- 学名…Coleostephus multicaulis (Desf.) Durieu
Synonym:Chrysanthemum multicaule Desf. - 和名…キバナヒナギク(黄花雛菊)
- 別名…コレオステフス・ムルティカウリス、クリサンセマム・ムルチコーレ
- 科名…キク科
- 属名…コレオステフス属
- 原産国…アルジェリア
- 花色…黄色
- 草丈…15㎝~30㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 11
ムルチコーレとは
ムルチコーレは、アルジェリア原産のキク科コレオステフス属の一年草です。
コレオステフス属は3種の植物から成る小さな属で、その全てがヨーロッパ、北アフリカに及ぶ地中海沿岸地域に分布しています。
ムルチコーレはその内の一種で、1962年にサカタのタネによって紹介されました。
以前はキク属(クリサンセマム属)に分類されていたため、「クリサンセマム・ムルチコーレ」の名前で広く知られています。
ムルチコーレの花期は3月~5月。
花期になると、分枝した茎の葉の付け根から花茎を伸ばし、鮮やかな黄色の頭花(とうか)を咲かせます。
頭花とは、主にキク科の植物に見られる花序の形で、頭状花(とうじょうか)とも呼ばれます。
一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ぜつじょうか)と、中心部分の小さな管状花(かんじょうか)から作られた集合花です。
▼ムルチコーレの頭花
ムルチコーレの頭花は直径2~3㎝程度の大きさです。
▼ムルチコーレの舌状花と管状花
舌状花が淡い黄色になる品種もあります。
葉はロゼット状に広がり、互生し、やや肉厚のへら形で縁に少数の鋸歯があります。
▼ムルチコーレの葉の様子
茎はやや匍匐しながら多数分枝して花を咲かせ、草丈15~30㎝程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるムルチコーレ
移植に弱い性質で、苗の流通はあまりありません。
種をまいて育てます。
通常は秋にまいて春に花を楽しむ秋蒔き一年草ですが、かつて同属の近縁種であったノースポールに比べると耐寒性に劣るため、暖地以外の地域では霜よけなどの対策が必要です。
ムルチコーレの属(コレオステフス属)
ムルチコーレはかつてキク科キク属(クリサンセマム属)に分類されたいました。
キク属は200を超える種が属する大きな属でしたが、細分類され、10以上の属に分かれました。
その中の一つがフランスギク属(レウカンセマム属)で、ムルチコーレもかつてはフランスギク属に分類されていました。
その後、フランスギク属から分離し、現在のコレオステフス属になりました。
その名残で現在もキク属やフランスギク属として扱われていることもあります。
旧分類のフランスギク属の仲間ではシャスターデージー、ノースポールなどがよく栽培されています。
※ノースポールは現在マウランセマム属に分離されています。
ムルチコーレの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
日当たりが悪い場所では生育、花付き共に悪くなるので、よく日の当たる場所で育てて下さい。
冬越し
耐寒温度は-10℃程度ですが、強い霜に当たると苗が傷みます。
霜の避けられる場所で育てるか、霜よけを設置して下さい。
寒冷地では春蒔きにして初夏に花を楽しみます。
水やり
やや乾燥気味の環境を好みます。
庭植えの場合は、根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをして下さい。
肥料
庭植え、鉢植え共に、植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施して置きます。
暖かくなって来たら、緩効性化成肥料、または液体肥料を追肥として施します。
窒素分が多い肥料を施すと徒長して花付きが悪くなるので、注意して下さい。
種まき
暖地、温暖地の場合は、秋の9月中旬~10月頃、寒冷地の場合は3月下旬~5月初旬頃に種をまきます。
発芽温度が15~20℃とやや低めなので、秋まきの場合は涼しくなってから種を蒔いて下さい。
種は播種箱、またはポットにまき、種が隠れる程度に軽く覆土します。
発芽までは乾かさないように管理します。
播種箱に蒔いた場合は、本葉が3~4枚程度になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回ったら定植します。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで水はけの良い土を作って下さい。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
株間は20㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土6・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
60㎝プランターに3株が目安です。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことができます。
種の採取
ムルチコーレの種は花の中心の部分にあります。
天気のいい日を選んで花がらを摘み取り、新聞紙などの上で数日間乾燥させて下さい。
乾燥させたら種を揉み出して採取して下さい。
採取した種は封筒などに入れて冷暗所で保管します。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
アブラムシが発生することがあります。
見つけ次第駆除して下さい。