
育て方のポイント
ハンゲショウの育て方早見表
ハンゲショウは、湿り気の多い場所を好むドクダミ科の多年草です。 初夏に花を咲かせる頃、茎の上部の葉が白くなり、涼しげな姿を楽しめます。 乾燥を嫌うため、池の周辺やビオトープ、睡蓮鉢など水切れしにくい場所で育てると管理しやすい植物です。
- 分類
- 多年草・宿根草・水生植物
- 開花期
- 6月中旬~7月
- 花色
- 白。花弁はなく、白く見える部分は花期に色づく葉
- 草丈
- 50cm~100cm。湿地風の植栽やビオトープに向く
- 日照
- 日なた~半日陰。日当たりがよい方が白い葉が美しく出やすい
- 適した場所
- 湿り気のある場所、池の周辺、ビオトープ、睡蓮鉢など
- 水やり
- 乾燥を嫌う。鉢植えは受け皿に水をためる腰水管理が向く
- 肥料
- 春に緩効性肥料や油粕を施す。窒素過多では花付きが悪くなる
- 植え付け
- 2月~3月
- 植え替え
- 鉢植えで根詰まりしたら、2月~3月に株分けを兼ねて植え替える
- 冬越し
- 冬は地上部が枯れ、春に再び芽吹く。寒冷地では防寒する
- 増やし方
- 株分け。地下茎を切り分けて植え付ける
- 注意点
- 地下茎でよく広がるため、増えすぎる場合は間引く
- 病害虫
- ほとんど発生しない
育て方のコツ: ハンゲショウは乾燥を嫌うため、常に土が湿っている環境で育てます。 鉢植えでは受け皿に水をためる腰水管理にすると、水切れを防ぎやすくなります。 地下茎でよく増えるため、庭植えでは広がりすぎに注意します。
ハンゲショウの基本情報
- 学名…Saururus chinensis (Lour.) Baill.
- 和名…ハンゲショウ(半夏生)
- 別名…カタシログサ(片白草)
- 科名…ドクダミ科
- 属名…ハンゲショウ属
- 原産国…日本、朝鮮半島、中国、台湾、ベトナム、フィリピン
- 花色…白
- 草丈…50cm~100cm
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:4 to 9
ハンゲショウとは
ハンゲショウは、日本、朝鮮半島、中国、台湾、ベトナム、フィリピンに分布するドクダミ科ハンゲショウ属の多年草です。
日本では、北海道を除く本州から沖縄に分布しており、日当たりの良い湿地などで太い地下茎を伸ばして群生します。
古くから茶花として親しまれて来たハンゲショウですが、自生地は環境の変化などによって減少傾向にあり、東京や山形など一部地域で絶滅危惧Ⅰ類に分類されています。
ハンゲショウの花期は6月中旬~7月。
花期になると茎の頂部の葉の付け根から、花序を伸ばし多数の花を咲かせます。
花序は長さ12~20cmで、初め下垂していますが、花が咲き進むと共に立ち上がります。
▼ハンゲショウの花序

花は花弁や萼片のない両性花です。
▼ハンゲショウの花

雄しべは6個、雌しべは1個。
雌しべの柱頭は4裂しています。
▼ハンゲショウの雄しべと雌しべ

果実は2.5~3㎜の球形で、表面にはいぼ状の突起があります。
葉は互生し、長さ10~20cm、幅5~10cmの卵形~卵状披針形で、基部は心形です。
葉柄は1~3cmです。
▼ハンゲショウの葉の様子

花期になると、茎の頂部に近い葉2~3枚が、付け根の部分から先端にかけて白くなります。
白い部分の面積はまちまちで、花が終わる頃には緑に戻ります。
白い部分は葉の表側だけで、裏側は白くありません。
片側だけ白くなることから「カタシログサ」とも呼ばれています。
▼白くなったハンゲショウの葉

茎は分枝して草丈50~100cm程度に成長します。
葉や茎は傷がつくと、ドクダミのような匂いがします。
根茎は地下を横に広がり、群生します。
▼群生するハンゲショウ

日本に自生している野草で、耐寒性、耐暑性共に高く強健な性質です。
冬には地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。
環境が合えば地下茎で非常によく増えます。
ハンゲショウの名前の由来
「半夏生(ハンゲショウ)」とは、夏至から11日目の7月2日を指し、その頃に花を咲かせることからハンゲショウと呼ばれています。
ハンゲショウの葉が白くなる理由
花が咲く頃に葉が白くなり、花が終わると緑に戻る
ハンゲショウの葉は不思議な性質をしています。
ハンゲショウの白い葉は、同科のドクダミの花の白い部分と同じ役割を果たします。
ドクダミの花の白い部分は、葉が変化した苞葉(ホウヨウ)と呼ばれるもので、花を目立たせ、昆虫を呼び寄せる役割があります。
▼ドクダミの花

ハンゲショウの白い葉は、苞葉(ホウヨウ)になりきれていない葉だとされています。
花序の下の数枚が白くなり花弁のように花を目立たせ、昆虫を招きます。
▼ハンゲショウの花序

葉が白いのは葉緑体が発達していないためです。
花が受粉すると白い葉は役目を終え、葉緑体が発達して葉緑素を作り葉が緑になります。
ハンゲショウの育て方

栽培環境
日当たりの良い、湿り気の多い場所が適しています。
半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が白い斑が美しく入ります。
株元が少し水につかる状態でも育てることが出来ます。
また、水持ちの良い土壌なら庭植えにすることも可能ですが、池の周辺やビオトープ、睡蓮鉢などで育てた方が乾燥の心配がなく、手がかかりません。
ビオトープで育てる場合
ハンゲショウは湿り気のある場所を好むため、ビオトープや池の周辺に向いています。
株元が少し水につかる程度の環境でも育てることができます。
地下茎でよく増えるため、小さな水鉢や限られたスペースで育てる場合は、広がり方を見ながら間引きます。
他の水生植物と一緒に植える場合は、ハンゲショウだけが増えすぎないように管理します。
冬越し
日本の本州以南に自生する植物ですが、耐寒性はそこそこです。
強い霜が降ったり地面が凍るような寒冷地では、防寒対策を施してください。
水やり
乾燥を嫌い、常に土が湿っているような環境を好みます。
鉢植えの場合は、大きめの鉢に植え、受け皿に常に水が溜まっている状態を保ってください。
庭植えの場合は、土が完全に乾いてしまわないように注意します。
肥料
庭植え、鉢植えともに、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は春に、緩効性化成肥料か固形の油粕を土中に埋め込んでください。
鉢植えの場合は、その後、緩効性化成肥料を1か月に1回程度施します。
美しい斑入りの白い葉を出すためには、肥料が必要ですが成分には注意してください。
ハンゲショウは窒素肥料が過剰になると蕾を付けません。
蕾が付かないと白い斑も出ませんので注意が必要です。
ハンゲショウの葉が白くならない原因
ハンゲショウの葉が白くならない場合は、日照不足、肥料の与えすぎ、花芽が付いていないことなどが原因として考えられます。
半日陰でも育ちますが、日当たりがよい場所の方が白い斑が美しく入りやすくなります。
また、ハンゲショウは窒素肥料が多すぎると蕾を付けにくくなります。
蕾が付かないと花期に葉が白くなりにくいため、肥料は与えすぎず、バランスを見ながら施します。
若い株や植え替え直後の株では、株が充実するまで白い葉が少ないこともあります。
乾燥させないように管理し、株をしっかり育てます。
植え付け、植え替え
適期は2月~3月です。
植え付け
鉢植えの場合は、荒木田土などの粘土質の重い土が適しています。
赤玉土などの一般的な土でも育ちますが、田んぼの土の方が生育が良いです。
植え替え
鉢植えで根詰まりしているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行ってください。
適期は2月~3月です。
土地が合っているとあっと言う間に繁殖します。
増えすぎた場合は間引いてください。
増やし方(株分け)
株分けで簡単に増やすことが出来ます。
株分け
適期は、芽を出す前の2月~3月です。
掘り上げた地下茎を切り分けて植え付けてください。
ハンゲショウが増えすぎる場合
ハンゲショウは地下茎を横に伸ばして広がります。
湿り気のある環境が合うと、あっという間に群生することがあります。
増えすぎる場合は、2月~3月の植え替え時期に地下茎を整理し、不要な株を間引きます。
庭植えで広がりすぎるのが心配な場合は、鉢植えや水鉢、仕切りのある場所で育てると管理しやすくなります。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。
よくある質問
ハンゲショウのよくある質問
ハンゲショウを育てるときによくある疑問をまとめました。 葉が白くなる理由、水やり、ビオトープでの育て方、冬越し、増えすぎる場合の管理などを確認しておきましょう。
ハンゲショウは多年草ですか?
ハンゲショウは多年草です。 冬は地上部を枯らして宿根し、春になると再び芽吹きます。 日本にも自生する植物で、湿り気のある場所に植えるとよく育ちます。
ハンゲショウの葉が白くなるのはなぜですか?
ハンゲショウは花が咲く頃に、茎の上部に近い葉が白くなります。 白くなった葉は花を目立たせ、昆虫を呼び寄せる役割を持つと考えられています。 花が終わる頃には、白い部分は再び緑に戻ります。
ハンゲショウはビオトープで育てられますか?
ハンゲショウはビオトープや池の周辺で育てやすい植物です。 乾燥を嫌うため、株元が湿っている場所や、少し水につかるような環境に向いています。 水切れの心配が少ない場所で育てると管理しやすくなります。
ハンゲショウは鉢植えでも育てられますか?
ハンゲショウは鉢植えでも育てられます。 乾燥を嫌うため、大きめの鉢に植え、受け皿に水をためる腰水管理にすると育てやすくなります。 用土は荒木田土など、保水性のある重めの土が向いています。
ハンゲショウは庭植えできますか?
ハンゲショウは庭植えできます。 ただし乾燥を嫌うため、水持ちのよい湿り気のある場所を選びます。 普通の花壇では乾燥しやすいことがあるため、池の周辺や水辺に近い場所の方が管理しやすくなります。
ハンゲショウは増えすぎますか?
ハンゲショウは地下茎で横に広がり、環境が合うとよく増えます。 増えすぎる場合は、春の植え替え時期に地下茎を整理し、不要な株を間引きます。 広がりすぎるのが心配な場合は、鉢植えや水鉢で管理すると扱いやすくなります。
ハンゲショウの葉が白くならない原因は?
葉が白くならない場合は、日照不足、肥料の与えすぎ、花芽が付いていないことなどが原因になることがあります。 ハンゲショウは半日陰でも育ちますが、日当たりがよい方が白い斑が美しく出やすくなります。 また、窒素肥料が多すぎると蕾が付きにくくなり、白い葉も出にくくなります。
ハンゲショウは冬越しできますか?
ハンゲショウは冬になると地上部を枯らして休眠します。 本州以南では戸外で冬越しできますが、地面が凍るような寒冷地では株元を保護すると安心です。 春になると地下茎から再び芽吹きます。