クロバナロウバイの育て方

  • 学名…Calycanthus floridus var. floridus
  • 和名…ニオイロウバイ
  • 別名…アメリカロウバイ、アカバナロウバイ
  • 科名…ロウバイ科
  • 属名…クロバナロウバイ属
  • 原産国…北アメリカ
  • 花色…茶色
  • 樹高…0.5m~3.5m
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 9

クロバナロウバイとは

クロバナロウバイ

クロバナロウバイは、北アメリカに分布するロウバイ科クロバナロウバイ属の落葉低木です。
分布域はアメリカ東部のバージニア州からフロリダ州にかけて広がっており、森林の開口部や低木林の中、河川沿いなど、やや湿り気のある場所に自生しています。

クロバナロウバイ属には2~4種(分類学的解釈により異なる)が分類されていますが、クロバナロウバイとして流通するのは本種(Calycanthus floridus var. floridus)のみです。
ただし、クロバナロウバイの変種であるアメリカロウバイ(Calycanthus floridus var. glaucus)もクロバナロウバイとして流通することがあります。
両種は酷似しており同定が困難な場合もありますが、一般的には、クロバナロウバイが強い香りを持つのに対し、アメリカロウバイの花にはほとんど香りが無いと言われています。


クロバナロウバイの花期は5月~6月。
花期になると、分枝した上部の枝の葉腋から短い花柄を出し、花を咲かせます。
花は径2~6㎝、高さ1~3㎝程度の球状です。
花被片は長さ2~4㎝、幅0.3~0.8㎝のやや肉厚な披針形~長楕円形です。
花被片は暗褐色から赤褐色でやや肉厚です。

▼クロバナロウバイの花

クロバナロウバイ


雄しべは10~20個。
咲き進んでも花被片が反り返らないので、中にある雄しべは見えません。

花には強い芳香があり、クロバナロウバイの花から蒸留された精油は、香水の原料として使用されています。
和名であるニオイロウバイの名前は、強い芳香に由来しています。
※アメリカロウバイの花は強く香りません。

▼クロバナロウバイの花

クロバナロウバイ

葉は対生し、長さ5~15㎝、幅2~6㎝の先の尖った楕円形~卵形です。
葉柄は0.3~1㎝。
葉裏や新枝には短い軟毛が密生しています。
※アメリカロウバイの葉裏は無毛か、微細な毛が点在しています。

▼クロバナロウバイの葉の様子

クロバナロウバイの葉の様子

地際から多数の枝を出して株立ちとなり、枝はよく分枝して樹高0.5~3.5m程度に成長します。
枝葉にも芳香があり、剪定作業の時などによく香ります。

▼たくさんの花を咲かせるクロバナロウバイ

クロバナロウバイ

耐寒性、耐暑性に優れており、丈夫な性質です。
自生地がやや湿り気のある土壌のため、強い乾燥を嫌います。
日なた~半日蔭の場所に適応しますが、日なたで育てる場合は、強い西日が株元に当たらないような環境が適しています。
酷い乾燥だけに注意すれば病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい花木です。
樹高も高くならないので、剪定作業もあまり必要ではありません。

クロバナロウバイの主な品種

クロバナロウバイ(Calycanthus floridus var. floridus)

クロバナロウバイ

花に強い芳香があります。
葉裏に毛があるのが特徴で、花は暗褐色です。
芳香は葉や枝にもあり、傷つくと強く香ります。

アメリカロウバイ(Calycanthus floridus var. glaucus)

クロバナロウバイに酷似しており、同定が困難な場合もあります。
一般的には、アメリカロウバイの花には芳香がほとんど無いと言われていますが、定かではありません。
両種に顕著な違いはありませんが、クロバナロウバイの葉裏には毛が生えているのに対し、アメリカロウバイの葉裏は無毛、あるはい微細な毛が点在する状態となっています。

クロバナロウバイの名前で流通することもあります。

カリカンサス・ハートレージワイン(Calycanthus floridus x Sinocalycalycanthus raulstonii ‘Hartlage Wine’)

カリカンサス・ハートレージワイン
photo by:peganum / CC BY-SA 2.0
USDA Hardiness Zone:5 to 9

クロバナロウバイとナツロウバイの交配種です。
花は赤褐色で、径6~10㎝程度の大輪です。
花に芳香はありますが、クロバナロウバイほど強くありません。
樹高2~3m程度に成長します。

ロウバイ科の植物

クロバナロウバイが属するロウバイ科の植物は、ロウバイ属、クロバナロウバイ属の2属約10種が知られています。
観賞用として栽培されているロウバイ科の植物には本種の他以下のようなものがあります。

クロバナロウバイの育て方

クロバナロウバイの育て方

栽培環境

日なたから半日蔭の場所で、腐植質に富んだ水はけの良い土壌を好みます。
基本的には日当たりを好みますが、自生地はやや湿り気のある土壌で、強い乾燥を嫌います。
強い西日が当たらないような場所で育てて下さい。 

冬越し、夏越し

耐寒性、耐暑性に優れており、特に対策の必要はありません。

水やり

ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が続くような場合は、水やりをして下さい。

肥料

冬の2月~3月頃に寒肥として、固形の油粕、または緩効性化成肥料を施します。

植え付け

適期は厳冬期を避けた落葉期の10月~11月、2月下旬~3月です。

根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や完熟たい肥をたっぷりと混ぜ込みます。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませて下さい。

剪定

剪定の適期は落葉期の11月~12月、2月~3月、花後です。
成長は比較的遅く樹高も高くならないので、必ずしも必要な作業ではありません。

落葉期の剪定

花付きの悪くなった枝や枯れた枝を取り除きます。
地際から多数の芽を出して株立ちになります。
枝が多すぎる場合は、適度に間引いて下さい。

花後の剪定

全体の樹形を整えたい時に行います。
枝先を軽く刈り込んで、樹形を整えて下さい。

クロバナロウバイの花芽は7月以降の夏に作られます。
花後の剪定は遅くとも6月中には終わらせて下さい。

増やし方(挿し木、株分け)

挿し木と株分けで増やすことが出来ます。

挿し木

適期は梅雨時期の6月~7月です。

挿し穂にはその年に伸びた枝を使います。
枝を2~3節程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉は取り除き、上の葉は1/2程度にカットして下さい。
水揚げをしてから挿し木用土に挿します。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

株分け

適期は春の3月頃です。
地下茎から多数の芽を出して株立ちになります。
地下茎から伸びた芽を、根を付けた状態で掘り上げ、鉢などに植え付けて下さい。 

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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