和名…ルコウソウ(縷紅草)
科名…ヒルガオ科
属名…サツマイモ属
原産国…熱帯アメリカ
花色…赤、白、ピンク、オレンジ
草丈…1m~3m(ツル)
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:11 to 12
ルコウソウとは
ルコウソウは、熱帯アメリカ原産のヒルガオ科サツマイモ属の一年草です。
分布域は、メキシコから南アメリカ北部に広がっており、標高1000m以下の平野に自生しています。
美しい葉と花を持つことから広く栽培されており、逸出したものがアメリカ南部の他、熱帯アジアやオーストラリアでも帰化植物として定着しています。
日本へは江戸時代初期に渡来し、当時は「カボチャアサガオ」の名前で呼ばれていました。
カボチャとはカンボジアのことを指し、カンボジア経由で渡来したことに由来するのではないかと言われています。
アサガオとは草姿が大きく異なりますが、同じヒルガオ科サツマイモ属の植物で、近縁種ということになります。
ルコウソウの花期は7月~10月。
花期になると、伸びたツルの上部の葉腋から花柄を伸ばし、1~2個の咲かせます。
花は花径2㎝程度の高杯形で、2~3㎝の長い花筒を持ちます。
花冠は星形に開き、花冠から雄しべと雌しべが突出します。
花色は基本種の赤の他、白、ピンク。
▼ルコウソウの花
葉は互生し、長さ2~9㎝程度の楕円形で、糸状に深く裂けています。
つるは分枝しながら、最長で3m程度に成長します。
▼ルコウソウの葉
細く繊細なレースのような葉に、小さな星形の花が愛らしい植物です。
生育旺盛でよくつるを伸ばすので、フェンスに絡めたり、緑のカーテンとして楽しみます。
緑のカーテンとして仕立てると、繊細な葉が涼し気な印象です。
つるを誘引しない場合は、地面を這うように広がるのでグランドカバーとしても利用できます。
耐暑性が高く、育てやすい植物です。
短日植物のため、花の最盛期は8月下旬以降になります。
丈夫な性質で、こぼれ種でもよく発芽します。
ルコウソウの主な品種
ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)
南北アメリカの熱帯地域に分布しています。
熱帯地域では観賞用によく栽培される植物で、逸出したものが各地で野生化しています。
花色は赤、白、ピンク。
マルバルコウ(Ipomoe coccinea)
メキシコ、中央アメリカに分布するルコウソウの近縁種です。
南アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアなど世界の各地で野生化しています。
日本では本州中部以南、九州、四国で帰化して雑草化しています。
葉は先の尖った卵形で基部は心形となり、茎に互生します。
花は濃いオレンジ色で、花冠が5角形に開きます。
ハゴロモルコウソウ(モミジバルコウソウ:I. × multifida)
ルコウソウとマルバルコウの交雑種で、葉が両種のちょうど中間のような形をしています。
花色は赤で、花冠が五角形に開きます。
ルコウソウの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
短日植物で、日照時間が短くなると花を咲かせる性質があります。
街灯などで夜間も明るい場所では花芽が付かないので注意して下さい。
水やり
庭植えの場合は、乾燥が続いて葉が萎れるようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
夏場の水切れには注意して下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、生育期の9月頃までの間、緩効性化成肥料を2か月に1回程度、株元に置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様で、生育期の間、緩効性化成肥料を施すか、液体肥料を10日に1回程度、施します。
肥料が多いと、ツルはよく伸びますが花付きが悪くなるので注意して下さい。
植え付け(用土)
適期は4月下旬~6月中旬です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
65㎝深型プランターに3株が目安です。
支柱立て、ネット張り
気温が上がってくるとツルがどんどん伸びていきます。
ネットや支柱は早めに準備し、ツルを誘引して下さい。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ますが、こぼれ種でもよく増えます。
種の採取
花後にサヤが出来ます。
茶色くなったら種が熟しているので、採取して下さい。
しっかりと熟した種は黒い色をしています。
採取した種は封筒などに入れて、冷暗所で保管します。
種まき
適期は4月下旬~6月中旬です。
発芽温度が20~25℃と高めなので、暖かくなってから蒔いて下さい。
ルコウソウの種は硬いので、そのままだとなかなか発芽しません。
一晩水に浸けておき、膨らんだ種を選んで蒔いて下さい。
移植を嫌う性質なので、種は花壇やプランターに直接まくか、ポットに2~3粒ずつ蒔きます。
覆土は5㎜程度に軽く。
発芽までは水を切らさないように管理し、発芽後に間引きます。
ポットまきの場合は、ポットに根が回ったら定植して下さい。
病気、害虫
アブラムシ、ハダニ
アブラムシやハダニが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤で対処して下さい。
ハダニは水が苦手なので、水やりの際に葉にも水をかけるようにすると、ある程度は駆除することが出来ます。