーに向きますか?
宿根バーベナ・テネラは、地面を這うように横に広がるため、グランドカバーに向いています。 草丈が低く、春から秋まで長く花を咲かせるので、花壇の縁取りにも使いやすい植物です。 ただし、広がりすぎた場合は切り戻して形を整えます。
宿根バーベナ・テネラとタピアンの違いは?
タピアンは、サントリーフラワーが開発したハイブリッド品種です。 宿根バーベナ・テネラに比べて花付きがよく、紫、紅色、ピンク、白系など花色も豊富です。 どちらも横に広がりやすく、グランドカバーや花壇の縁取りに利用できます。
宿根バーベナ・テネラは鉢植えでも育てられますか?
宿根バーベナ・テネラは鉢植えでも育てられます。 鉢植えでは日当たりのよい場所に置き、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。 根詰まりしている場合は、春に一回り大きな鉢へ植え替えます。
宿根バーベナ・テネラの増やし方は?
宿根バーベナ・テネラは挿し芽で増やすことができます。 適期は春から初夏、または秋です。 しっかりした茎を5cm~10cmほど切り取って挿し穂にし、挿し木用土に挿して発根させます。 地面に触れた茎から発根している場合は、その部分を移植して増やすこともできます。


