- 学名…Convolvulus
- 和名…セイヨウヒルガオ(西洋昼顔)
- 科名…ヒルガオ科
- 属名…セイヨウヒルガオ属
- 原産国…世界の温帯から亜熱帯
- 花色…白、ピンク、青、紫
- 草丈…10㎝~60㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 10
コンボルブルスとは
コンボルブルスは、ヒルガオ科セイヨウヒルガオ属(コンボルブルス属)の一年草、多年草、または低木です。
セイヨウヒルガオ属の植物は、世界の温帯から亜熱帯にかけて約200種が知られています。
属の大半は雑草ですが、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。
ここでは観賞用として栽培される数種のセイヨウヒルガオ属の植物をコンボルブルスとして紹介しています。
コンボルブルスの花期は5月~7月中旬。
花期になると、茎の上部の葉腋から花柄を伸ばし、アサガオに似た漏斗状の花を咲かせます。
花には5本前後の帯があります。
▼コンボルブルスの花
雄しべは5個、雌しべは1個で柱頭は2個。
▼コンボルブルスの雄しべと雌しべ
花の寿命は2~3日で、雨の日や夜など日が陰っている時は閉じています。
一つの花の短命ですが、花期の間、花は次々に開花します。
花色は白、ピンク、青、紫、複色。
▼コンボルブルスの花
葉は互生する単葉で、品種により大きさ、形は異なります。
マット状に広がる品種や、低木状に育つ品種があります。
耐寒性は品種によりやや異なりますが、年間最低気温が-5℃以下になるような地域では防寒対策が必要です。
高温多湿な環境を嫌うため、水はけの良い環境で育てると夏越しも容易です。
コンボルブルスの主な品種
コンボルブルス・サバティウス(Convolvulus sabatius)
イタリア、北アフリカに分布しており、コンボルブルスの中で最も普及しいる種です。
和名はアオセイヨウヒルガオ。
這い性の常緑多年草で、地面を這うように横に広がることから、ブルーカーペットとも呼ばれます。
花径2~5㎝程度の淡いブルーの花を咲かせます。
寒さにはやや弱い性質ですが、最低気温-3℃程度であれば対策無しで冬越し可能です。
コンボルブルス・トリカラー(Convolvulus tricolor)
南ヨーロッパのスペイン、ポルトガルなどに分布するコンボルブルスです。
和名はサンシキアサガオで、サンシキヒルガオとも呼ばれます。
乾燥地域に生息する一年草で、花色は外側から中心に向かって青(紫)、白、黄色のトリカラーです。
ピンク色の花を咲かせる品種もあります。
コンボルブルス・アルタエオイデス(Convolvulus althaeoides)
地中海沿岸部原産のコンボルブルスで、つる性の常緑性多年草です。
和名はアオイヒルガオ。
花径3~5㎝程度のピンク色の花を咲かせます。
葉は掌状で細かい切れ込みを持っており、やや白みを帯びます。
寒さには強い性質です。
コンボルブルス・クネオラム(Convolvulus cneorum)
スペイン、イタリア、クロアチアなどの沿岸地域に分布するコンボルブルスで、常緑低木です。
樹高30~60㎝に成長し、花色は白。
葉は緑を帯びたシルバーリーフで、花の無い時期にもカラーリーフとしての観賞価値があります。
最低気温が-5℃を下回るような地域では冬越しの対策が必要です。
セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)
ユーラシア、北アフリカに広く分布する多年草です。
日本には戦前に観賞用として導入され、現在全国で帰化しています。
つる性で地面を這うように広がり、またはよじ登ります。
花径1.5~2.5㎝程度、白~ピンク色の花を咲かせます。
コンボルブルスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
乾燥気味の環境を好むので、さらに風通しが良い場所だと理想的です。
酸性土壌を嫌います。
土壌が酸性の場合は、用土にあらかじめ苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。
冬越し
一年草タイプのものは秋になると枯れてしまいますが、多年草タイプのものは冬越しすることが出来ます。
寒さにはやや弱い性質ですが、暖地であればそのまま庭で冬越し可能です。
最低気温が-3℃程度であれば問題ありません。
-5℃以下になるような地域では対策が必要になります。
鉢植えの場合は、霜の当たらない暖かい場所に移動して下さい。
寒冷地では霜が降りだす前に鉢上げをして暖かい場所で管理して下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
多湿な環境が苦手な性質です。
水のやりすぎには注意して下さい。
肥料
庭植えの、鉢植え共に、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
一年草のトリカラーは、春から花期の間、液体肥料を月に1~2回程度、施して下さい。
植え付け、植え替え
適期は春の4月~5月、秋の9月下旬~10月です。
直根性で移植を嫌います。
植え付け、植え替えの際は根を傷つけないように注意して下さい。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土やピートモスなどを混ぜて水はけの良い環境を作っておきます。
鉢植えの場合は、市販の山野草の培養土を使うと夏越しが容易になります。
一年草のトリカラーは花後に枯れるので、一般的な草花用培養土で問題ありません。
植え替え
多年草タイプのもので、根詰まりしているようなら植え替えを行って下さい。
庭植えの場合は、特に必要ありません。
増やし方(挿し木、種まき)
多年草タイプのものは挿し木、トリカラーは種まきで増やすことが出来ます。
挿し木
適期は5月~6月です。
茎の先端を切り取って挿し穂にします。
下葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
種まき
適期は4月~5月です。
暖地の場合は、秋の9月下旬~10月に蒔くことも出来ます。
移植を嫌う性質なので、種はポットにまき、覆土は種が隠れるくらいに5㎜程度。
発芽温度は20℃~25℃です。
水を切らさないように管理したら、7~10日程度で発芽します。
ポットに根が回ったら、根鉢を崩さないように注意して定植して下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。