- 学名…Crocus
- 別名…ハナサフラン、ハルサフラン
- 科名…アヤメ科
- 属名…クロッカス属
- 原産国…地中海沿岸地域
- 花色…白、紫、黄、複色
- 草丈…10㎝~15㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:3 to 8
クロッカスとは
クロッカスは、アヤメ科クロッカス属の多年草です。
クロッカス属には約90種の植物が分類されており、ヨーロッパから小アジアの森林や雑木林、草原などを中心に分布しています。
クロッカスというのはクロッカス属の学名ですが、園芸界では観賞用として栽培されるクロッカス属の品種をクロッカスと呼んでいます。
クロッカスには春咲きと秋咲きがありますが、特に春咲き品種を「クロッカス」と呼ぶのが一般的です。
秋咲き品種としてはスパイスであるサフランが有名です。
スパイスや薬用に用いられるサフランに対して、観賞用のみに栽培される春咲き品種は「花サフラン」「春サフラン」とも呼ばれています。
ここではその「花サフラン」「春サフラン」について紹介しています。
クロッカスの花期は2月~4月。
葉と同時期の早春に、地面から蕾を出し花を咲かせます。
花は直径4~6㎝程度の大きさで、花被片は6個。
▼クロッカスの花
雄しべは3個あり、葯は黄色。
雌しべは1個あり、先が3裂して柱頭は房状です。
▼クロッカスの雄しべと雌しべ
花色は白、紫、黄、複色。
▼様々な花色のクロッカス
葉は線状に細く、中央に淡色の筋が入ります。
葉は花と同時期に芽を出し、花後によく伸びます。
▼クロッカスの葉の様子
耐寒性に優れており、育てやすい球根植物です。
春に花を咲かせた後、夏には地上部を枯らせて休眠します。
庭植え、鉢植えの他、水栽培でも育てることができます。
クロッカスの主な品種
マンモスイエロー(Crocus flavus ‘Yellow Mammoth’)
鮮やかな黄色が美しい品種です。
花期は3月~4月です。
ジャンヌ・ダルク(Crocus vernus ‘Jeanne d'Arc’)
大輪の白花が美しい品種です。
花期は3月~4月です。
ピックウィック(Crocus vernus 'Pickwick')
絞り模様が特徴の品種です。
花期は3月~4月。
他にも数多くの園芸品種が流通しています。
上記の3品種は3月~4月に開花する「春咲き品種」ですが、2月~3月に開花する「早咲き品種」もあります。
春咲き品種は大輪系が多く、早咲き品種は花は小さいものの花色が豊富です。
早咲き品種では「ブルーパール」「レディーキラー」「クリームビューティー」などが有名です。
クロッカスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日当たりが悪いと花付きが悪くなったり、翌年に花が咲かなかったりします。
芽出しから葉が枯れるまでの間は、よく日の当たる場所で育てて下さい。
クロッカスは冬の寒さに合わないと花芽をつけません。
室内で育てる場合も、少なくとも12月いっぱいまでは外で管理して下さい。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-15℃程度です。
特に対策の必要はありません。
夏越し
鉢植えで球根を掘り上げない場合は、葉が枯れたら雨の当たらない場所に移動して下さい。
休眠中は水やりの必要はありません。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
開花中は花に水をかけないように注意して下さい。
花弁に水がかかると傷んでしまうことがあります。
葉が枯れて休眠期に入ったら、水やりの必要はありません。
肥料
庭植え、鉢植え共に、元肥として少量の緩効性肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、開花後に緩効性化成肥料を株元に置き肥するか、開花後から葉が枯れるまでの間に、液体肥料を月に2回程度施します。
カリ分の多い肥料を与えて、翌年のために球根を育てて下さい。
植え付け、植え替え
適期は10月~11月です。
植え付け
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておきます。
腐葉土と緩効性肥料も混ぜ込んで、植え付けて下さい。
株間は球根2~3個分、覆土は5~10㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土か球根の土を使います。
または、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜて土を作ります。
5号鉢に5~8球、覆土は3~5㎝程度です。
クロッカスの球根は、古い球根の上に新しい球根が出来ます。
浅植えにすると翌年の球根が小さくなってしまうので注意して下さい。
植え替え
数年は植えっぱなしでも大丈夫です。
株が混み合ってくると生育が悪くなるので、葉が枯れたら掘り上げて植え直しを行って下さい。
球根の掘り上げ
球根を掘り上げる場合は、葉が枯れる6月頃に行います。
掘り上げた球根は根を切って、風通しの良い日陰で乾燥させ、涼しい場所で保管して下さい。
増やし方(自然分球)
自然分球でよく増えます。
芽の数だけ球根が増えているので、増えすぎているようなら掘り上げて、秋に植え付けて下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。