Synonym…Serissa foetida
和名…ハクチョウゲ(白丁花)
科名…アカネ科
属名…ハクチョウゲ属
原産国…中国、台湾
花色…白、ピンク色
樹高…60㎝~90㎝
日照…日向~半日陰
難易度…
USDA Hardiness Zone:7 to 9
ハクチョウゲとは
ハクチョウゲは、中国、台湾に分布するアカネ科ハクチョウゲ属の常緑小低木です。
分布域は、安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、江蘇省、江西省、四川省、雲南省、浙江省など、中国中南部を中心に広がっており、100~1600mの丘陵地の川辺や、広葉樹林の中などに自生が見られます。
ハクチョウゲ属の植物はかつて、本種とシナハクチョウゲ(Serissa serissoides)の二種があるとされていましたが、現在ではこの二種が同種であることが分かっています。
日本には、元禄年間(1688~1703)以前に渡来しており、庭木や生け垣として利用されるほか、盆栽としても仕立てられます。
ハクチョウゲの花期は5月~6月。
花期になると、葉腋から出る短い枝に1~数個の花を咲かせます。
花は長さ1~1.2㎝の漏斗形で、花冠が5深裂し、さらに裂片が3裂しています。
▼ハクチョウゲの花の様子
花の内側には細かな毛が生えており、雌しべは1個、雄しべは5個、雌しべの柱頭は2裂しています。
花には雌しべが長く目立つもの(長花柱花)と、雌しべが短く雄しべが目立つもの(短花柱花)があります。
▼ハクチョウゲの長花柱花
▼ハクチョウゲの短花柱花
花を真横から見ると「丁」の字のように見えるため、白丁花の名が付けられたと言われています。
基本種の花色は白ですが、園芸品種には淡いピンク色の花を咲かせるものもあります。
▼ピンク色の花を咲かせるハクチョウゲ
葉は対生し、長さ0.6~2.2㎝、幅0.3~0.6㎝の長楕円形~倒披針形です。
葉は無柄か長さ2mm以下の短い柄を持ち、革質または硬い紙質で、多くの場合、表面に光沢があります。
▼ハクチョウゲの葉の様子
園芸品種には葉の縁に斑が入るものもあり、よく植栽されます。
斑入り種は、基本種に比べるとやや花付きに劣ります。
▼斑入りハクチョウゲ(Serissa japonica 'Variegata')の葉の様子
多数分枝して、こんもりと茂り、樹高60~90㎝に成長します。
萌芽力が高いので、刈り込みも可能です。
丈夫な性質で、放任でもよく育ち、花を咲かせます。
病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい樹木です。
※常緑樹ですが、強い寒さで落葉します。
ハクチョウゲの育て方
栽培環境
日向から半日陰の、水はけの良い環境を好みます。
半日陰でも問題なく育ちますが、花付きは日当たりに比例します。
たくさんの花を咲かせたい場合は、よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し
ある程度の耐寒性があるので、特に対策の必要はありません。
冷涼地では寒さで落葉します。
常緑で冬越しをするには、最低気温の平均値が-3.8℃(hardiness zone 9b)以上であることが必要だとされています。
ご自宅のhardiness zone についてはこちらを参照下さい。
水やり
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら、水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、2月~3月頃に、寒肥として骨粉や油かすなどの有機肥料を株の周りに施します。
※生育に問題がなければ、肥料は無くても育ちます。
鉢植えの場合は、緩効性化成肥料を寒肥に加え、秋頃にも株元に施します。
植え付け、植え替え
適期は4月~6月、9月~10月です。
植え付け
庭植えの場合は、根鉢の2~3倍の植え穴を掘り、用土に腐葉土などを混ぜ込んで、水はけの良い環境を作ります。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて土を馴染ませて下さい。
鉢植えの場合は、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土が使えます。
特に土質を選ばないので、一般的な用土で問題ありません。
植え替え
鉢植えの場合は、根鉢がいっぱいになっているようなら、植え替えを行って下さい。
掘り上げたら根鉢を軽く崩して、新しい用土で一回り大きな鉢に植え付けます。
剪定
適期は花後すぐです。
萌芽力が高く、刈り込みにも耐えられる強さがあります。
好みの樹形に仕立てて下さい。
生け垣などで整形したい場合は、秋にもう一度剪定を行うと、年間を通じて美しい樹形を保つことが出来ます。
増やし方
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は5月~7月上旬です。
枝を3節程度の長さに切り取って、水揚げをし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理し、発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。