科名…サクラソウ科
属名…オカトラノオ属(リシマキア属)
原産国…ヨーロッパ、トルコ
花色…黄色
草丈…60~90㎝
日照…日なた~半日蔭
難易度…
USDA Hardiness Zone:4 to 8
リシマキア・プンクタータとは
リシマキア・プンクタータは、中央および南ヨーロッパ、トルコに分布するサクラソウ科オカトラノオ属(リシマキア属)の多年草です。
美しい花を咲かせることから観賞用として広く栽培されており、現在では北アメリカの多くの地域で帰化植物として定着しています。
分布域は溝や道路脇、池の畔などにあり、日当たりが良くやや湿り気のある土壌を好んで自生しています。
リシマキア・プンクタータの花期は6月~8月。
花期になると、上部の茎の葉の付け根から花柄を伸ばし、花径2~3㎝程度の花を輪生状に咲かせます。
花は黄色い5枚の花弁を持つ杯状で、花弁の基部はやや赤みを帯び、下から上へと咲きあがります。
花色は黄色のみ。
▼リシマキア・プンクタータの花
葉は先の尖った長楕円形で、縁はゆるく波打ち、輪生または対生します。
葉茎には細かい毛が密生しています。
茎はあまり分枝せず直立し、花を咲かせながら草丈60~90㎝程度に成長します。
葉に斑の入る斑入り品種もあります。
▼リシマキア・プンクタータの株姿
耐寒性に優れており、丈夫な性質です。
やや湿り気のある土壌を好み、極端な乾燥を嫌いますが、暑さもやや苦手な性質で、暖地ではなかなか大株に育ちません。
適した環境で育てれば、放任でもよく花を咲かせ、地下茎でよく増えます。
リシマキア・プンクタータの主な品種
リシマキア・プンクタータ(Lysimachia punctata)
適地で育てると非常によく増えます。
他の植物を駆逐する勢いがあるので、注意が必要です。
アレキサンダー(L. punctata 'Alexander')
葉の縁に白い覆輪が入る斑入り品種です。
基本種に比べると非常に成長が遅く、大株に育つまでは乾燥にも弱いので注意が必要です。
花付きも劣りますが、斑入りの葉は美しい葉色です。
葉の縁に黄色い覆輪の入る「ゴールデンアレキサンダー」も流通しています。
リシマキア・プンクタータの近縁種
リシマキア・プンクタータが属するオカトラノオ属(リシマキア属)の植物は、北半球を中心に約193種が分布しています。
その中で美しい花や葉を持つ幾つかの種が観賞用として栽培されています。 立ち性のものと匍匐性のものがあり、本種の他では以下のようなものが栽培されています。
リシマキア・プンクタータの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけが良い場所が適しています。
自生地はやや湿り気のある場所ですが、ある程度の乾燥には耐えます。
半日蔭程度の日照があれば育ちますが、花付きはやや劣ります。
斑入り品種は強い日差しで葉焼けを起こしやすいので注意して下さい。
冬越し
耐寒性は高く、特に対策の必要はありません。
根まで凍ってしまうような寒冷地の場合は、凍結対策を施して下さい。
根が生きていれば、春に再び芽吹きます。
水やり
やや湿り気のある土壌を好み、強い乾燥は苦手な性質です。
庭植えの場合は、乾燥が長く続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土が乾き始めたらたっぷりと。
アレキサンダーなどの斑入り品種は、大株に育つまでは庭植えの場合でも乾燥に注意して育てて下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として植え付けの際に、緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおいて下さい。
追肥は、春と秋に緩効性化成肥料を株元にばら撒きます。
鉢植えの場合も同様です。
植え付け、植え替え
適期は3月~5月、9月下旬~10月です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土3・軽石1などの水はけの良い配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は、増えすぎて生育が悪くなるようなら植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え付けるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合も、株が混みすぎて生育が悪くなるようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
増やし方(株分け、挿し芽)
株分けと挿し芽で増やすことが出来ます。
株分け
適期は植え替え時の3月~5月、9月下旬~10月です。
掘り上げた株を切り分けて植え付けて下さい。
挿し芽
適期は5月~6月です。
茎を10~15㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
下の節の葉を取り除き、水揚げをしてから挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないようにして発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。