- 学名…Felicia
- 和名…ルリヒナギク(瑠璃雛菊)
- 別名…ブルーデージー
- 科名…キク科
- 属名…ルリヒナギク属
- 原産国…南アフリカ
- 花色…青、ピンク、白
- 草丈…20㎝~50㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:10 to 11
ブルーデージーとは
ブルーデージーは、キク科ルリヒナギク属の多年草です。
ルリヒナギク属の植物は、アフリカ南部を中心に、熱帯アフリカ、アラビア半島などに約85種が分布しており、花の美しい幾つかの種がブルーデージーとして流通しています。
主に栽培されるのは、フェリシア・アモエナ(Felicia amoena)とフェリシア・アメロイデス(ルリヒナギク:Felicia amelloides)の二種、そしてその園芸品種です。
どちらもよく似た草姿をしていますが、アモエナの方が葉が細いのが特徴です。
園芸上は多年草として扱いますが、原産地では樹高1mになる半低木です。
その他、近年ではフェリシア・エキナータ(Felicia echinata)、フェリシア・フィリフォリア(Felicia filifolia)も流通するようになっています。
ブルーデージーの花期は春の4月~6月、秋の9月~11月。
花期になると、茎の頂部から長い花柄を伸ばし、花径3㎝前後の頭花(とうか)を付けます。
頭花(トウカ)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(トウジョウカ)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、2種類の小さな花で構成されています。
中心部分の管状花(カンジョウカ)と、周辺の舌状花(ゼツジョウカ)です。
▼ブルーデージーの頭花
舌状花は筒状になった花弁の片側が舌状に大きく広がっており、管状花は先が5裂した筒状です。
管状花は外側から内側へと咲き進みます。
雄性先熟で、先に雄しべが成熟して花粉を出し、その後で雌しべが伸びて成熟します。
▼ブルーデージーの舌状花と管状花
花は日中はきれいに開き、夜間や天候の悪い日には舌状花が外側にくるりとカールします。
花色は基本種のブルーの他、ピンク、白。
▼雨の日のブルーデージー
葉の形は卵形~長楕円形、線形など、品種により異なります。
葉に白い斑が入った斑入り品種の人気が高く、園芸店でもよく見かけます。
斑入り品種は花のない季節でもカラーリーフとしての観賞価値が高く、ブルーデージーの人気を一気に高めた立役者です。
▼ブルーデージーの斑入り品種
暑さ寒さにやや弱い性質で、特に夏の高温多湿が苦手です。
経年と共に草姿が乱れがちなので、挿し木株を作り株を更新します。
ブルデージーの主な品種
フェリシア・アモエナ(Felicia amoena)
南アフリカ・ケープ州原産のブルデージーです。
花径2~3㎝の花を咲かせ、草丈25㎝程度に成長します。
葉は長楕円形~狭卵形~槍形で、対生、または互生します。
※3つの亜種があり、葉の形が異なります。
本種の斑入り品種の流通が、ブルデージーの人気の火付け役となりました。
ルリヒナギク(Felicia amelloides)
南アフリカ・ケープ州原産のブルデージーです。
花径3㎝の花を咲かせ、草丈30~50㎝に成長します。
葉は対生し、楕円形です。
基本種の花色は青ですが、ピンクや白の品種もあります。
葉に白い斑が入る斑入り品種がよく流通しています。
フェリシア・エキナータ(Felicia echinata)
南アフリカ・ケープ州東部原産のブルデージーです。
花径4㎝程度の花を茎頂に2~3個咲かせ、草丈60㎝まで成長します。
葉は三角形~楕円形で、茎に密に付きます。
花は藤色、または白。
近年流通し始めたブルデージーです。
フェリシア・フィリフォリア(Felicia filifolia)
ナミビア、南アフリカ、レソト、エスワティニ原産のブルデージーです。
花径3㎝程度の花を咲かせ、草丈100㎝まで成長します。
葉は線形でやや多肉質です。
花色は藤色、白、ピンク。
こちらも近年流通し始めたブルデージーです。
ブルーデージーの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿に弱い性質なので、風通しも良いと最適です。
水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土をして一段高く植えるなどの工夫をして下さい。
夏越し、冬越しの事を考えると鉢植えの方が管理が比較的簡単です。
夏越し、冬越し
夏越し
梅雨時期には花がらをこまめに摘み、混み合っている枝を剪定して風通しの良い状態を心がけて下さい。
鉢植えの場合は、雨の当たらない半日蔭の場所に移動します。
夏場は出来るだけ涼しい半日蔭で管理して下さい。
冬越し
耐寒温度は0℃前後と言われています。
鉢植えの場合は、日当たりの良い室内で管理します。
庭植えの場合は、霜よけなどの対策を施して下さい。
中国地方の筆者宅では(最低気温-3℃、積雪無し)、庭植えで夏越し、冬越しともに対策無しで何とかなっています。
ただ、一緒に植えていた斑入り品種は夏を越せずに枯れてしまいました。
夏と冬の対策のために、挿し木株を作っておくと安心です。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
高温多湿に弱い性質なので、暑さが続くうちは少し乾かし気味に管理して下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありませんが、生育が悪いようなら液体肥料か緩効性化成肥料を施して下さい。
鉢植えの場合は、4月~6月、9月~10月の生育期の間、緩効性化成肥料か液体肥料を定期的に施します。
植え付け、植え替え
植え付け
適期は4月~5月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
水はけが悪い場合は、盛り土をして一段高い場所に植えるなとの工夫をすると効果的です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・川砂1などの水はけの良い配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
どちらの場合も根鉢を崩さないように植え付けて下さい。
植え替え
適期は9月~10月初旬です。
鉢植えの場合は、根詰まりしているようなら植え替えを行います。
根を傷めると枯れてしまう事があるので、根鉢を崩さないように気を付けて下さい。
地上部は1/2ほどに切り戻します。
庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。
切り戻し、剪定
春の花が一段落したら、草丈の2/3位の高さで切り戻し、風通しを確保します。
花がら摘み
花が終わったら小まめに花がらを摘み取って下さい。
放っておくと病気の原因になることがあります。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は4月~5月、9月~10月です。
茎を先端から5~7㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下葉を落として水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように明るい日陰で管理して発根を待ちます。
秋に挿し木をしたものは明るい室内で冬越ししてから春に定植してします。
数本をまとめて植え付け、摘心を数度繰り返すと、こんもりとボリュームのある草姿になります。
病気、害虫
アブラムシ
風通しの悪い環境が続くと発生しやすくなります。
常に風通しの良い状態を心がけて下さい。
発生した場合は、早目に駆除して下さい。