- 学名…Salvia viridis L.
- 和名…ムラサキサルビア
- 科名…シソ科
- 属名…アキギリ属
- 原産国…地中海沿岸地域
- 花色…紫、ピンク、白
- 草丈…30㎝~60㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 9
ペインテッドセージとは

ペインテッドセージは、地中海沿岸地域を中心に分布するシソ科アキギリ属の一年草です。
分布域は地中海沿岸地域のほか、黒海西部およびトルクメニスタンにあり、石灰岩の岩場や砂地など、乾燥気味の場所に自生しています。
美しい花(苞)を咲かせることから、観賞用として栽培されているセージの一種です。
ペインテッドセージの花期は5月~7月。
花期になると、長く伸びた茎の上部の葉の付け根に、花径1㎝程度の唇形花(しんけいか)を2~3輪ずつ咲かせます。
※唇形花(しんけいか)…シソ科、ゴマノハグサ科の植物に多く見られる花の形。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれ、唇のような形になっている。上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼ぶ。
▼ペインテッドセージの唇形花

花は小さく目立つものではありませんが、花の時期に上部の苞(ほう)が色付きます。
※苞(ほう)…花序や花の基部に付く特殊化した葉。苞葉(ほうよう)とも呼ばれる。
苞は大きく鮮やかで、目立ちます。
ペインテッドセージは、この苞を観賞します。
▼ペインテッドセージの色付いた苞

苞の色は紫、ピンク、白。
唇形花の花色は苞の色と同じです。
苞は花が終わった後も1カ月ほど美しい姿で残ります。
また、ドライフラワーにすると長期間楽しむことが出来ます。
▼紫色のペインテッドセージの苞

葉は対生し、狭卵形から卵形で、表面には葉脈に沿った細かな皺があります。
葉茎には細かい毛が密生しており、触ると柔らかな手触りです。
茎は分枝しながら花を咲かせ、草丈30~60㎝程度に成長します。
▼たくさんのペインテッドセージ

高温多湿の環境が苦手なため、暖地、温暖地では梅雨の時期に枯れてしまうことがあります。
暖地、温暖地の場合は秋まきにした方が良い結果が得られます。
関連記事
ペインテッドセージの近縁種については下記を参照下さい。
ペインテッドセージの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
乾燥気味の環境を好むので、風通しも良ければ最適です。
酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。
冬越し
霜に当たると葉が傷みます。
秋に苗を植え付けた場合は、霜よけを設置して下さい。
鉢植えの場合は、霜の心配の無い軒下などの日当たりの良い場所で管理します。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
乾燥気味の環境を好みます。
水のやりすぎに注意して下さい。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は、春から花期の間、緩効性化成肥料を月に1回程度、置き肥して下さい。
鉢植えの場合も同様で、緩効性化成肥料を月に1回程度置き肥するか、液体肥料を施します。
種まき
暖地、温暖地の場合は9月~10月、寒冷地の場合は4月~5月中旬が適期です。
種は、重ならないように注意して播種箱などに蒔き、覆土は5㎜程度。
水を切らさないように管理して、発芽後、本葉が2~3枚程度になったらポット上げします。
根が回ったら、花壇や鉢に定植して下さい。
植え付け
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和し、腐葉土、完熟堆肥を混ぜ込んで水はけの良い環境を作っておきます。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んで下さい。
株間は30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
市販の培養土の場合は、赤玉土や腐葉土を少し混ぜ込んで土を作ると、さらに水はけ水持ちの良い土を作ることが出来ます。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ます。
種の採取
花後に種が出来ます。
果実は種が熟すと弾けるので、中の種がこぼれ落ちてしまいます。
果実が変色しかけた頃に、お茶パックなどを被せて種を採取して下さい。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
気温が上がり始めるとアブラムシが発生することがあります。
見つけ次第、駆除して下さい。