低木 庭木

サンタンカ

  • 学名…Ixora L.
  • 和名…サンタンカ(山丹花)
  • 別名…サンダンカ(三段花)
  • 科名…アカネ科
  • 属名…サンタンカ属
  • 原産国…中国南部~マレー半島、インド
  • 花色…赤、オレンジ、黄、白
  • 樹高…30㎝~100㎝
  • 日照…日なた(夏は半日蔭)
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:9 to 10

サンタンカとは

サンタンカは、中国南部からマレー半島およびインド原産のアカネ科サンタンカ属の常緑低木です。
サンタンカ属には約300~400種の植物が分類されており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。

主に栽培されるのはサンタンカ(Ixora chinensis)とベニデマリ(Ixora coccinea)の二種で、数多くの園芸品種やハイブリッド品種が流通しています。

サンタンカの名前は狭義ではサンタンカ(Ixora chinensis )を指しますが、園芸界では観賞用として栽培されるサンタンカ属の植物の総称として用いられるのが一般的です。


サンタンカの花期は5月~10月。
花期になると、分枝した枝の頂部に、花序を出し多数の花を咲かせます。
花序は散房花序(さんぼうかじょ)状の集散花序(しゅうさんかじょ)で、直径5~10㎝程度の大きさです。

散房花序(さんぼうかじょ)…下部の花柄が長く、上部の花柄が短くなることで、花序全体の花の高さがほぼ同じになるタイプの花序。

集散花序(しゅうさんかじょ)…有限花序。花序の主軸(茎)の先端の花が最初に開花し、下へと咲き進んでいきます。
あるいは中心から外側へと咲き進みます。

▼サンタンカの花序

花冠は筒状で先が4裂して平らに開きます。
筒部は長く2~3㎝。

▼サンタンカの花

雄しべは4個、雌しべは1個。
雌しべの柱頭は2個。

▼サンタンカの雄しべと雌しべ

花色は赤、オレンジ、黄、白、ピンク。

▼黄色のサンタンカ


葉は対生し、倒卵形~長円状倒披針形、披針形~楕円形、先が尖った卵型~長楕円形などの形があります。
※時に輪生します。

▼サンタンカの葉の様子

枝はよく分枝してこんもりと茂ります。
熱帯地域の自生地では庭木としてよく植栽されており、大きく育ちます。
日本では鉢植えで育てるのが一般的で、大きくなっても100㎝程度の樹高です。

▼大きく育ってたくさんの花を咲かせるサンタンカ

熱帯植物のため耐寒性はありません。
冬場は室内での管理になりますが、病害虫の発生もほとんど無く、育てやすい花木です。

サンタンカの主な品種

※一部書籍ではサンタンカとベニデマリを同種として扱っているものもありますが、ここでは別種として扱います。

サンタンカ(Ixora chinensis)

中国南部からマレー半島原産のサンタンカです。
古くから栽培されている品種で、数多くの園芸品種があります。
冬越しには5℃以上の気温が必要とされています。

ベニデマリに比べると花冠裂片が丸くなっています。

ベニデマリ(Ixora coccinea)

インド原産のサンタンカです。
四季咲き性が強く、気温があれば周年開花します。
サンタンカ(Ixora chinensis)より寒さに弱く、冬越しには10℃以上の気温が必要です。

サンタンカと比べると花冠裂片が尖って花は十字形になります。

スーパーキング( Ixora ‘Super King’)

古くからある有名品種です。
サンタンカの仲間の中では樹高や葉が大きく、花序は10㎝以上になります。
花色は赤で、花付きが良いのが特徴です。

サンタンカの育て方

サンタンカの育て方

栽培環境

日当たりを好みますが、夏の強い日差しを嫌います。
また、寒さに弱い性質のため冬場は室内で育てます。
夏と冬のことを考えれば、鉢植えの方が管理が楽です。

小さな鉢に植えられた開花株を購入した場合は、根詰まりを起こしやすくなります。
早めに一回り大きな鉢に植え替えて下さい。

冬越し、夏越し

夏越し

夏場の強い日差しを嫌い、葉焼けを起こすことがあります。
夏場は半日蔭の場所に移動するか、遮光します。
遮光率は30%です。

冬越し

熱帯植物のため、耐寒性はありません。
耐寒温度は品種によりやや異なり、サンタンカは5℃以上、ベニデマリは10℃以上と言われています。

冬になったら室内の日当たりの良い場所で育てて下さい。
寒さで落葉することがありますが、枝が生きていれば春に再び芽吹きます。
冬越し中の株は、やや乾燥気味に管理します。

水やり

用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして下さい。
夏場は乾燥しやすいので、毎日水やりをします。
生育期間中に水切れをさせると、花持ちが悪くなるので、水切れに注意して管理して下さい。

肥料

春から秋の生育期の間に、緩効性化成肥料を定期的に置き肥して下さい。
生育が悪いようなら液体肥料も併用します。

植え付け、植え替え

適期は4月中旬~5月です。

植え付け(用土)

弱酸性の土壌を好みます。
鉢植えの用土には、赤玉土(小~中粒)4・鹿沼土(小~中粒)3・腐葉土3などの配合土を使います。
元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおいて下さい。

植え替え

根詰まりを起こすと生育が悪くなります。
出来れば一年に一度、植え替えを行って下さい。

適期は春の4月中旬~5月です。
根鉢を1/3程度崩して、新しい用土で一回り大きな鉢に植え替えて下さい。

剪定

適期は花後すぐです。
2節以上の節を残して剪定して下さい。
花の咲かなかった細い枝は切り取って、全体の樹形を整えます。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月~9月です。

枝を2~3節の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
挿し木用土には鹿沼土などの清潔な用土を使います。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
発根までには1か月~1か月半かかります。
発根して芽が動き始めたら、2~3本を一株として鉢上げして下さい。

病気・害虫

アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
カイガラムシはヘラなどでこそぎ落して駆除します。
アブラムシは薬剤で対処して下さい。

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