多年草・宿根草

シーマニア

  • 学名…Seemannia sylvatica (Kunth) Hanst.
  • 科名…イワタバコ科
  • 属名…シーマニア属
  • 原産国…南アメリカ
  • 花色…オレンジと黄、赤と黄
  • 草丈…20㎝~50㎝
  • 日照…日なた(夏は半日蔭)
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 11

シーマニアとは

シーマニアは、南アメリカ原産のイワタバコ科シーマニア属の多年草です。
分布域は、ボリビア、ブラジル中部から南部、エクアドル、パラグアイ、ペルー、アルゼンチンにあり、熱帯林の中の穏やかな日当たりの、湿度が保たれた排水性の良い肥沃な土壌に自生しています。

シーマニア属には約4種の植物が分類されており、内2種が観賞用として栽培されています。
栽培されるのはシーマニア・シルバティカ(Seemannia sylvatica)と、シーマニア・ネマタントデス(Seemannia nematanthodes)で、ハイブリッド品種も流通しています。

鱗状の地下茎を持つ球根植物です。


シーマニアの花期は10月~3月。
花期になると上部の茎の葉の付け根から、花柄を伸ばし花を咲かせます。
花は筒状で、先が小さく5裂しています。

▼シーマニアの花

花の外側はオレンジまたは赤、内側は黄色で濃色の斑点があります。

雄しべは4個、雌しべは1個。
多くの場合、不稔の仮雄しべが1個あり、まれに稔性の雄しべが5本になることがあります。
雌しべの柱頭は2裂しています。

▼シーマニアの雄しべの様子

萼は深く5裂しており、萼片は細い三角形から線形となります。

▼シーマニアの萼の様子

萼は果時にも残ります。


果実は長さ約1㎝の円錐形~倒円錐形の蒴果(さくか)。

※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。

▼シーマニアの若い果実


葉は対生し、細長い楕円形~楕円形、または先の尖った卵型です。
花を咲かせながら草丈20~50㎝程度に成長し、株立ちになってこんもりと茂ります。

▼シーマニアの株姿

冬場に鉢花として流通しますが、耐寒性は高くありません。
冬は室内の日当たりの良い場所で花を楽しみます。

※シーマニアは、最初にシーマニア属として分類された後、グロキシニア属に統合され、再びシーマニア属として独立しました。
「シーマニア」の名前は日本に導入された当時(1950年代)の属名が定着したものですが、現時点(2016年)では正しい学名となっています。

シーマニアの主な品種

シーマニア・シルバティカ(Seemannia sylvatica)

ボリビア、ブラジル中部から南部、エクアドル、パラグアイ、ペルーに分布するシーマニアです。

筒状花は外側が濃いオレンジで、内側が黄色になります。
草丈40㎝前後に成長し、株立ちになってよく茂ります。
シーマニアとして一般的に流通している品種です。

シーマニア・ネマタントデス(Seemannia nematanthodes)

ボリビア、アルゼンチン原産のシーマニアで、近年流通するようになった品種です。

葉は卵形で、筒状花は鮮やかな赤色です。
ランナーを出して根を下ろし、球根を作って広がります。

シーマニアの育て方

シーマニアの育て方

栽培環境

寒さに弱く、夏の直射日光もあまり得意ではありません。
基本的に一年を通じて鉢植えで育てます。

冬の管理

冬に鉢物として開花株が流通しています。
購入した開花株は、日当たりの良い室内の暖かい場所で管理して下さい。
最低気温が15℃程度の場所で育てると、3月頃まで次々と花を咲かせます。
最低気温が10℃前後の場所でも育てることができますが、開花は鈍ります。

春から秋の管理

花が終わって4月頃になったら、戸外の日当たりの良い場所で管理して下さい。
梅雨の時期になったら雨の避けられる場所に移動し、夏場は風通しの良い半日陰の場所で育てます。
秋になったら再び日のあたる場所に移動して、11月になったら室内に取り込んで下さい。

水やり

過湿な環境を嫌いますが、水切れにも弱い性質です。
水切れをさせるとすぐに葉が萎れてしまいます。
用土の表面が乾き始めたらたっぷりと水やりをして下さい。
夏場に葉に水がかかると蒸れから葉が痛んでしまうことがあるので、水は株元にそっと注ぎます。

肥料

4月中旬から9月中旬までの間、緩効性化成肥料を1か月に一回程度置き肥するか、液体肥料を週に1回程度施します。

植え付け、植え替え

適期は5月~6月です。

用土

用土には市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜて土を作ります。

植え替え

生育旺盛で根詰まりを起こしやすいので、一年に一度、植え替えを行って下さい。
根鉢を1/3程度崩し、新しいと用土で一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。

花がら摘み

花が終わったら花柄の付け根の部分で切り取り、枯れた葉があれば取り除きます。
花がらや枯れ葉をそのままにしておくと、病気の原因になるので、小まめに花がらを摘んで、常に株を清潔な状態に保って下さい。

増やし方(株分け、挿し芽)

株分け、挿し芽で増やすことが出来ます。

株分け

適期は5月~6月です。
植え替え時に掘り上げた株を、一株に3芽以上が付くように分けて植え付けて下さい。

挿し芽

適期は5月~6月です。
茎の先端を5~6㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

灰色かび病

低温多湿の環境で発生しやすい病気です。
発生すると葉茎が溶けるように腐ったり、花に斑点が発生し、進行すると灰色のカビに覆われます。
発生した場合は、即座に病変部分を取り除き、殺菌剤で対処します。

花がらや枯れた葉が付着した部分から発生しやすくなるので、常に株を清潔に保って発生を抑制して下さい。

ホコリダニ

新芽などの柔らかい部分に発生します。
ホコリダニは小さく肉眼で確認することはできませんが、新芽が縮こまって変形したり、変色したら発生を疑います。
発生の疑われる部分は取り除き、殺ダニ剤で対処して下さい。

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