
育て方のポイント
ユーパトリウム・チョコレートの育て方早見表
ユーパトリウム・チョコレートは、暗紫色を帯びた葉と白い小花のコントラストが美しい宿根草です。 日なたから半日陰まで適応し、耐寒性・耐暑性が高く、放任でもよく育ちます。 地下茎でよく増えるため、広がりすぎる場合は株分けや根域制限で管理します。
- 分類
- 多年草・宿根草
- 開花期
- 9月~10月
- 花色
- 白
- 草丈
- 100cm~150cm。切り戻しで草丈を抑えられる
- 日照
- 日なた~半日陰。葉色を楽しむにはある程度の日照が必要
- 適した場所
- 水はけがよく、乾燥しすぎない場所
- 水やり
- 庭植えはほぼ降雨のみ。夏に乾燥が続く場合は水やりする
- 肥料
- 春と秋に緩効性化成肥料を控えめに施す
- 植え付け
- 3月~4月
- 切り戻し
- 5月~6月に一度切り戻すと、草丈を抑えて花を楽しめる
- 冬越し
- 冬は地上部が枯れる。枯れた茎は地際で刈り取る
- 増やし方
- 株分け、挿し木。株分けは3月~4月、挿し木は5月~6月
- 病害虫
- ほとんど発生しない
育て方のコツ: ユーパトリウム・チョコレートは丈夫で育てやすい宿根草ですが、夏の強い西日や乾燥しすぎる場所は苦手です。 葉色を美しく出すには半日程度の日照を確保し、草丈を抑えたい場合は5月~6月に切り戻します。 地下茎で広がるため、増えすぎる場合は株分けで整理します。
ユーパトリウム・チョコレートの基本情報
- 学名…Ageratina altissima 'Chocolate'
- 別名…アゲラティナ・アルシッシマ・チョコレート(チョコラータ)、銅葉フジバカマ、シソバフジバカマ
- 科名…キク科
- 属名…アゲラティナ属
- 原産国…北アメリカ
- 花色…白
- 草丈…100㎝~150㎝
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:4 to 8
ユーパトリウム・チョコレート
ユーパトリウム・チョコレートは、マルバフジバカマ(Ageratina altissima)から作出された園芸品種です。
ユーパトリウムの名前は旧属名が流通名として定着したものですが、現在はアゲラティナ属に分類されており、正確な学名に従うと「アゲラティナ・アルシッシマ・チョコレート」ということになります。
マルバフジバカマの和名も同様に、かつてフジバカマと同じユーパトリウム属(ヒヨドリバナ属)に分類されていたことに由来しています。
マルバフジバカマは、アメリカ東部から中部に分布する多年草です。
自生地は森林地域の岩場や木の隙間、茂みの中などで、岩の多い地形に多く野生しており、現在ではカナダ南部の地域にも分布域を広げています。
日本でも栽培を逸出したと思われる種が、北海道、青森県、千葉県などで帰化植物として定着しています。
そのマルバフジバカマの園芸品種であるのが、本種ユーパトリウム・チョコレート(Ageratina altissima 'Chocolate')です。
ユーパトリウム・チョコレートの花期は9月~10月。
花期になると分枝した茎の頂部に、散房花序を出し、小さな白い頭花を多数咲かせます。
▼ユーパトリウム・チョコレートの花序

頭花(とうか)は径7~8mm程度の大きさで、管状花(かんじょうか)のみで構成されています。
※頭花(とうか)…主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
花序は一つの花のように見えますが、小さな花が集まって作られています。
多くの場合、中心部分の管状花(かんじょうか)と、周辺の舌状花(ぜつじょうか)の2種類の花があります。
一つの頭花には20個程度の管状花があり、管状花からはそれぞれ2本の花柱が突出します。
▼ユーパトリウム・チョコレートの花

葉は対生し、長さ4~11㎝、幅2.5~8㎝の三角状卵形~卵形、広い披針形~卵状披針形です。
縁に鋸歯があり、先端は尖っています。
葉柄は1~3㎝。

原種の和名であるマルバフジバカマは、この葉の形に由来しています。
フジバカマの葉が深く3裂しているのに対して、本種の葉は単葉で基部が丸くなっているためこの名前が付けられたようです。
茎はよく分枝して、草丈100㎝程度に成長します。
暗紫色を帯びたダークグリーンの葉と紫の茎、白い小花のコントラストがシックで美しい植物です。
葉色は春の時期に最も鮮やかで、夏場はやや淡い色合いになりますが、花のない時期にもカラーリーフとしての観賞価値が十分にあります。
この美しい葉色から「銅葉フジバカマ」「シソバフジバカマ」の名前でも流通します。
▼花のない時期のユーパトリウム・チョコレートの様子

耐寒性、耐暑性ともに優れており、育てやすい植物です。
放任でもよく育ち、地下茎でよく増えます。
冬場は地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。
ペットや家畜がいる場合の注意
ユーパトリウム・チョコレートの原種であるマルバフジバカマは、有毒植物として知られています。
観賞用として育てる植物なので、葉や茎、花などを口にしないように注意します。
小さな子どもやペットがいる場所では、誤って食べないよう植え場所に気を配ると安心です。
ユーパトリウム・チョコレートに似た名前の植物
「ユーパトリウム」や「フジバカマ」の名前で流通する植物には、現在は別属に分類されているものがあります。
名前が似ている植物の違いを比較すると、次のようになります。
| 種類 | 現在の分類 | 特徴 | 花期 | 花色 |
|---|---|---|---|---|
| ユーパトリウム・チョコレート | アゲラティナ属 | 暗紫色を帯びた葉と紫の茎、白い小花のコントラストが美しい銅葉品種。 | 9月~10月 | 白 |
| セイヨウフジバカマ | コノクリニウム属 | ユーパトリウムの名前でも流通する。青紫や白の小花を多数咲かせる。 | 7月~10月 | ブルー、白、ピンク、紫 |
| フジバカマ | ヒヨドリバナ属 | 秋の七草の一つ。地下茎で広がり、芳香のある葉茎を持つ。 | 8月~9月 | 白、ピンク色 |
ユーパトリウム・チョコレートの育て方

栽培環境
日なたから半日陰の場所まで適応します。
耐陰性があるので日陰の場所でも育ちますが、美しい葉色を発色するためには、ある程度の日照が必要になります。
水はけの良い環境を好みますが、乾きすぎる場所は苦手な性質です。
夏場に夕方まで強い日差しが当たるような場所は避けてください。
ユーパトリウム・チョコレートの葉色が薄くなる原因
ユーパトリウム・チョコレートの葉色は、春の時期に最も鮮やかに発色します。
夏になるとやや淡い色合いになることがありますが、これは自然な変化です。
ただし、日照不足になると暗紫色の発色が弱くなることがあります。
半日陰でも育ちますが、銅葉を美しく楽しみたい場合は、半日程度は日が当たる場所で育てるとよいでしょう。
一方で、夏に夕方まで強い日差しが当たる場所では葉焼けすることがあります。
葉色をきれいに保つには、日照と乾燥しすぎない環境のバランスが大切です。
冬越し・夏越し
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
冬になって地上部が枯れたら、地際でバッサリと刈り取ってください。
土まで凍ってしまうような寒冷地では、凍結対策を施してください。
夏越し
耐暑性も高く特に対策の必要はありません。
ただし鉢植えの場合は、夏場の乾燥から葉焼けを起こしたり、地温の上昇で萎れたりするので、気になる場合は、半日陰の場所に移動して管理してください。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら、水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
水切れから葉焼けを起こすことがあるので、夏場の水切れには注意してください。
肥料
やせ地でも育つ植物で、多くの肥料を必要とはしません。
庭植え、鉢植えともに、春と秋に緩効性化成肥料を施す程度で十分です。
植え付け、植え替え
適期は3月~4月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い環境を作っておきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりをしているようなら株分けを兼ねて植え替えを行ってください。
庭植えの場合は特に必要ありませんが、増えすぎているようなら株分けを行います。
切り戻し
放っておくと1mを超える草丈に成長して草姿が乱れます。
5月~6月頃に一度切戻してやると、締まった草姿で花を楽しむことができます。
ユーパトリウム・チョコレートの花が咲かない原因
ユーパトリウム・チョコレートの花が咲かない場合は、日照不足、切り戻し時期が遅い、株が込み合っていることなどが原因として考えられます。
日陰でも育つ植物ですが、日照時間が少ないと花付きが悪くなることがあります。
草丈を抑えるための切り戻しは、5月~6月頃までに行います。
遅い時期に強く切り戻すと、花芽がつく前の生育が遅れて、花数が少なくなることがあります。
また、地下茎でよく増えるため、株が混み合うと草姿が乱れたり花付きが悪くなったりすることがあります。
必要に応じて株分けを行い、風通しよく育てます
増やし方(株分け、挿し木)
株分けと挿し木で増やすことが出来ます。
種まきもできますが、美しい葉色が出ないことがあるため、株分けか挿し木がお勧めです。
株分け
大きく育っていれば株分けで増やすことが出来ます。
適期は植え替え時の3月~4月です。
掘り上げた地下茎を分けて植え付けてください。
挿し木
適期は5月~6月頃です。
茎を上部から数節の長さで切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしたら挿し木用土に挿してください。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。
よくある質問
ユーパトリウム・チョコレートのよくある質問
ユーパトリウム・チョコレートを育てるときによくある疑問をまとめました。 切り戻し、冬越し、葉色、増えすぎる場合の管理、花が咲かない原因などを確認しておきましょう。
ユーパトリウム・チョコレートは多年草ですか?
ユーパトリウム・チョコレートは多年草です。 冬は地上部を枯らして宿根し、春になると再び芽吹きます。 耐寒性・耐暑性ともに高く、庭植えでも育てやすい宿根草です。
ユーパトリウム・チョコレートは半日陰でも育ちますか?
ユーパトリウム・チョコレートは、日なたから半日陰まで適応します。 耐陰性があり、日陰でも育ちますが、葉色を美しく発色させるにはある程度の日照が必要です。 暗紫色の葉を楽しみたい場合は、半日程度は日が当たる場所で育てるとよいでしょう。
ユーパトリウム・チョコレートの葉色が薄くなる原因は?
葉色は春に最も鮮やかで、夏になるとやや淡い色合いになることがあります。 また、日照不足になると銅葉の発色が弱くなる場合があります。 葉色を楽しみたい場合は、乾燥しすぎない範囲で、ある程度日の当たる場所で育てます。
ユーパトリウム・チョコレートは切り戻しが必要ですか?
放っておくと草丈が1mを超えて草姿が乱れることがあります。 5月~6月頃に一度切り戻すと、草丈を抑えた締まった草姿で花を楽しめます。 切り戻し後は脇芽が伸び、株姿がまとまりやすくなります。
ユーパトリウム・チョコレートは冬越しできますか?
ユーパトリウム・チョコレートは耐寒性が高く、基本的には特別な冬越し対策は必要ありません。 冬になると地上部が枯れるため、枯れた茎を地際で刈り取ります。 土まで凍るような寒冷地では、株元の凍結対策をしておくと安心です。
ユーパトリウム・チョコレートは増えすぎますか?
ユーパトリウム・チョコレートは地下茎でよく増える植物です。 庭植えで広がりすぎる場合は、株分けをして整理するか、植え付け時に根域制限を設けると管理しやすくなります。 鉢植えでは根詰まりしてきたら、株分けを兼ねて植え替えます。
ユーパトリウム・チョコレートの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、切り戻し時期が遅い、株が込み合っていることなどが原因になることがあります。 日陰でも育ちますが、日照時間が少ないと花付きが悪くなることがあります。 切り戻しは5月~6月頃までに行い、遅い時期の強い切り戻しは避けます。
ユーパトリウム・チョコレートは鉢植えでも育てられますか?
ユーパトリウム・チョコレートは鉢植えでも育てられます。 鉢植えでは夏に乾燥しやすく、葉焼けや萎れが出ることがあるため、水切れに注意します。 根詰まりしてきたら、株分けを兼ねて植え替えます。
ユーパトリウム・チョコレートは食べられますか?
ユーパトリウム・チョコレートは観賞用の植物で、食用にはしません。 原種のマルバフジバカマは有毒植物として知られているため、葉や茎、花などを口にしないよう注意します。 小さな子どもやペットがいる場所では、誤食しないように管理します。