- 学名…Artemisia schmidtiana Maxim
- 和名…朝霧草(アサギリソウ)
- 科名…キク科
- 属名…ヨモギ属
- 原産国…日本、ロシア
- 花色…黄色
- 草丈…10㎝~30㎝
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:4 to 8
アサギリソウとは
アサギリソウは、日本、ロシアに分布するキク科ヨモギ属の多年草です。
日本では北海道から東北、北陸以北の地域に分布しており、高山や海岸の岩場などに自生が見られます。
流通しているのは普通種のアサギリソウの他、全体的に小型のチシマアサギリソウです。
チシマアサギリソウは千島産のアサギリソウで、普通種に比べると葉が繊細で株が小さくまとまるため、盆栽などによく利用されます。
どちらのアサギリソウも育て方には大差ありません。
アサギリソウは銀緑色の葉が美しいリーフプランツです。
葉は長さ4~5㎝程度の羽状複葉で深い切れ込み持ち細裂します。
▼アサギリソウの葉の様子
葉には細かい絹毛が密に生えているため、銀緑色に見えます。
▼アサギリソウの葉に密生する絹毛
「アサギリソウ」の名前は、この美しい葉を持つ株の様子を、煙る朝霧に見立てたものです。
基本種の葉色はシルバーですが、黄金葉の品種も流通しています。
主に葉を観賞するアサギリソウですが、夏から秋に花を咲かせます。
アサギリソウの花期は7月~10月。
花期になると、分枝した茎の頂部に頭花(とうか)を咲かせます。
頭花とは、主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
アサギリソウの頭花は直径5㎜程度の球形で、小さな花が密生しています。
花は目立つものではなく、観賞価値はありません。
花を咲かせた茎は成長を止め、翌年茂る芽を株元に残し落葉します。
▼アサギリソウの花
寒さには強い性質ですが、高温多湿が苦手です。
環境が合わないと草姿が乱れたり下葉が枯れてしまうことがあります。
適した環境で育てれば、こんもりと茂り、美しい葉と草姿を楽しむことが出来ます。
アサギリソウの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿の環境を嫌うので、風通しも良いと最適です。
暖地の場合は、夏場は半日蔭の場所で育てて下さい。
庭植えの場合は、強い西日を避けることができる、午後から日陰になるような場所が適しています。
冬越し、夏越し
冬越し
原産地が北海道やサハリンなので耐寒性は高い植物です。
対策無しで冬越し可能です。
夏越し
蒸れると下葉が枯れてきます。
枯葉は小まめに取り除いて、風通しの良い状態をキープして下さい。
暖地の場合は、梅雨前に株元から10~15㎝位の高さで切り戻してやると蒸れ防止になります。
鉢植えなら、梅雨の時期は雨が避けられる場所、夏場は雨がしのげる半日蔭の場所で管理します。
庭植えの場合は、強い日差し一日中が直接当たるような場所なら、遮光した方が安全です。
水やり
自生地は岩場や海岸などで、乾燥気味の環境を好みます。
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が白く乾いたらたっぷりと。
冬場は乾燥気味に管理します。
肥料
多くの肥料を必要とする植物ではありません。
多肥な環境で育てると、草姿が乱れたり、根が傷んで枯れることがあるので注意して下さい。
庭植え、鉢植え共に、春の3月~5月頃に緩効性化成肥料を置き肥して下さい。
追肥はあまり必要ではありませんが、生育が悪いようなら秋にも液体肥料を施します。
植え付け、植え替え
適期は3月下旬~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
水はけの悪い土地の場合は、さらにパーライトを混ぜ込むと効果的です。
鉢植えの場合は、市販の山野草の培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土2・パーライト2などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、2~3年に一度、植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
切り戻し
春以降に草姿が乱れたら、株元から10~15㎝位の高さで切り戻します。
秋になって株元に翌年の芽が出てきたら、古い茎を刈り込んで下さい。
増やし方(株分け、挿し木)
株分けと挿し木で増やすことが出来ます。
株分け
適期は適期は3月下旬~4月です。
掘り上げた株を手で分けて植え付けます。
株はあまり小さく分けず、手で分けられる範囲にとどめます。
挿し木
適期は5月~6月です。
伸びた茎の先端を5~7㎝程度の長さに切って挿し穂にします。
下葉を取り除き、水揚げを十分に行ってから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
1~2ヶ月で発根します。
病気、害虫
蒸れると軟腐病が発生しやすくなるので、風通しの良い環境で育てます。
アブラムシがつくことがあるので、見つけ次第駆除して下さい。