和名…ハナタバコ、宿根タバコ
科名…ナス科
属名…タバコ属(ニコチアナ属)
原産国…北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカ
花色…赤、ピンク、白、紫、緑、複色
草丈…30㎝~100㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:10 to 11
ニコチアナとは
ニコチアナは、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに約70種が分布するナス科の一年草、または多年草(稀に低木)です。
葉タバコの原料に使われるタバコ(Nicotiana tabacum)の仲間です。
葉にニコチンを含むニコチアナ属の植物の栽培は「たばこ専売法」によって禁止されていましたが、1985年の法改正により、一部の観賞用品種が栽培可能になりました。
たばこ製造に用いられるニコチアナ属の植物を「葉タバコ」、観賞用として栽培可能な種を「花タバコ」として区別しています。
主に流通しているのは、ニコチアナ・アラタ種(N. alata)にニコチアナ・フォルゲッティアナ種(N. forgetiana)など数種のニコチアナ属の植物を交配して作出されたハナタバコ((N. × sanderae)です。
また、流通量は多くありませんが、ハナタバコの交配親であるアラタ種の園芸品種も栽培されることがあります。
ここではこれらの観賞用品種をニコチアナとして紹介しています。
ニコチアナの花期は5月~10月。
花期になると分枝した茎の上部に、円錐状、または総状の花序を出し、花径3~5㎝程度の花を多数咲かせます。
花は基部が長い筒になった筒状花で、花冠は深く5裂して星形に開きます。
花は花期の間次々と開花します。
花には芳香があり、夕方になると甘い香りを漂わせます。
特に白花品種は強い香りを持つことから「ジャスミンタバコ」の別名を持ちます。
花色は赤、ピンク、白、紫、緑、複色。
▼ニコチアナの白花種
葉は卵状楕円形で縁はゆるく波打ち、茎に互生します。
茎は分枝して花を咲かせながら草丈30~100㎝程度に成長します。
▼ニコチアナの葉の様子
丈夫な性質で暑さに強く育てやすい植物ですが、耐寒性はありません。
暖地では冬越しすることもありますが、一般的には春まき一年草として扱われます。
ニコチアナの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
多湿な環境がやや苦手なため、風通しの良い場所で育てて下さい。
ニコチアナは連作障害が出やすいナス科の植物です。
ナス科の植物を繰り返し同じ場所に植えると、生育不良を起こしたり病気にかかりやすくなります。
ペチュニア、カリブラコアなどもナス科なので注意して下さい。
夏越し、冬越し
夏越し
雨に当たると花が傷んでしまうことがあります。
長雨の季節には、鉢植えは雨の避けられる軒下などに移動して下さい。
庭植えの場合は、雨で花が傷んだら花柄を取り除いて下さい。
冬越し
耐寒性は低く、気温が5℃以下になると枯死する可能性があります。
暖地であれば戸外で冬越しできることもありますが、心配な場合は種を採取しておき春に蒔いて下さい。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてからたっぷりと。
多湿な環境を嫌うので、水のやりすぎには注意して下さい。
肥料
花期が長いので、肥料切れをさせないように注意します。
庭植えの場合は、4月~10月までの間、緩効性化成肥料を月に1回程度、施します。
鉢植えの場合も同様に4月~10月までの間、緩効性化成肥料を定期的に施すか、液体肥料を週に1回程度、施して下さい。
種まき
適期は3月~5月です。
種が細かいのでピートバンや播種箱などに蒔きます。
好光性種子のため覆土はせず、軽くおさえて下さい。
発芽温度は15℃~20℃。
水を切らさないように管理し、発芽後、本葉が2~3枚程度でポット上げし、本葉が5~6枚程度になったら定植します。
植え付け
適期は4月~6月です。
庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
株間は20~30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土5・腐葉土3・ピートモス(酸度調整済)などの水はけの良い配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
60㎝プランターで3~4株が目安です。
花がら摘み
萎れた花は摘み、咲き終わった花茎は切り取って下さい。
脇芽が伸びて再び花を咲かせます。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ます。
種の採取
花後に種が出来るので、果実が茶色く枯れたら種を採取して下さい。
採取した種は種まきの時期まで保管します。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
アブラムシ
新芽の時期に発生しやすくなります。
見つけ次第、駆除して下さい。