一年草・二年草

ストック

学名…Matthiola incana
和名…アラセイトウ(紫羅欄花)
科名…アブラナ科
属名…アラセイトウ属(マッティオラ属)
原産国…南ヨーロッパ
花色…紫、ピンク、白、ブルー、クリーム色
草丈…20㎝~80㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:7 to 10

ストックとは

ストック

ストックの仲間は、南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに約50種が分布するアブラナ科アラセイトウ属の一・二年草、または多年草です。
主に栽培されるのは、一年草のマッティオラ・インカナ種(Matthiola incana)です。

マッティオラ・インカナ種は、南ヨーロッパに分布するストックで、海岸沿いの岩場や崖など、日当たりの良い場所を好んで自生しています。
美しい花を咲かせることから観賞用として古くから栽培されており、現在でも数多くの品種が作出されています。
切り花として栽培されることの多いストックですが、花壇用の花として、矮性で分枝性も良い品種が流通しています。

ストックの花期は3月~5月。
花期になると、真っ直ぐに伸ばした茎の頂部に総状花序を出し、花径2~3㎝程度の花を多数咲かせます。
基本種の花は4枚花弁の一重咲きですが、八重咲き品種の人気が高いため、流通している大半は八重咲きです。
花色は紫、ピンク、白、ブルー、クリーム色。
花には甘い香りがあります。

▼原種のマッティオラ・インカナ種の花

ストック

八重咲き品種は、雄ずい、雌ずい共に花弁になっているため種は出来ません。
そのため、流通している八重咲き品種は、一重咲き品種の種から八重咲きになるものを選別しています。
近年作出された系統では、60~80%の高い確率で八重咲きの花が咲くものもあります。

▼八重咲きのストックの花

ストック

葉は長楕円形で、茎に互生します。
葉茎に白い軟毛があり、やや白味がかって見える品種と、軟毛が無く緑葉の品種があります。

▼ストックの葉

ストック

耐寒性がそこそこあり、強い霜に当たらなければ戸外での冬越しが可能です。
ストックと名前の付く花に、「バージニアストック」がありますが、ストックはアラセイトウ属、バージニアストックはマルコルミア属に分類されており、ストックの仲間ではありません。

ストックの主な品種

【キスミー】シリーズ

ストック

花壇用の矮性品種です。
草丈15~25㎝で、よく分枝して多くの花を咲かせます。
花色は赤、白、ピンク、紫、クリーム色。
葉は緑葉です。

【ビンテージ】シリーズ

ストック

同じく花壇用の矮性品種です。
草丈30~50㎝でよく分枝し、ふんわりと優しい雰囲気の花を次々と咲かせます。
花色は紫、ピンク、クリーム色など全10色が販売されています。
葉は有毛で白味を帯びています。

【ベイビー】シリーズ

こちらも矮性品種です。
草丈25㎝~40㎝でよく分枝し、淡い色合いの花を次々と咲かせます。
葉は有毛で白味を帯びます。
ビンテージに比べると花弁が豪華でより華やかな印象です。

他にも切り花用の品種など、様々な品種が流通しています。

ストックの育て方

ストックの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日照時間が足りないと、徒長し、花付きが悪くなります。
よく日の当たる場所で育てて下さい。

連作障害が出ることがあります。
一度ストックを栽培した場所では一年以上の間隔を空けて下さい。

冬越し

耐寒性があり、南関東以南の地域ではそのまま戸外で冬越し可能です。
強い霜の心配がある場合は、霜よけを設置したり、霜の当たらない場所に移動して下さい。

寒冷地では春まきにして、初夏から夏にかけて花を楽しみます。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植え、鉢植えともに、元肥として、用土に堆肥、または緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は花が咲く時期に、緩効性化成肥料、または液体肥料を施します。

植え付け

適期は10月~11月です。

庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、堆肥を混ぜ込んでおきます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

花茎切り

種を採取しない場合は、花が終わったら花茎を早めに切り取って下さい。
放っておくと花弁が散って、見苦しくなります。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。
※八重咲き品種は結実しません。

種まき

適期は9月頃です。
寒冷地では春の3月~4月頃に種をまきます。
発芽温度は15℃~20℃です。

苗立ち枯れ病が発生することがあります。
種まき用土には清潔な土を使用して下さい。

種が小さいので、播種箱に種が重ならないように注意してバラまきするか、点まきをします。
覆土は種が隠れるように5㎜程度。
水やりは底面給水で行い、発芽後、本葉が2~3枚程度になったらポット上げし、7~8枚程度になったら定植します。

病気・害虫

苗立ち枯れ病

種まき用土には、市販の種まき用の土など清潔なものを用い、発生を予防して下さい。

アブラムシ

暖かくなってくるとアブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。

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