
育て方のポイント
ネグンドカエデの育て方早見表
ネグンドカエデは、明るい葉色を楽しめるカラーリーフ向きの落葉高木です。 成長が非常に早く大きく育つため、植え付け前に十分なスペースを確保することが大切です。 夏の強い日差しでは葉焼けすることがあるため、午後から半日陰になるような場所で育てると管理しやすくなります。
- 分類
- 落葉高木
- 開花期
- 3月~5月
- 花色
- 帯紫色、赤褐色など。観賞の中心は葉色
- 樹高
- 10m~15m。庭木でも大きく育つためスペースが必要
- 日照
- 日なた~半日陰。夏の強い西日は避けると葉焼けしにくい
- 適した場所
- 水はけがよく、枝を広げられる広い場所
- 水やり
- 庭植えは根付けばほぼ降雨のみ
- 肥料
- 2月~3月に寒肥として油粕や堆肥などを施す
- 植え付け
- 12月~3月の厳冬期を除いた落葉期
- 剪定
- 5月中旬~7月、10月中旬~12月。毎年の剪定が必要
- 冬越し
- 耐寒性は高い。幼苗は寒冷地で枝先が枯れこむことがある
- 増やし方
- 挿し木。ただし発根率は高くない
- 病害虫
- カミキリムシ、イラガ、アメリカシロヒトリに注意
育て方のコツ: ネグンドカエデは成長が早く、コンパクトに保つのが難しい庭木です。 植える前に樹高や枝張りを想定し、狭い場所や建物の近くは避けます。 カラーリーフを美しく楽しむには、夏の葉焼けを防ぎながら、春から初夏に切り戻して新しい葉を出させるのがポイントです。
ネグンドカエデの基本情報
- 学名…Acer negundo L.
- 和名…トネリコバノカエデ(梣葉楓)
- 別名…ネグンドカエデ、セイヨウカエデ
- 科名…ムクロジ科
- 属名…カエデ属
- 原産国…北アメリカ
- 樹高…10~15m
- 日照…日なた~半日陰
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:3 to 8
ネグンドカエデとは
ネグンドカエデは、北アメリカに分布するムクロジ科カエデ属の落葉高木です。
分布域はアメリカ全土からカナダに広がっており、河川の近くやその氾濫域、低木林の中などに分布しています。
アメリカでは最も広く一般的に分布する樹木の一つとなっています。
成長が早く都市環境にも順応することから、かつては街路樹として広く植栽されていました。
北米以外でもヨーロッパなどで帰化植物として定着していますが、大量の種を実らせ旺盛に繁殖することから、侵略的植物として認識されている地域もあります。
日本へは明治初期に渡来しています。
和名はトネリコバノカエデ。
急速に成長し景観を保つことが難しいため、街路樹としては利用されませんが、庭木として世界で広く栽培されています。
美しい葉色を持つ園芸品種が幾つかあり、カラーリーフの庭木として普及しています。
ネグンドカエデの花期は3月~5月。
花期になると葉の展開に先駆けて、上部の枝の芽の付け根から花序を出し、多数の花を咲かせます。
一つの花序には15~50個の花が付き、長く垂れ下がります。
▼ネグンドカエデの花序

花は4個が束生し、花弁や花盤はありません。
雌雄異株。
雄花には帯紫色~赤褐色の雄しべが4~6個あります。
▼ネグンドカエデの雄花の様子

雌花の雌しべは基部で柱頭が2裂しています。
▼ネグンドカエデの雌花


果実は翼果(よくか)。
※翼果(よくか)…果皮の一部が翼状に発達した果実。カエデ、ニレなどに見られる。
▼ネグンドカエデの果実

葉は長さ10~20cmの羽状複葉(うじょうふくよう)です。
羽状複葉(うじょうふくよう)とは、葉軸の左右に小葉が並んだもの。
▼ネグンドカエデの葉の様子

小葉は3~7枚、まれに9枚が付き、長さ8~10cm、幅2~4cmの卵形~楕円状披針形です。
小葉は全縁、または3~5の鋸歯があります。
▼ネグンドカエデの葉の様子

幹は灰褐色~黄褐色で、枝は勢いよく伸び、樹高10~15m程度に成長します。
耐寒性に優れた樹木で、北海道でも栽培可能ですが、若木の内は寒さで枝先が枯れこむことがあります。
非常に生育旺盛なので、毎年の剪定作業が必須になります。
春~初夏にかけて剪定すると、新しい葉が伸び、明るい葉色を再び楽しめます。
他の樹木に比べ、カミキリムシの幼虫が幹に入り込むことがやや多い印象です。
ネグンドカエデの主な品種
ネグンドカエデには、黄金葉や斑入り葉を楽しめるカラーリーフ品種があります。
品種によって葉色や成長の早さ、庭木としての扱いやすさが異なるため、特徴を比較しておくと選びやすくなります。
| 品種名 | 葉色・特徴 | 成長の早さ | 庭木としてのポイント |
|---|---|---|---|
| ケリーズゴールド | 鮮やかなライムグリーンの黄金葉。新緑が特に美しい。 | 非常に早い | 明るい葉色が魅力だが、樹高や樹形のコントロールは難しい。 |
| フラミンゴ | 白斑入りの葉で、新芽は桃色を帯びたトリカラーになる。 | やや早い | 新緑期の華やかさが魅力。斑入り葉を楽しむカラーリーフ向き。 |
| バリエガータ | 葉の縁に白い斑が入る斑入り品種。 | 非常に早い | 落ち着いた斑入り葉を楽しめるが、剪定で樹形を保つ必要がある。 |
| オーレア・マルギナータ | 葉に不規則な黄色い斑が入る。 | 比較的ゆるやか | 派手さは控えめだが、比較的扱いやすい品種。 |
ケリーズゴールド(Acer negundo 'Kelly's Gold')

黄金葉の品種で、新緑は非常に美しく、鮮やかなライムグリーンの葉色が庭全体を明るくします。
成長が非常に早く旺盛に枝を伸ばすため、美しい樹形を保ったまま樹高をコントロールするのは難しい品種です。
フラミンゴ(Acer negundo 'Flamingo')

葉の縁に白い斑が入る斑入り品種で、新芽は桃色を帯びたトリカラーです。
新緑の時期のフラミンゴには花木に負けない華やかさがあり、人目を惹きつける美しさです。
ケリーズゴールドに比べると成長は緩やかですが、他品種に比べるとやや早めです。
バリエガータ(Acer negundo 'Variegatum')

葉の縁に白い斑が入ります。
フラミンゴのような派手さはありませんが、こちらも非常に美しい葉を見せてくれます。
ケリーズゴールド同様に成長が非常に速い品種です。
オーレア・マルギナータ(Acer negundo ‘Aureomarginatum’ )
葉に不規則な黄色い斑の入る品種です。
フラミンゴやバリエガータほどの華やかさはありませんが、比較的成長が遅く扱いやすい品種です。
ネグンドカエデの育て方

栽培環境
一日中陽が当たる場所だと、夏場の強い日差しで葉焼けを起こしてしまいます。
午後から日陰になるような半日陰の場所だと最適です。
水はけの良い環境を好みます。
生育旺盛な樹木で、日本原産のカエデに比べると大きく育ちます。
小まめな剪定を行っていてもコンパクトに育てることは困難です。
最低でも樹高3m~4m、枝張り1.5mくらいに育つと考えてください。
植栽には十分なスペースが必要です。
ネグンドカエデを植える前に確認したいこと
ネグンドカエデは成長が非常に早く、庭木としても大きく育つ樹木です。
植え付ける前に、将来の樹高や枝張りを考え、建物や隣地、通路に近すぎない場所を選びます。
小まめに剪定していてもコンパクトに維持するのは難しいため、狭い場所にはあまり向きません。
カラーリーフを楽しむ庭木として植える場合も、枝を広げられる十分なスペースを確保しておくと管理しやすくなります。
また、ネグンドカエデは雌雄異株で、雌株は多くの翼果を付けることがあります。
種が落ちて発芽することがあるため、不要な実生苗は早めに抜き取ります。
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
極寒地域では、幼苗は寒さで枝先が枯れこむことがあります。
本州で育った幼苗を道北などの寒さの厳しい地域に植える場合は、防寒対策を施してください。
水やり
一旦根付けば、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
肥料
寒肥として2月~3月に、油粕や堆肥などの有機肥料を株の周辺の土にすき込んでください。
植え付け
適期は12月~3月の厳冬期を除いた時期です。
根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込みます。
植え付け後はしっかりと水やりをして、棒などで軽く突き、根と土をなじませます。
必要であれば支柱を立てます。
剪定
適期は5月中旬~7月、10月中旬~12月の落葉期です。
5月中旬~7月の剪定
この時期の剪定の目的は、切り戻しを行って新しい芽を出させることにあります。
新緑の色が落ち着いて来た頃に、込み入った枝や伸びた枝を切り取ってください。
斑入り葉・黄金葉をきれいに楽しむ剪定
ネグンドカエデのカラーリーフ品種は、新芽や若い葉の時期に特に美しい葉色を見せます。
春から初夏に伸びた枝を切り戻すと、新しい芽が伸び、再び明るい葉色を楽しみやすくなります。
フラミンゴやバリエガータなどの斑入り品種では、緑葉の枝が出ることがあります。
緑葉の枝は勢いが強くなりやすく、放置すると斑入り葉が目立たなくなることがあるため、見つけたら枝元から切り取ります。
10月中旬~12月の剪定
この時期の剪定は、樹形を整えるための剪定です。
なるべく細い枝を残して、不要な太い枝を間引くような感じで根元から切り落とします。
絡み枝や徒長枝、樹形からはみ出しているような細い枝も剪定してください。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ますが、発根率は高くありません。
挿し木
適期は6月中旬~7月中旬です。
挿し穂にはその年に伸びた新梢を使います。
10~15cm程度に枝を切り取ったら、一番上の節の葉(2枚)を残して葉を落とします。
残した葉が大きいようなら半分に切り取り、挿し穂の下の部分をカッターナイフ等で斜めに切ります。
一時間ほど水揚げをして挿し木用土に挿してください。
発根するまでは明るい日陰で水を切らさないように管理してください。
発根して新しい葉や枝が伸び始めたら、徐々に日光に慣らしていきます。
その後は薄めの液肥を少なめに与えながら育ててください。
病気・害虫
カミキリムシ
株元におがくずのようなものが落ちていたら幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいます。
幹に開いている穴から薬剤を注入するか、針金などを差し込んで捕殺します。
駆除の確認のため、新しいおがくずの発生に注意してください。
発見が遅れると樹木が枯れてしまうことがあります。
カミキリムシ被害を早く見つけるポイント
カミキリムシの幼虫は幹の中に入り込むため、初期には気づきにくいことがあります。
株元や幹の周りに、おがくずのような木くずが落ちていないかを定期的に確認します。
木くずが新しく出続けている場合は、幼虫が幹の中で食害している可能性があります。
穴の位置を確認し、薬剤を注入するなど早めに対処します。
イラガ、アメリカシロヒトリなど
まれにイラガやアメリカシロヒトリなどの毛虫が発生することがありますが、害虫の発生はそれほど頻繁ではありません。
葉に食害が見られたら薬剤などで対処してください。
よくある質問
ネグンドカエデのよくある質問
ネグンドカエデを育てるときによくある疑問をまとめました。 大きくなりすぎる場合の管理、葉焼け、剪定時期、斑入り品種の扱い、害虫対策などを確認しておきましょう。
ネグンドカエデはどのくらい大きくなりますか?
ネグンドカエデは樹高10m~15mほどに成長する落葉高木です。 庭木として剪定しながら育てる場合でも、最低でも樹高3m~4m、枝張り1.5m程度は想定しておくと安心です。 成長が早いため、狭い庭や建物の近くにはあまり向きません。
ネグンドカエデは小さく育てられますか?
ネグンドカエデは生育旺盛で、コンパクトに維持するのは難しい庭木です。 毎年剪定しても枝がよく伸びるため、植え付け前に十分なスペースを確保しておくことが大切です。 小さな庭では、より成長の遅い品種や別のカラーリーフ低木を選ぶ方が管理しやすい場合があります。
ネグンドカエデの剪定時期はいつですか?
剪定適期は5月中旬~7月と、10月中旬~12月の落葉期です。 春から初夏の剪定では、伸びた枝を切り戻して新しい芽を出させ、カラーリーフを楽しみます。 落葉期の剪定では、樹形を整えるために不要な太い枝や絡み枝、徒長枝を整理します。
ネグンドカエデの葉焼けを防ぐには?
ネグンドカエデは、一日中強い日差しが当たる場所では夏に葉焼けを起こすことがあります。 午後から日陰になるような半日陰の場所に植えると、葉焼けを防ぎやすくなります。 特に斑入り葉や黄金葉の品種は、強い西日に注意します。
ネグンドカエデは寒冷地でも育ちますか?
ネグンドカエデは耐寒性が高く、北海道でも栽培可能です。 ただし、若木のうちは寒さで枝先が枯れこむことがあります。 寒さの厳しい地域に幼苗を植える場合は、株元の防寒や寒風を避ける工夫をすると安心です。
ネグンドカエデは鉢植えで育てられますか?
ネグンドカエデは成長が早く大きくなるため、基本的には庭植え向きの樹木です。 幼木のうちは鉢植えでも管理できますが、根詰まりしやすく、水切れもしやすくなります。 長く育てるなら、広い場所に地植えするか、成長を見越して管理する必要があります。
ネグンドカエデの斑入り葉が緑に戻ることはありますか?
斑入り品種では、緑色の葉を付ける枝が出ることがあります。 緑葉の枝は勢いが強くなりやすいため、斑入り葉を楽しみたい場合は早めに枝元から切り取ります。 フラミンゴやバリエガータなどは、春から初夏に新しい葉を出させると美しい葉色を楽しみやすくなります。
ネグンドカエデで注意する害虫は?
ネグンドカエデでは、カミキリムシの幼虫に注意します。 株元におがくずのようなものが落ちている場合は、幹の中に幼虫が入り込んでいる可能性があります。 発見が遅れると木が弱ることがあるため、穴から薬剤を注入するなど早めに対処します。