- 学名…Crocosmia x crocosmiiflora (Lemoine) N.E.Br.
- 和名…ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
- 別名…モントブレチア、クロコスミア
- 科名…アヤメ科
- 属名…ヒメトウショウブ属
- 原産国…南アフリカ
- 花色…オレンジ色
- 草丈…50㎝~100㎝
- 日照…日なた~半日陰
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:6 to 9
ヒメヒオウギズイセンとは
ヒメヒオウギズイセンは、南アフリカ原産のアヤメ科ヒメトウショウブ属の多年草です。
ヒオウギズイセン(Crocosmia aurea)とヒメトウショウブ(Crocosmia pottsii)の交雑種で、1880年にフランスの育種家であるヴィクトール・ルモワーヌによって作出されました。
交配親であるヒオウギズイセンは、アフリカ南部~東部に、ヒメトウショウブは南アフリカに自生する球根植物です。
両種の交雑種であるヒメヒオウギズイセンは、強健な性質と多様な環境に適応する力、旺盛な繁殖力を持ち合わせています。
世界に広く普及するに従い、逸出したものが各地で野生化するようになっています。
現在ではヨーロッパの他、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどで野生化しており、特にニュージーランドでは侵略的外来種の指定を受けています。
日本には明治中期(1890年頃)に導入され、同様に人家の周辺などで野生化しています。
逸出は北海道、本州、四国、九州で確認されており、荒れ地や山野の他、河川敷や海岸の草地などで群生しています。
在来種との競合が懸念されることから、環境省による生態系被害防止外来種リストに記載されている植物です。
ヒメヒオウギズイセンの花期は6月~8月。
花期になると、株の間から花茎を伸ばし、穂状に花を咲かせます。
花茎は途中で分枝し、一枝に4~20個の花が2列に付きます。
▼ヒメヒオウギズイセンの花序
花は径3~5㎝の大きさで、花被片は6個。
花被片は橙色~朱赤色で中央は黄色をおびており、基部は合着して筒状となっています。
花被片の基部には暗色の斑紋が入る場合があります。
▼ヒメヒオウギズイセンの花の様子
雄しべは3個あり、花糸は1.5~2.2㎝、葯は6~8㎜の長さです。
雌しべは雄しべよりやや上で分枝し、先端は小さく2裂しています。
▼ヒメヒオウギズイセンの雄しべと雌しべ
多くの場合結実しませんが、稀に果実が実ります。
果実は蒴果で、球を押しつぶしたような凸凹した形をしています。
種子は赤褐色~暗褐色の球形です。
▼ヒメヒオウギズイセンの果実
葉は大半が根生し、長さ30~80㎝、幅1~3㎝程度の披針形です。
一つの球根から5~8枚の葉が出て付け根付近で重なります。
茎は2~4回分枝して湾曲し、花を咲かせながら草丈50~100㎝に成長します。
▼ヒメヒオウギズイセンの葉と株の様子
強健な性質で植えっぱなしでもよく育ち、よく増えます。
詳しい育て方については下記ページを参照下さい。