和名…コデマリ(小手毬)
別名…スズカケ(鈴懸け)、テマリバナ(手毬花)
科名…バラ科
属名…シモツケ属
原産国…中国
花色…白
樹高…1m~1.5m
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:5 to 9
コデマリとは
コデマリは、中国南東部を原産とするバラ科シモツケ属の落葉性低木です。
日本には古い時代に渡来し、観賞用として古くから各地に植栽されています。
そのため一部地域では逸出したものが野生化し、帰化植物として定着しています。
コデマリの花期は4月~5月中旬。
花期になると、上部の枝の葉の付け根に、径3㎝程度の半球状の花序を付け、小さな花を多数咲かせます。
花は花径0.7~1㎝程度で5枚の花弁を持ち、一つの花序に20輪程度を咲かせます。
花には20本以上の雄蕊と5~6本の雌蕊があり、雄蕊は長く突出して反り返ります。
▼コデマリの花
葉は、やや菱形に近い楕円形から披針形で、縁に鋸歯があり、互生します。
株元から多数の枝を伸ばして枝垂れ、樹高1~1.5m程度に成長します。
▼コデマリの葉と花の様子
耐寒性、耐暑性に優れており、育てやすい樹木です。
コデマリの主な品種
ヤエコデマリ(Spiraea cantoniensis f. plena)
コデマリの八重咲き品種で、ヤエザキコデマリとも呼ばれます。
最盛期には無数の花が咲き、株が白く染まります。
コデマリの近縁種
コデマリ属するシモツケ属は、北半球を中心に約120種が分布しており、本種の他では以下のようなものが観賞用として広く栽培されています。
オオデマリは名前が似ていますがガマズミ科の植物で、コデマリとは全く類縁関係のない樹木です。
コデマリの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、花付きは日当たりに比例します。
多くの花を咲かせるためには、よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し、夏越し
耐寒性、耐暑性に優れており、特に対策の必要はありません。
水やり
根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
夏場に長く乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
肥料
寒肥として冬の1月~2月頃と、花後のお礼肥に、固形の油粕や骨粉などの有機肥料、または緩効性化成肥料を施します。
植え付け
適期は2月中旬~3月、10月~11月です。
根鉢の2~3倍程度の植穴を掘り、用土に腐葉土や完熟たい肥を混ぜ込んでおきます。
植え付けた後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませ下さい。
剪定
コデマリの花芽は、花後に伸びる枝に9月中旬~10月頃に作られます。
剪定は花後すぐに行って下さい。
樹形を乱している枝や、不要な枝などを基部から取り除き、陽が全体によく当たるように整えます。
枝垂れるような美しい樹形に仕立てるためには、経年で太くなった枝を分枝している部分で切り落とし、側枝を残します。
樹高を低く抑える場合も同様です。
強剪定も行うことが出来ますが、強い剪定後に出てくる枝は勢いがあり、その後の樹形が乱れがちです。
出来れば強剪定は行わず、毎年の剪定で徐々に枝を更新していって下さい。
増やし方(挿し木、株分け)
挿し木と株分けで増やすことが出来ます。
挿し木
適期は春の3月頃です。
挿し穂には前年に伸びた枝を使います。
枝を10㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
水揚げをしてから、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
発根には1~2か月程度かかります。
株分け
適期は2月中旬~3月、10月~11月です。
掘り上げた株をスコップやハサミで切り分けて植え付けて下さい。
病気・害虫
うどんこ病
葉の表面が白い粉をまぶしたようになり、病気が進行すると葉が枯れてしまうこともあります。
初期であれば、病葉や落葉した病葉を取り除くことで拡大をある程度防ぐことが出来ます。
風通しを良くして、発生を予防して下さい。
アブラムシ
風通しの悪い環境で育てていると発生することがあります。
透かし剪定などを行い、風通しの良い環境で育てるようにして下さい。
発生した場合は、薬剤などで対処します。