科名…イヌサフラン科
属名…サンダーソニア属
原産国…アフリカ南部
花色…オレンジ、黄色
草丈…50㎝~70㎝
日照…日なた(夏は半日陰)
難易度…
USDA Hardiness Zone:9 to 10
サンダーソニアとは
サンダーソニアは、アフリカ南部に分布するイヌサフラン科サンダーソニア属の球根植物です。
サンダーソニア属に分類されているのは、本種サンダーソニア・オーランティアカ(Sandersonia aurantiaca)のみで、一属一種の植物となっています。
サンダーソニアの分布域は、南アフリカの東ケープ州、クワズール・ナタール州、ムプマランガ州、スワジランドにあり、森林の中の開けた場所、草原などで日当たりの良い場所に自生しています。
サンダーソニアの名前は、本種の発見者であるスコットランドの植物学者ジョン・サンダーソンに因んでいます。
サンダーソニアの花期は6月~7月。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から長い花柄を出し、花径2㎝程度の花を咲かせます。
花は基部から大きく膨らみ、先端が窄まった釣鐘形で、茎の下から上へと咲き進んでいきます。
ツヤのある愛らしい花姿から「クリスマスベル」の英名を持ちます。
花色はオレンジ、黄色。
▼サンダーソニアの花
葉は披針形で表面には美しいツヤがあり、互生します。
葉の先端は巻きひげ状になり、他のものに巻き付いて植物を支える役目を果たします。
独特の草姿が切り花としても人気で、生け花の他、フラワーアレンジメトでもよく利用されています。
▼多くの花を咲かせたサンダーソニア
暑さ寒さにやや弱い性質です。
夏は涼しい場所で管理し、冬場は球根を掘り上げるか、鉢ごと室内に取り込んで春まで保管します。
春に芽を出して花後の秋には地上部を枯らせて休眠する、春植え球根です。
サンダーソニアの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
基本的に日光を好みますが、高温多湿が苦手な性質のため、開花後は半日陰の場所だと球根の生育が促されます。
夏越し
鉢植えの場合は、花が終わったら半日陰の場所に移動して下さい。
庭植えの場合は、花後に遮光すると球根の生育がよくなり、翌年も美しい花を咲かせます。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
秋口になって葉が枯れ始めたら水やりを止め、土を乾かして下さい。
肥料
元肥
サンダーソニアは根が少なく、吸肥力もあまり強くありません。
庭植えの場合は、元肥は用土に混ぜず、植え付けたあとに球根の上部に緩効性化成肥料をばらまいて下さい。
鉢植えの場合は、根に肥料が直接触れないよう、鉢底に土に少量の緩効性化成肥料を混ぜておきます。
追肥
4月~6月までの間に液体肥料を施します。
庭植えの場合は月に1回程度、鉢植えの場合は月に2回程度です。
植え付け
適期は3月中旬~5月です。
用土
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
元肥は用土に混ぜず、植え付けた後に、緩効性化成肥料をばらまいて下さい。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)6・腐葉土2・川砂2・ピートモス(酸度調整済)1などの水はけの良い配合土を使います。
元肥は鉢底の土に少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
植え付け
球根は通常二股に分かれてV字になっており、その先端から芽が出ます。
芽が出る方を上にして植え付けますが、どこから芽が出るか分からない場合は、球根を横に寝かせて植え付けても大丈夫です。
庭植えの場合は、5~10㎝程度の深さで植え付けます。
鉢植えの場合は、5㎝程度の深さで植え付けて下さい。
6号鉢に3~4球が目安です。
支柱立て
茎が細く繊細なので、草丈が伸び始めたら早めに支柱を立てます。
球根の堀り上げ、保存
鉢植えでの保存
葉が枯れ始めたら水やりを止めて、土を乾燥させます。
鉢植えの場合は、そのまま0℃以下にならない場所で保管することが出来ます。
保管する場所がない場合は、球根を掘り上げて下さい。
庭植えの場合
葉が完全に枯れたら、球根を掘り上げます。
掘り上げた球根は、日陰でしっかりと乾燥させて下さい。
乾燥させた球根は、おがくずやバーミキュライトと共にビニール袋や箱に入れて春まで保存します。
ある程度の寒さに当たらないと芽が出にくいので、10℃以上にならない場所に置いて下さい。
増やし方(分球、種まき)
分球と種まきで増やすことが出来ます。
分球
大きく育った球根は、茎を中心に二股に分かれてV字の形状になります。
折れ曲がった部分で切り分けて、分球して下さい。
分球する球根は、左右が同じ大きさのものが良く、あまり小さなものは分球しない方が良いです。
種まき
開花までに2~3年ほどかかります。
花後に種が出来ることがあるので、採取して下さい。
種まきの適期は秋です。
サンダーソニアの種は低温に当たらないと発芽しません。
種をまいたら、薄く種が隠れる程度に覆土し、戸外で冬越しさせます。
発芽温度は15℃~20℃で、発芽は5月頃になります。
病気、害虫
ナメクジ
梅雨時期に発生しやすく、新芽を食害します。
夜行性のため、昼間は鉢の下などに潜んでいます。
捕殺するか、専用の薬剤で駆除して下さい。
アブラムシ
新芽にアブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤で駆除して下さい。