低木 庭木

アベリア

  • 学名…Abelia x grandiflora (Rovelli ex André) Rehder
  • 和名…ハナツクバネウツギ(花衝羽空木)
  • 別名…ハナゾノツクバネウツギ、ツクバネウツギ
  • 科名…スイカズラ科
  • 属名…ツクバネウツギ属
  • 原産国…園芸品種
  • 花色…白、ピンク
  • 樹高…1m~2m
  • 日照…日なた~半日蔭
  • 難易度…星
  • USDA Hardiness Zone:5 to 9

アベリアとは

アベリアは、スイカズラ科ツクバネウツギ属の低木です。
中国原産のアベリア・キネンシス(Abelia chinensis)とアベリア・ユニフローラ(Abelia uniflora)の交配種です。

アベリア・キネンシスは、中国では一般的に庭木として栽培されている落葉低木で、ややピンクがかった白い花を咲かせます。
アベリア・ユニフローラは、中国東部に分布している常緑低木です。

その2種の長所を合わせ持つのが園芸品種のアベリア(Abelia × grandiflora)です。
半常緑性で花期が長いのが特徴です。
1886年にイタリアで作出されて以来、世界で広く栽培されています。

アベリアというのはツクバネウツギ属の学名ですが、園芸界でアベリアというと上記の交配種を指すのが一般的です。
和名はハナツクバネウツギ(花衝羽空木)、別名はハナゾノツクバネウツギ。


アベリアの花期は6月~10月。
花期になると、分枝した枝先に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は円錐形。

▼アベリアの花序

花は長さ1.5~2㎝程度の漏斗形で、先が5裂して開きます。

▼アベリアの花

雄しべは4個、雌しべは1個。

▼アベリアの雄しべと雌しべ

果実は結実しません。

花色は白、ピンク。
初夏から秋にかけての長い花期の間、花は次々と開花します。

▼ピンク色のアベリア


葉は対生し、長さ2~5㎝、幅1~2㎝の先のとがった卵形~楕円形です。
葉の表面には光沢があり、縁に粗い鋸歯があります。

▼アベリアの葉の様子

枝はよく分枝して花を咲かせながら樹高1~2m程度に成長します。
葉に黄色やクリーム色の斑が入る品種もあります。
暖かい地方では常緑ですが、寒冷地ではほぼ落葉します。

▼成長したアベリア

耐寒性、耐暑性ともに優れており、育てやすい植物です。
強い刈り込みも可能なので、樹高、樹形のコントロールも容易です。

アベリアの主な品種

エドワード・ゴーチャー (Abelia x grandiflora ‘Edward Goucher’)

ピンクの花を咲かせるアベリアです。
葉がやや小さく全体的に小型です。
性質は白花のアベリアと大差ありません。

ホープレイズ(Abelia x grandiflora ‘Hopleys’)

葉に入るクリーム色から白の覆輪が美しい品種です。
花の無い時期にもカラーリーフとしての観賞価値があります。
花色は白からピンク。

他にも、黄色い斑入り葉が美しいフランシス・メイソンや、白い覆輪のコンフェティなどが流通します。
斑入り品種は普通のアベリアに比べるとやや花付きが悪い傾向にあります。

アベリアの育て方

アベリアの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、花付きがやや悪くなり、徒長しやすくなります。
可能であればよく日の当たる場所で育てて下さい。

冬越し

耐寒性は高いのですが、関東以北の地域では冬になると葉が少なくなったり、落葉します。
冬の間は寒風に当たらない場所で管理すると、落葉するのを最小限に防ぐことが出来ます。

植栽の北限は東北地方です。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に酷く乾燥するようなら水やりをして下さい。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植え、鉢植えともに、2月~3月、開花中の9月に緩効性化成肥料を株元にバラまいて下さい。

植え付け、植え替え

適期は3月~6月、9月下旬~11月です。

植え付け

庭植えの場合は、根鉢の2~3倍程度の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで植え付けて下さい。
植え付けた後はしっかりと水やりをし、空洞を無くすように棒などでつついて根鉢の周辺に土が回るようにします。

鉢植えの場合の用土は、水はけさえ良ければ特に選びません。
市販の草花用培養土や、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土を使うことが出来ます。

植え替え

鉢植えの場合は、根詰まりを起こして生育に影響するようなら植え替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。

庭植えの場合は特に必要ありません。

剪定

萌芽力が強く、伸びた枝に次々と花芽を形成するので、厳冬期を除けばいつでも剪定が可能です。
ただし花期の間に強く刈り込むと花が楽しめなくなってしまいます。

4月~8月の剪定

花を楽しむためには、強い剪定は控えます。
生育旺盛で、放っておくと徒長枝が出て樹形が乱れます。
伸びすぎた枝を切り詰めて、樹形を保つようにして下さい。

10月~12月の剪定

大きくなりすぎて仕立て直しをする場合や、樹形を整える場合は、花後の10月~12月に剪定を行います。
強剪定も可能なので、思い切って刈り込むことも可能です。
好みの樹形、樹高に整えて下さい。

増やし方(挿し木)

挿し木で増やすことが出来ます。

挿し木

適期は5月~6月、9月です。

充実して堅くなった枝を選んで、10㎝程度の長さに切り取ります。
下部の葉を取り除いて水揚げをしてから、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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