- 学名…Bassia scoparia f. trichophylla
- Synonym:Kochia scoparia f. trichophylla
- 和名…ハナホウキギ(花箒木)
- 別名…ホウキグサ
- 科名…ヒユ科
- 属名…バッシア属
- 原産…ユーラシア大陸
- 草丈…30㎝~100㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:2 to 11
コキアとは
コキアは、ユーラシア大陸に広く分布するヒユ科バッシア属の一年草です。
分布域は温帯や半乾燥地帯にあり、道路脇や牧草地、空き地や荒れ地などに自生しています。
美しい草姿から観賞用として世界中で栽培されており、逸出して野生化したものが北米などの一部地域で帰化植物として定着しています。
コキアの名前は旧属名が流通名として定着したもので、現在はバッシア属に分類されています。
和名の「ホウキギ」は束ねた枝をホウキとして利用していたことに由来します。
日本にはコキアの変種であるイソボウキ(Bassia scoparia var. littorea)が自生しています。
コキアに比べるとやや葉に厚みがあり、瀬戸内海沿岸の塩田などで多く見られます。
コキアの来歴ははっきりしていませんが、中国経由で渡来し1000年以上前には栽培されていたという記録が残っています。
ホウキの材料として利用する他、若い枝や果実が食用になるため、江戸時代には各地で広く栽培されていたようです。
畑のキャビアと呼ばれる秋田の特産品「とんぶり」はコキアの果実を加工したものです。
観賞用に主に栽培されるのは栽培種であるトリコフィラ(Bassia scoparia f. trichophylla)で、「コキア」の名前で広く流通しています。
コキアの花期は夏から初秋。
花期になると、茎の頂部、または上部の葉腋から花序を出し、2~4個の花を付けます。
▼コキアの花序
花は径1~2㎜程度のごく小さな両性花です。
花弁は無く、雄しべは5個、雌しべの花柱は2裂しています。
▼コキアの花
上の写真の中央に移っているのが両性花で、花弁のように見える部分は雄しべの葯です。
葯は咲き進むと弾けて花粉を放出し、雌しべは受粉すると果実を実らせます。
この果実を収穫して加工したものが「とんぶり」です。
▼コキアの果実
葉は互生し、長さ5~8㎝の細い披針形で、明るい緑色をしています。
▼コキアの葉
茎は直立し、細かく分枝しながら、草丈60~90㎝程度に成長します。
草姿は球形~円柱形で、こんもりとまとまります。
▼コキアの草姿
葉は秋になると美しく紅葉します。
▼コキアの紅葉
耐暑性が高く、育てやすい植物です。
病害虫の発生もほとんど無く、自然と美しい草姿にまとまります。
一年草ですが、こぼれ種でもよく増えます。
コキアの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありませんが、生育が悪いようなら液体肥料を施して下さい。
鉢植えの場合も同様に、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、2~3か月に1度、緩効性化成肥料を置き肥する程度で十分です。
植え付け
適期は4月中旬~5月です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は40㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
移植を嫌う性質です。
植え付けの際は、根を傷つけないように注意して下さい。
種まき
適期は4月~5月中旬です。
移植を嫌う性質なので、種は花壇や鉢に直接まくか、ポットに蒔きます。
発芽温度は15℃前後です。
覆土は種が隠れるように5㎜程度。
水を切らさないように管理したら、2週間程度で発芽します。
発芽後に間引き、ポットまきの場合は本葉が2~3枚程度になったら定植して下さい。
植え替えの際は、根を傷つけないように注意します。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ますが、こぼれ種でもよく増えます。
こぼれ種で発芽した場合は、苗が小さい内に根を傷つけないように好みの場所に移植して下さい。
種の採取
葉が茶色く枯れて来たら種が熟しています。
コキアの種は非常に小さいので、紙などを敷いて株を揺すって種を落とします。
採取した種は、封筒などに入れて冷暗所で保管して下さい。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。