- 学名…Rhynchospora colorata (L.) H.Pfeiff.
- 和名…シラサギカヤツリ(白鷺蚊帳吊り)
- 別名…シラサギスゲ
- 科名…カヤツリグサ科
- 属名…ミカヅキグサ属
- 原産国…中央アメリカ~南アメリカ
- 花色…白
- 草丈…30cm~70cm
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:7 to 10
シラサギカヤツリとは
シラサギカヤツリは、北アメリカ南部~南アメリカに分布するカヤツリグサ科ミカヅキグサ属の多年草です。
分布域は、アメリカ合衆国・ノースカロライナ州からテキサス州、メキシコ~グァテマラ、コスタリカ、ベネズエラ、ギアナ、および西インド諸島にあり、草原や牧草地の湿原など、日当たりの良い湿った場所に分布しています。
日本への渡来時期は不明ですが、湿地で育つため、池や水盤などによく利用され、広く普及しています。
「シラサギカヤツリ」の他、「サギノマイ」や「スターグラス」の名前でも流通しています。
シラサギカヤツリの花期は5月~10月。
花期になると、長く伸ばした花茎の先に花序を出し、小さな花をまとまって咲かせます。
花序には長い葉のように見える総苞(そうほう)が付きます。
総苞片(そうほうへん)は一つの花序に数個付き、長さ13㎝、幅2~7mm程度で、基部から中央付近まで白くなっています。
※総苞(そうほう)…花序の基部に苞が輪状に集まったもの。その一つ一つの苞を総苞片(そうほうへん)と呼ぶ。
▼シラサギカヤツリの花序と総苞
花序にはスパイク状の小穂(しょうすい)が密に付いています。
小穂は白く、5~7㎜程度の長さです。
※小穂(しょうすい)…イネ科やカヤツリグサ科に見られる花を含む構造で、通常複数の花を含み、鱗片が重なったような構造となっている。
▼シラサギカヤツリの小穂の様子
花は長い花期の間次々と咲きます。
夏の強い日差しの中で、風に揺らぐ姿は涼し気で風情があります。
葉は幅5~3㎜程度の線形長く、先が尖ります。
茎は基部に三角形の葉があり、直立します。
花を咲かせながら草丈30~70㎝に成長します。
▼シラサギカヤツリの草姿
葉の縁に白い覆輪が入る斑入り品種も流通しています。
▼斑入りのシラサギカヤツリ
繊細な姿に反して丈夫な性質です。
水切れにさえ気を付ければ他の草花と同じように育てることができます。
耐寒性はあまり高くありませんが、根元の土が凍らなければ戸外で冬越し可能です。
冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。
※温度があれば常緑で、年間を通して花を咲かせます。
シラサギカヤツリの育て方
栽培環境
日当たりの良い場所が適しています。
水辺の植物なので水を好みます。
腰水栽培か水盤で育てると、水切れの心配がありません。
水を切らさなければ、他の植物同様に露地でも育てることが出来ます。
株元が水につかっていても元気に育ちますが、水深が深すぎると上手く育ちません。
水深は5~10㎝程度にして下さい。
冬越し
冬になると葉が枯れるので、株元で刈り込んで下さい。
鉢土が凍らなければ枯れることはありません。
水連鉢などで育てている場合は、水の表面が凍る程度の寒さであれば、問題なく冬越しします。
鉢土や水の全てが凍ってしまうような寒冷地の場合は、室内で管理して下さい。
一定の温度があれば、常緑で周年開花します。
水やり
用土が乾き始めたらたっぷりと水やりをします。
腰水栽培や水盤で育てている場合は、水がひどく汚れたら新しい水に取り替えて下さい。
肥料
肥料は与えなくても育ちますが、春から秋の生育期に緩効性化成肥料を月に1回程度、土に埋めて施すと生育が良くなります。
植え付け、植え替え
植え付け
適期は5月~10月の生育期です。
株元を水に沈めて育てる場合は、市販の水生植物の培養土を使うか、赤玉土(単用)、荒木田土などを使います。
鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・ピートモス3などの配合土を使います。
植え替え
生育旺盛でよく増えるので、1~2年に一度は植え替えを行って下さい。
適期は春の4月頃です。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行います。
株を掘り上げたら古い土を落とし、新しい用土で植え付けて下さい。
花がら摘み
苞は花が咲き進むと色あせてくるので、根元で切り取って下さい。
増やし方(株分け)
株分けで容易に増やすことが出来ます。
株分け
適期は春の4月頃です。
掘り上げた地下茎を、ハサミなどで切り分けて植え付けます。
根の少ないものは、水に浸けてしばらくすると発根するので、その後植え付けます。
病気、害虫
病害虫の発生はほとんどありません。