- 学名…Spiraea japonica ‘Genpei’
- 和名…ゲンペイシモツケ(源平下野)
- 科名…バラ科
- 属名…シモツケ属
- 原産国…日本、中国
- 花色…ピンク、白
- 樹高…60㎝~100㎝
- 日照…日なた~半日蔭
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:4 to 8
ゲンペイシモツケとは
ゲンペイシモツケは、バラ科シモツケ属の落葉低木です。
シモツケの園芸品種の一つで、一株から白と淡紅色の花を咲き分けるという特徴を持ち、「源平咲きシモツケ」とも呼ばれます。
「ゲンペイ」の名前は、紅白の花色を源平の旗色に見立てたものです。
原種であるシモツケは、日本、中国、朝鮮半島に分布する落葉低木です。
日本では、北海道から九州にかけての山野に分布しており、日当たりの良い場所に自生しています。
「シモツケ」の名前は、下野国(現在の栃木県)で最初に見つけられたことに由来しています。
ゲンペイシモツケの花期は5月~8月。
花期になると、伸びた枝先に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は直径4~14㎝程度の半球形です。
▼ゲンペイシモツケの花序
花は直径3~6㎜の小さな5弁花です。
▼ゲンペイシモツケの花
雄しべは25~30個あり、花冠から長く突出します。
雌しべは5個。
▼ゲンペイシモツケの雄しべと雌しべ
花の最盛期は5月~6月ですが、夏から初秋までポロポロと咲き続けます。
葉は互生し、長さ3~8㎝、幅2~4㎝の狭卵形~卵形で縁に重鋸歯(じゅうきょし)があります。
重鋸歯(じゅうきょし)…葉の縁の形で、大きな鋸歯の縁にさらに鋸歯があるもの。
▼ゲンペイシモツケの葉の様子
樹皮は暗褐色で、地際から多数の枝を出して株立ちになり、樹高60~100㎝程度に成長します。
▼大きく育ったゲンペイシモツケ
耐寒性、耐暑性共に優れており、育てやすい花木です。
萌芽力が高く強い刈り込みにも耐えるので、樹高のコントロールも容易です。
ゲンペイシモツケの近縁種
ゲンペイシモツケ属するシモツケ属は、北半球を中心に約120種が分布しており、本種の他では以下のようなものが観賞用として広く栽培されています。
ゲンペイシモツケの育て方
栽培環境
日当たりが良く、乾燥しすぎない場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、花付きが悪くなり樹形も整いません。
少なくとも半日以上は日の当たる場所で育てて下さい。
鉢植えの場合は、落葉期の間は日陰で管理しても問題ありません。
冬越し、夏越し
日本に自生する植物なので、特に対策の必要はありません。
北海道以外では庭植えでそのまま冬越し、夏越しが可能です。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
冬場の落葉期は水やりの回数を減らし、やや乾燥気味に管理します。
肥料
庭植えの場合はほとんど必要ありません。
鉢植えの場合は、花が咲く前の4月頃に、緩効性化成肥料か固形の油粕を株の周辺に施します。
植え付け、植え替え
適期は厳冬期を避けた落葉期の2月下旬~4月、11月~12月です。
春になってからは芽が動き出すので、出来るだけ早く植え付け、植え替えを行って下さい。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として、完熟堆肥を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、基本的に毎年植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。
剪定
ゲンペイシモツケは、前年伸びた枝だけでなく、その年の春に伸びた枝にも花が付くので、失敗がありません。
花後から3月まで、いつでも剪定可能です。
形を大きく整えたいのなら、2月頃に半球状に刈り込むと良いです。
枝が込み合って風通しが悪くなると、病気や害虫が発生しやすくなるので、古い枝は適宜、切り落とします。
新しい枝の方が花付きも良いので、少しずつ更新をしていくと、美しい状態が保てます。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は6月下旬~7月中旬です。
枝の先端を10㎝程度に切り、下葉を取り除き挿し穂にします。
水揚げをしたら赤玉土(小粒単用)か挿し木用土に挿して下さい。
水を切らさないように日陰で管理し、発根したら鉢上げをします。
その後は徐々に日光にならしていきます。
病気、害虫
病害虫もほとんどありませんが、枝が密集して蒸れてくると、アブラムシやカイガラムシが発生することがあるので、見つけ次第駆除して下さい。