和名…イカダカズラ(筏葛)
別名…ブーゲンビリア、ブーゲンビレア
科名…オシロイバナ科
属名…ブーゲンビリア属
原産国…南アメリカ
花色…ピンク、赤、黄、オレンジ、白
樹高…0.5m~6m
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:9b to 11
ブーゲンビリアとは
ブーゲンビリアは、南アメリカに約18種が分布するオシロイバナ科ブーゲンビリア属の低木、または小高木です。
多くの種はかなりコンパクトな低木で、半蔓性の種は長さ1~12mまでツルを伸ばし、他の植物などによじ登ったり、地面を覆うように広がって成長します。
ブーゲンビリアとして流通している品種は主に、イカダカズラの和名を持つブーゲンビリア・スペクラビリス(Bougainvillea spectabilis)、テリハイカダカズラの和名を持つブーゲンビリア・グラブラ(Bougainvillea glabra)、ペルーイカダカズラの和名を持つブーゲンビリア・ペルビアナ(Bougainvillea peruviana)の三種の原種から作出された改良品種、およびハイブリッド種です。
現在300種以上のブーゲンビリアが世界の熱帯から亜熱帯地域で広く栽培されていますが、数世代に渡って交配が繰り返されているため、その起源を特定することは困難になっています。
ブーゲンビリアの花期は4月~6月、9月~10月。
花期になると、伸びた枝やツルの葉腋から花序を出し、小さな花を咲かせます。
一つの花序には3個の花が付き、しばしば多数の花序が集まって円錐状の大きな花序になります。
3個の花は通常2個が先に開花し、1個が遅れて開花します。
▼ブーゲンビリアの花序の様子
花は基部が筒状で、先が浅く5~6裂した漏斗型です。
これは萼片が合着して筒状になったもので、同科のオシロイバナ同様ブーゲンビリアの花に花弁はありません。
筒の中には5~8個の雄しべと1個の雌しべが隠れています。
▼ブーゲンビリアの花の様子
花の下にあるのは苞葉が花弁状に変化したものです。
苞葉は卵形で、一つの花の下に一枚が付きます。
▼ブーゲンビリアの花と苞葉
苞葉の色は、赤、ピンク、オレンジ色、黄色、白、紫など、非常に多彩です。
▼オレンジ色の苞葉を持つブーゲンビリア
葉は互生し、長さ4~13㎝、幅2~6㎝の先の尖った卵形です。
▼ブーゲンビリアの葉の様子
葉に斑の入る品種もあります。
▼斑入りの葉を持つブーゲンビリア
低木から小高木、または半蔓性で、1~12mの高さ(長さ)に成長します。
枝には棘があります。
▼大きく成長したブーゲンビリア
熱帯原産の植物なので、冬場は室内での管理が基本になります。
※霜の心配のない暖地であれば戸外での冬越しが可能です。
冬場の温度管理さえ気を付ければ、それほど栽培難易度は高くなく、花と鮮やかな苞葉を楽しむことができます。
よく枝を伸ばすので、適宜剪定を行います。
ブーゲンビリアの原種
ブーゲンビリア・スペクラビリス(イカダカズラ:Bougainvillea spectabilis)
ブラジル原産のブーゲンビリアで、現在ペルー、ボリビア、アルゼンチンなどにも分布しています。
樹高5~12mに成長する低木、または小高木です。
花は1.6~2.4㎝の長さで、萼筒が緑色、先端部分が黄色をしており、全体に毛が密生しています。
萼筒の中には8個の雄しべと1個の雌しべがあります。
苞葉は長さ2.5~6.5㎝、幅1.5~4㎝の楕円状卵形で、暗い赤色~赤紫色をしています。
枝や葉に毛が密生します。
ブーゲンビリア・グラブラ(テリハイカダカズラ:Bougainvillea glabra)
ブラジル東部から中央部にかけて分布するブーゲンビリアです。
樹高3~4mの低木、または半蔓性で他の植物によじ登りながら7m以上に成長します。
花は約2㎝の長さで、萼筒は緑色を帯び、先端部分は白色~黄色となります。
萼筒の中には6~8個の雄しべと1個の雌しべがあります。
苞葉は長さ2.5~3㎝、幅2㎝の長円形~楕円形で、紫色~マゼンダ色をしています。
種小名のグラブラ(glabra)は、ラテン語で「無毛の」という意味で、枝が無毛、または毛がまばらに生えていることに由来しています。
ブーゲンビリア・ペルビアナ(ペルーイカダカズラ:Bougainvillea peruviana)
エクアドル、ボリビア、ペルーに分布するブーゲンビリアです。
常緑低木で、他の植物などによじ登りながら0.6~2mに成長します。
萼筒が黄色で、苞葉は小さな円形で、通常マゼンダ~ピンク色。
まれにローズピンク色~紫色になります。
ブーゲンビリアの育て方
栽培環境
霜の心配の無い暖地であれば、庭植えで育てることが出来ます。
庭植えの場合は、日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
PH5.5~6.0の弱酸性土壌を好みます。
アルカリ性の土壌ではうまく育たないので、注意して下さい。
暖地以外の地域では、通常鉢植えで育てます。
日当たりが良い場所を好むので、年間を通じて、よく日の当たる場所で管理して下さい。
冬越し
耐寒性はありません。
秋になって、気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込んで下さい。
室内ではできるだけ日当たりの良い場所に置き、3℃以上の気温で管理します。
冬越し中は乾燥気味に管理し、用土が乾いてからたっぷとり与えるようにして下さい。
水やり
春から初夏にかけては、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
夏場の成長期にはやや乾燥気味に管理します。
ブーゲンビリアは気温があれば、周年開花します。
花芽は新しく伸びた枝に形成されますが、この時期に乾かし気味に管理することで、花芽分化が促進されます。
これはブーゲンビリアが雨季と乾季がある熱帯原産の植物のためです。
一方で、花の咲いている時期に水切れをすると花が落ちてしまうので、開花時期には水切れに注意して管理します。
肥料
常に肥料が効いている状態だと、花芽が付きにくくなります。
肥料は開花時期から花後に施すようにして下さい。
庭植えの場合は、成長に特に問題がなければ肥料を施す必要はありません。
植え付け、植え替え
適期は春の4月~6月です。
植え付け
開花株を購入した場合は、根詰まりをしていることが多いので、様子を見て植え替えを行います。
二周りほど大きな鉢に、根鉢は崩さず新しい用土で植え付けて下さい。
用土は赤玉土7・腐葉土3などの水はけの良い配合土を使います。
植え替え
2~3年に一度、植替えを行って下さい。
根鉢を軽く崩して、一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。
剪定、切り戻し
適期は花後の6月~7月です。
開花後に枝が伸びます。
ブーゲンビリアの花は新しく伸びた枝に付くので、花が終わって伸びすぎた枝は切り詰めて下さい。
その後に出てきた枝を再び切り戻しをすると、枝数が増えます。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことが出来ます。
挿し木
適期は5月~6月です。
枝を2~3節の長さに切り取って挿し穂をします。
水揚げをしてから、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して、発根を待ちます。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。