ムスカリ

  • 学名…Muscari
  • 和名…ムスカリ
  • 別名…グレープヒアシンス
  • 科名…キジカクシ科
  • 属名…ムスカリ属
  • 原産国…地中海沿岸、西アジア
  • 花色…青、紫、ピンク、白
  • 草丈…10㎝~30㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:4 to 8

ムスカリとは

ムスカリ

ムスカリはキジカクシ科ムスカリ属の多年草です。
ムスカリ属には約73種が分類されており、地中海沿岸部から北アフリカ、アジア南西部に分布しています。

美しい花を咲かせることから、数種が観賞用として栽培されます。
主に栽培されるのは、ムスカリ・アルメニアカム(ブドウムスカリ:Muscari armeniacum)と、ムスカリ・ボトリオイデス(ルリムスカリ:Muscari botryoides)の二種です。
ムスカリの和名を持つのはムスカリ・ネグレクタム(ムスカリ:Muscari neglectum)ですが、こちらはあまり一般的ではありません。

日本では30数年前頃から市場に流通するようになっています。
ハイブリッド品種も多数あり、春の花壇を彩る定番の球根として広く普及しています。


ムスカリの花期は3月~5月上旬。
花期になると、株の中から花茎を伸ばし、頂部の花序に多数の花を咲かせます。

▼ムスカリの花序の様子

ムスカリの花序の様子

花は花径3~5㎜程度のつぼ形で、下向きに咲きます。
上部に付いているのは不稔性の花で、通常の稔性の花より小さくなっています。

▼ムスカリの稔性の花

ムスカリの花

▼ムスカリの不稔性の花

ムスカリの不稔性の花

雄しべは6個、雌しべは1個。
雌しべの柱頭は3裂しています。

▼ムスカリの雄しべ

ムスカリの雄しべ

花色は基本種の青の他、紫、ピンク、白。

▼白い花を咲かせるムスカリ

白いムスカリ

果実は3稜ある蒴果で、中には黒い種子が6個入っています。

▼ムスカリの果実

ムスカリの果実

▼ムスカリの種子

ムスカリの種子

葉はやや肉厚の線状~へら状で、数本が根生します。
※葉の形状や長さは品種により異なります。

秋に芽を出し、花が咲いた後、夏には地上部を枯らせて休眠し、再び秋に芽吹きます。

▼ムスカリの葉の様子

ムスカリの葉の様子

耐寒性が高く丈夫な性質です。
植えっ放しでもよく増え、よく花を咲かせます。

ムスカリの名前の由来

ムスカリの名前はギリシャ語の「ムスク(じゃ香)」に由来しますが、一般的に広く普及しているムスカリには強い芳香はありません。
ムスクの香りが漂う花だと思っていると、少しガッカリします。

では何故ムスカリと呼ばれるようになったのか。
それは、ムスカリ属の一種であるムスカリ・マクロカルパが甘い香り強くを放っていたから、と言われています。
現在では香りの強い園芸品種も流通していますが、最も一般的なムスカリ・アルメニアカムやムスカリ・ボトリオイデスには強い香りはありません。

ムスカリの主な品種

ムスカリ・アルメニアカム(ブドウムスカリ:Muscari armeniacum)

ムスカリ・アルメニアカム

ヨーロッパ南東部~黒海東部にかけて分布するムスカリで、最も普及しています。

草丈15~20㎝程度に成長し、青~青紫の花を咲かせます。
一つの球根に1~3個の花茎が出て、花序は10㎝程度。
花序には20~40個の花が密に付きます。
不稔性の花は花柄が無く、花序の上部に2~10個が付きます。
花にはわずかに芳香があります。

葉は長さ30~40㎝の線形で、3~8個が根生します。

白花やピンク色の花を咲かせる品種の他、八重咲き品種など、数多くの園芸品種が作出され流通しています。

▼八重咲き品種 ブルー・スパイク(Muscari armeniacum ‘Blue Spike')

ムスカリ・ブルースパイク

ムスカリ・ボトリオイデス(ルリムスカリ:Muscari botryoides)

ムスカリ・ボトリオイデス
Created by modifying "Muscari botryoides 002" (Bernt Fransson, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

ヨーロッパの森林や草原に分布するムスカリです。

草丈20~30㎝に成長し、青~青紫色の花を咲かせます。
花茎は20~35㎝で、花序には12~20個の花が付きます。
不稔性の花は4~9個で、稔性の花と同等かわずかに小さくなります。

葉は2~4個が根生し、長さ15~35㎝、幅0.3~1.2㎝の細長いへら状です。

青紫色の花を咲かせる品種の他、白花品種もよく流通します。

ムスカリ・ネグレクタム(ムスカリ:Muscari neglectum)

ムスカリ・ネグレクタム(ムスカリ:Muscari neglectum)
Created by modifying "Muscari neglectum sl4" (Stefan.lefnaer, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

ヨーロッパ、北アフリカ、アジア南西部に分布するムスカリです。

草丈25㎝程度に成長し、青黒色の花を咲かせます。
花茎は8~25㎝、花序は1~5㎝で、20~40個の花が付きます。
花序の上部の不稔性の花は、淡い色でやや小さくなります。

葉は3~6個が根生し、長さ15~30㎝、幅0.2~0.5㎝の線形です。

淡い水色の花を咲かせるベイビーズブレスなどが流通します。

▼ムスカリ・ベイビーズ・ブレス(Muscari neglectum ‘Baby's Breath’)

ムスカリ ベイビーズブレス

ムスカリ・マクロカルパ(Muscari macrocarpa)

ムスカリ・マクロカルプム
photo by:Miltos Gikas

ギリシャ、エーゲ海東部諸島、トルコに分布するムスカリです。
「ムスカリ」の名前の由来になったと言われる種で、花には甘く強い芳香があります。

草丈15~20㎝程度に成長します。
花茎は10~20㎝の長さで、多数の花が咲きます。
花は最初紫色で、咲き進むにつれて黄色に変化します。

葉は3~5個が根生し、長さ30㎝以下で、肉厚な幅のある線形で中央に溝があります。
園芸品種のゴールデン・フレグランス(‘Golden Fragrance’)が流通します。

ムスカリ・コモサム(ハネムスカリ:Muscari comosum)

ムスカリ・コモサム

地中海沿岸地域、北アフリカ、西アジアに分布するムスカリで、ハネムスカリの和名を持ちます。

草丈20~60㎝に成長する大型種です。
花茎は30~50㎝になり、花序には40~100個の花が付きます。
稔性の花は長い筒状で、上部の不稔性の花は明るい紫色をしています。

葉は長さ20~40㎝の線形で、中央に溝があります。

ムスカリの育て方

ムスカリの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
夏の休眠期は日陰になっても大丈夫なので、落葉樹の下などに植えることも可能です。
日陰でも育ちますが、徒長して花付きが悪くなります。

冬越し・夏越し

耐寒性、耐暑性共に優れており、特に対策の必要はありません。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
地上部が枯れて休眠期に入ったら、水やりの必要はありません。

肥料

庭植えの場合は、ほとんど必要ありませんが、開花後に緩効性化成肥料をばらまいておくと、球根が太り、翌年の花数が増えます。
鉢植えの場合は、花後と10月~11月に緩効性化成肥料を置き肥しておきます。

植え替え・植え付け

植え付け

植え付けの適期は10月~12月上旬ですが、あまり早く植えると、花が咲く頃に葉がだらしなく伸びてしまいます。
コンパクトな草姿で楽しみたい場合は、出来るだけ遅く植えるのがポイントです。

庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和し、腐葉土を混ぜ込んでおきます。
植えっぱなしにするなら、少し株間を空けて植え付けます。
翌年から絨毯のように咲かせたいのであれば、詰めて植え付けて下さい。
覆土は5㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
球根が隠れる程度の深さで、5号鉢に7球程度が目安です。

植え替え

特に植替えの必要はありませんが、球根が増えてくると窮屈になって花付きが悪くなることがあるので、そうなれば掘り上げて分球し、植え替えを行って下さい。

葉が伸びすぎる場合は…

植えっぱなしにしていると、秋に葉が長く伸びてしまって、だらしない草姿になります。
気になる場合は、2月末~3月上旬に切り戻しを行います。
株元から10㎝程度の高さでバッサリと切って下さい。

または、花後の6月頃に球根をいったん掘り上げ、晩秋に植えつけると、葉が伸びすぎるのを防ぐことが出来ます。

増やし方(自然分球)

自然分球で、よく増えます。
掘り上げたら球根がいくつもくっついているので、分球して植え付けて下さい。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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