多年草・宿根草 一年草・二年草

キンセンカ(カレンデュラ)

学名…Calendula
和名…キンセンカ(金盞花)
別名…ポット・マリーゴールド、カレンジュラ
科名…キク科
属名…キンセンカ属(カレンデュラ属)
原産国…地中海沿岸
花色…黄色、オレンジ、複色
草丈…10㎝~60㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:2 to 11

キンセンカ(カレンデュラ)とは

キンセンカ(カレンデュラ)

キンセンカの仲間は、地中海沿岸部、南西アジア、西ヨーロッパなどに15~20種が分布するキク科キンセンカ属(カレンデュラ属)の一年草、または多年草です。
主に栽培されるのは、トウキンセンカとも呼ばれるカレンデュラ・オフィシナリス種(Calendula officinalis)で、「キンセンカ」というと一般的には本種を指します。
オフィシナリス種は地中海沿岸部原産の一年草、または短命な多年草で、美しい花を咲かせることから古くから世界で栽培されているキンセンカです。

また、「冬知らず」の名前で流通するのは、ホンキンセンカの和名を持つカレンデュラ・アルベンシス種(C. arvensis)の一品種で、寒さに強く冬中花を咲かせ続けることから、冬花壇の定番植物として古くから栽培されています。
アルベンシス種はヨーロッパの中部から南部に分布する一年草のキンセンカで、オフィシナリス種同様に世界中で広く栽培されています。

主な花期はキンセンカが3月~5月、ホンキンセンカが12月~5月。
花期になると、分枝した茎の頂部に、花径2~12㎝の頭状花を咲かせます。
頭状花は、周囲で花弁のように見える舌状花と、中心部分の筒状花から形成されており、独特な匂いがあります。
花は長い花期の間次々と開花します。
一重咲きの他、八重咲き品種もあり、花色は黄色、オレンジ、複色。

▼キンセンカの花

キンセンカ

葉は、へら状で茎に互生します。
茎はよく分枝し、キンセンカは立性でこんもりと株がまとまり、ホンキンセンカは株が横に広がります。

▼キンセンカの草姿

キンセンカ

耐寒性は高く、関東以南の地域では種まきからも容易に栽培可能です。
秋に種をまくと冬から春にかけて花を咲かせます。
花の最盛期は3月~5月で夏には枯れる、秋まき一年草です。

ハーブとしてのキンセンカ

日本ではもっぱら観賞用として栽培されるキンセンカですが、ヨーロッパでは古くから原種をハーブとして利用してきました。
火傷やにきびなどの皮膚トラブルに治療効果があると考えられています。
また花は食用花として利用され、料理やサラダの彩りとして使われます。

花弁の鮮やかな色は加熱しても色褪せないことから、「貧乏人のサフラン」「エジプトサフラン」と呼ばれ、サフランの代用品として利用されています。

ハーブとして利用される場合は、「ポット・マリーゴールド」「マリーゴールド」と呼ばれることがありますが、マリーゴールドはマンジュギク属、キンセンカはキンセンカ属に属しておりマリーゴールドとは別属の植物です。

キンセンカの主な品種

冬知らず

冬知らず

カレンデュラ・アルベンシス種から作出された園芸品種です。
花期は12月~5月頃で、花径2㎝程度の小さな花を次々と咲かせます。
株は横に広がります。
花壇や寄せ植えの他、ハンギングバスケットなどにも利用されます。
一度植えるとこぼれ種でよく増え、翌年も花を咲かせます。

まどかシリーズ

寒さに強く、うどんこ病にも強い品種で、最近販売されるようなった新しいシリーズです。
様々な花色、花姿があり、よく分枝してたくさんの花を咲かせ、株は半球状にまとまります。

かれんシリーズ

花径3㎝程度の花を次々と咲かせます。
八重咲きが多いキンセンカですが、このシリーズは一重咲きです。
オレンジ色からクリーム色まで、様々な花色が流通しています。
花壇植えの他、切り花などにも利用されます。
シリーズ名の「カレン」は、属名のカレンデュラの「カレン」と「可憐な花」という意味を合わせて命名されています。

他にも様々な花色、花姿のキンセンカが流通しています。

キンセンカ(カレンデュラ)の育て方

キンセンカの育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと、徒長して花付きも悪くなります。
また、キンセンカは日が当たると花が開き、夜間や天気の悪い日には花を閉じる性質があるので、必ず日なたで育てて下さい。

酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで、土壌を中和します。

連作障害が出ることがあるので、何年も同じ場所で育てている場合は場所を移して下さい。
少なくとも1年以上の間隔をあけて植え付けます。

冬越し

耐寒性は品種によりやや異なりますが概ね高く、対策無しでそのまま戸外で冬越し可能です。
花茎が伸び始めると、凍結や強い寒風で葉先が枯れこむことがあるので注意して下さい。

水やり

庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はほとんどありません。

鉢植えの場合は、元肥の他、追肥として10月~4月までの生育期の間に、液体肥料を月に1回程度施して下さい。

植え付け

適期は10月~12月です。

酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで土壌を中和しておいて下さい。
水はけの悪い土地の場合は、腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は20~30㎝です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
65㎝プランターに4株~5株が目安です。

花がら摘み

種を採取しない場合は、花が終わったら花がらを摘み取って下さい。

増やし方(種まき)

種まきで増やすことが出来ます。

種の採取

花後に種が出来ます。
花弁が散り、種が完全に茶色くなると種が落下してしまうので、変色しかけた頃に採取して下さい。
キンセンカの種は少し変わっていて、外側のガクのような部分、その内側のタツノオトシゴのような形のもの、一番内側の勾玉のような形のものがあり、すべての部分が発芽します。
ただし、一番内側の勾玉のような部分は発芽率が悪いので、取り除いておいても良いと思います。

採取した種はよく乾燥させ、冷蔵庫の野菜室などの冷暗所で保管します。

種まき

適期は9月~10月です。
発芽温度は15℃~20℃です。

種は播種箱にまくか、花壇や鉢に直まきします。
覆土は種が隠れる程度に軽く。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が3枚程になったら定植します。
直まきした場合は、適当に間引きながら育てます。

病気・害虫

うどんこ病

暖かくなって来ると発生しやすい病気です。
葉の表面に小麦粉をまぶしたような白い病変が現れます。
発生した場合は、殺菌剤で対処して下さい。

風通しの悪い環境で育てていると発生しやすくなります。
風通しの良い環境で育て、発生を抑制して下さい。

アブラムシ

葉や茎、蕾に寄生して吸汁する害虫です。
発生した場合は、薬剤で対処します。

-多年草・宿根草, 一年草・二年草
-,