多年草・宿根草

シラー・ペルビアナ

  • 学名…Scilla peruviana L.
  • 和名…オオツルボ(大蔓穂)
  • 別名…シラー
  • 科名…キジカクシ科
  • 属名…オオツルボ属
  • 原産国…ヨーロッパ、北アフリカ
  • 花色…青紫、白
  • 草丈…20㎝~40㎝
  • 日照…日なた
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:7 to 10

シラー・ペルビアナとは

シラー・ペルビアナ

シラー・ペルビアナは、地中海沿岸部に分布するキジカクシ科オオツルボ属の多年草です。
分布域はイベリア半島、イタリア、北アフリカ広がっており、道ばたや草原、牧草地や森林の開けた場所などに自生しています。

種小名である「ペルビアナ」はペルー原産という意味ですが、ペルーに自生はありません。
ペルビアナの名前は、17世紀スペイン南部で発見された本種がイギリスに持ち帰られた際に、「The Peru」という名の船に乗っていたことに由来します。


シラー・ペルビアナの花期は5月頃。
花期になると、花茎を真っ直ぐに伸ばして花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は円錐形の総状花序で、一つの花序には20~100個の花が付きます。

▼シラー・ペルビアナの花序

シラー・ペルビアナの花序

花は直径2㎝程度の大きさで、花被片は6個。
花被片は基部で合着している場合もあります。

▼シラー・ペルビアナの花

シラー・ペルビアナの花

雄しべは6個、花被片の基部近くに付きます。
雌しべは1個。

▼シラー・ペルビアナの雄しべと雌しべ

シラー・ペルビアナの雄しべと雌しべ

花は花序の下から上(外側から内側)へと咲き進みます。
基本種の花色は青紫ですが、白花品種も近年流通するようになっています。

▼白い花を咲かせるシラー・ペルビアナ

白い花を咲かせるシラー・ペルビアナ

果実は直径7㎜の類球形の蒴果。
種子は少数で、熟すと黒くなります。


葉は長さ30~60㎝、幅1.5~4㎝のひも状で、上部と下部で狭くなっています。
地中には直径7㎝以下の大きな球根を持ちます。

▼シラー・ペルビアナの葉の様子

シラー・ペルビアナの葉の様子

花を咲かせながら草丈20~40㎝に成長します。

▼たくさんの花を咲かせるシラー・ペルビアナ

たくさんの花を咲かせるシラー・ペルビアナ

耐寒性があり、丈夫な性質で、数年は植えっぱなしでもよく花を咲かせ、よく増えます。
梅雨頃になると地上部を枯らせて休眠し、秋に再び芽吹きます。

シラー・ペルビアナの育て方

シラー・ペルビアナの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭程度の日照でも開花しますが、花付きは日当たりに比例します。
夏の休眠期は日陰になる場所でも問題ありません。

ややアルカリ性の土壌を好みます。
庭植えの場合は、あらかじめ苦土石灰を施して土壌を中和しておいて下さい。

冬越し、夏越し

冬越し

耐寒性は高く、そのまま戸外で冬越し可能です。
寒冷地の場合は、葉が傷むようなら霜よけなどを設置して下さい。

夏越し

夏場は休眠期になります。
球根は掘り上げず、そのまま夏越しさせて下さい。
葉の無い間は、日陰でも問題ありません。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
花後に葉が枯れてきたら水やりの回数を減らし、休眠中は水を断ちます。

肥料

植え付けの際に、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は花後に、緩効性化成肥料を置き肥して下さい。

植え付け、植え替え

適期は秋の9月中旬~11月上旬です。

植え付け

庭植えの場合は、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌を中和しておきます。
さらに用土に腐葉土やバーク堆肥をたっぷりと混ぜ込み、元肥として緩効性化成肥料も施しておきます。
覆土は5㎝程度、株間は20㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・パーライト1などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
覆土は3㎝程度、5~6号鉢に1球が目安です。

植え替え

鉢植えの場合は、増えすぎているようなら分球を行い、植え替えます。
庭植えの場合も、増えすぎているようなら分球を兼ねて植え替えを行って下さい。

花茎切り

花が終わったら早めに、花茎の根元から切り取って下さい。

増やし方(自然分球)

自然分球でよく増えます。
数年は植えっぱなしの方がよく育ちます。
増えすぎているようなら、植え替え時に掘り上げた球根を分球して下さい。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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