- 学名…Crowea Sm.
- 科名…ミカン科
- 属名…クロウェア属
- 原産国…オーストラリア
- 花色…ピンク、白
- 樹高…30㎝~150㎝
- 日照…日なた(夏は半日蔭)
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:9 to 11
サザンクロス(クロウエア)とは

サザンクロス(クロウエア)は、オーストラリア原産のミカン科クロウェア属の常緑低木です。
クロウェア属には3種の植物が分類されており、その内2種が観賞用として栽培されています。
栽培されるのはクロウエア・サリグナ(Crowea saligna)とクロウエア・エクサラータ(Crowea exalata)、そしてこの2種のハイブリッド品種です。
クロウェア・サリグナは、オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州東部に分布しており、クロウェア・エクサラータは、オーストラリア東部に分布しています。
両種共に乾燥した砂漠地帯や、砂場の斜面などで生育します。
「サザンクロス」の名前は、日本に紹介された際に付けられた流通名が定着したものですが、本来サザンクロスというのはセリ科の植物(Xanthosia rotundifolia)の英名で、海外でサザンクロスというとこのセリ科の植物を指します。
日本への渡来時期は不明です。
クロウェアとも呼ばれます。
サザンクロス(クロウエア)の花期は5月~11月。
四季咲き性があり、気温があれば一年を通して開花しますが、主な花期は春から秋です。
花期になると、枝の上部の葉の付け根に小さな花を咲かせます。
花は直径1.5~4㎝、花弁は5個。
花弁は広卵形~楕円形、蝋質でやや厚みがあり光沢を持ちます。
▼サザンクロス(クロウェア)の花

雄しべは10個、2輪になっています。
雌しべは1個あり、柱頭は丸くなっています。
▼サザンクロス(クロウェア)の雄しべと雌しべ

花は1週間以上色褪せることなく咲き続けます。
花色はピンク、白。
▼白いサザンクロス(クロウェア)

果実は長さ5~8㎜の楕円形~広卵形の小堅果(しょうけんか)が1~5個付きます。
※堅果(けんか)…乾燥して硬い果皮が種子を包み、裂開しない果実のこと。
小型のものを小堅果(しょうけんか)と呼ぶ。
葉は互生し、細い披針形から長楕円形で、やや厚みがあります。
▼サザンクロス(クロウェア)の葉の様子

茎は分枝しながら花を咲かせ、樹高30~150㎝程度に成長します。
葉茎にはミカンの葉のような柑橘系の香りがあります。
葉の縁にクリーム色の斑が入る品種も流通しています。
▼斑入りのサザンクロス(クロウェア)

暑さ、寒さにやや弱い性質です。
夏は涼しい半日蔭で管理し、冬は暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
サザンクロス(クロウエア)の育て方

栽培環境
日当たりを好みますが、夏場の強い日差しを嫌います。
庭植えの場合は、夏に半日蔭になるような、水はけの良い場所で育てて下さい。
夏や冬の管理を考えれば、鉢植えの方が育てやすい植物です。
酸性土壌を好みます。
植え付け場所には苦土石灰を施さないようにして下さい。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は0℃程度です。
暖地であれば、よく日が当たり、霜の避けられる軒下などで冬越し可能です。
その他の地域では、室内の日当たりの良い場所で管理して下さい。
冬越し中の株は、やや乾燥気味に管理します。
庭植えの場合は、秋に挿し木株を作って冬越しさせる方法もあります。
夏越し
高温多湿の環境が苦手です。
梅雨の時期は雨の避けられる場所で管理して下さい。
梅雨明けから秋の彼岸頃までは、半日蔭の涼しい場所で育てます。
庭植えで夏の強い日差しが当たる場所で育てている場合は、遮光して下さい。
遮光率は50%です。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
過湿な環境を嫌いますが、水切れにも弱い性質です。
夏場の水切れには注意して下さい。
肥料
庭植え、鉢植え共に、4月~7月、9月~10月の生育期の間に、緩効性化成肥料や液体肥料を定期的に施します。
植え付け、植え替え
適期は3月頃です。
植え付け
酸性土壌を好みます。
庭植えの場合は、植え付けの際に苦土石灰は使用しないようにして下さい。
用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土をして高植えにすると効果的です。
鉢植えの場合は、鹿沼土(小粒)5・ピートモス(酸度未調整)4・腐葉土1などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと生育に影響するので、1~2年に一度、植え替えを行います。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に植え替えを行って下さい。
植え替え後、一週間ほどは明るい日陰で管理します。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
剪定、切り戻し
四季咲き性があり、気温があればポロポロと花を咲かせ続けます。
初夏に花が一段落したら、伸びすぎた枝を半分程度の高さで切り戻します。
秋になれば再び花を咲かせます。
または、春の植え替え時に切り戻しを行って下さい。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は5月~6月、9月です。
枝を4~5節の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
挿し木用土には鹿沼土(細粒)5・ピートモス(酸度未調整)5の配合土を使います。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待って下さい。
春に挿した株は秋に、秋に挿した株は春に定植します。
病気・害虫
病害虫はほとんど発生しませんが、まれにアブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
風通しの悪い場所で育てていると発生しやすくなるので、風通しの良い環境で育て、発生を予防して下さい。
カイガラムシが発生した場合は、ヘラなどでそぎ落として駆除します。
アブラムシは、薬剤で駆除して下さい。