一年草・二年草 グランドカバー

イオノプシジウム

  • 学名…Ionopsidium acaule Rchb.
  • 和名…姫紫花菜(ヒメムラサキハナナ)
  • 別名…イオノプシディウム、イオノプシジューム、バイオレットクレス、ダイヤモンドフラワー
  • 科名…アブラナ科
  • 属名…イオノプシジウム属
  • 原産国…ポルトガル
  • 花色…薄紫
  • 草丈…5㎝~10㎝
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:7 to 8

イオノプシジウムとは

イオノプシジウム

イオノプシジウムは、ポルトガル原産のアブラナ科イオノプシジウム属の一年草です。
イオノプシジウム属の植物は、ヨーロッパ、北アフリカに約9種が分布していますが、観賞用として栽培されているのは、本種イオノプシジウム・アコーレ(Ionopsidium acaule)のみとなっています。

イオノプシジウム・アコーレの原産地はポルトガル南西部で、沿岸地域の他、森林の縁や丘陵など、日当たりが良く湿り気のある砂地の場所に自生が見られます。
ポルトガルではごく普通に見られる草花の一つでしたが、現在では森林開発などの影響で自生地が激減し、ポルトガルの国内法の下で保護されています。

ヒメムラサキハナナ(姫紫花菜)の和名を持ち、バイオレットクレス、ダイヤモンドフラワーの名前で流通することもあります。
日本への渡来時期は不明ですが、近年では栽培を逸出したものが本州各地で野生化しているのが確認されています。


イオノプシジウムの花期は2月~4月。
花期になると、花柄を長く伸ばし、先端に花径5~10㎜程度の小さな花を咲かせます。
花はアブラナ科の植物によく見られる十字形の4弁花で、一本の花柄の先に一個の花付きます。

▼イオノプシジウムの花の様子

イオノプシジウムの花の様子


雄しべは6個で雌しべが1個

▼イオノプシジウムの雄しべと雌しべ

イオノプシジウムの雄しべと雌しべ

花付きが非常に良く、花期の間は次々と花を咲かせ、最盛期には株が淡い紫色に染まります。
発芽後40日程度で花を付け始め、花後には小さな種子を実らせます。
花色は薄紫のみ。

▼最盛期のイオノプシジウム

マット状に広がったイオノプシジウム

葉は葉柄を含め長さ1~4㎝、葉身は腎形で、株元から放射状に広がります。
葉色は明るい緑色。

▼イオノプシジウムの葉の様子

イオノプシジウムの葉の様子

草丈5~10㎝程度に成長して、株は花を咲かせながらマット状に広がります。
グランドカバーとしても利用できますが、踏圧には強くありません。

▼イオノプシジウムの草姿

イオノプシジウムの草姿

花が終わると枯れてしまいますが、秋になるとこぼれ種から発芽してよく増えます。

耐寒性が高く、暖地であれば真冬の時期から開花します。
繊細な草姿に反して丈夫な性質で、手のかからない植物です。

関連図鑑

よく似た名前の植物にムラサキハナナがあります。
ムラサキハナナはイオノプシジウムと同じアブラナ科の植物で、紫色の花を咲かせます。

イオノプシジウムの育て方

イオノプシジウム(イオノプシディウム)の育て方

栽培環境

日なたから半日蔭の、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭の場合は、多少花付きが悪くなります。

冬越し

耐寒性は比較的高い方なので、そのまま戸外で冬越し可能です。
最低気温が-5℃程度の寒さであれば問題なく冬越ししますが、強い霜に何度もあたるような環境の場合は、霜よけを設置して下さい。

水やり

庭植えの場合はほぼ降雨のみで大丈夫です。

鉢植えの場合は、用土が乾き始めたらたっぷりと。
やや湿り気のある土壌を好みます。
水切れをさせると蕾が枯れてしまうことがあるので注意して下さい。

肥料

庭植え、鉢植え共に、元肥として少量の緩効性化成肥料を施して下さい。
追肥の必要は特にありません。
鉢植えの場合は、葉色や花付きが悪いようなら、様子を見ながら液体肥料を施して下さい。

多肥な環境になると徒長して草姿が乱れるので注意します。

植え付け

適期は10月~11月です。

庭植えの場合は、水はけが悪いようなら用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
株間は15㎝程度です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。

種まき

適期は9月中旬~10月中旬です。
寒冷地の場合は、春の3月~4月に種をまきます。

種はポットやセルトレーに蒔き、覆土は種が隠れるように2㎜程度。
発芽温度は20℃前後です。
発芽までには7~10日程度かかります。
発芽までは乾かさないように管理し、発芽したら間引きます。
苗が育ったら定植して下さい。
葉茎が繊細なので、移植の際は傷めないように注意します。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことができますが、こぼれ種でもよく増えます。

種の採取

花後に次々と種ができます。
種は小さなサヤに入っており、熟すとサヤが茶色くなってきます。
サヤごと切り取って乾燥させて下さい。
採取した種は袋などに入れて冷暗所で保管します。

種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。

病気・害虫

病気は特にありませんが、アブラムシが発生することがあります。
見つけ次第駆除して下さい。

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