Veronica umbrosa ‘Oxford Blue’(‘Georgia Blue’)
別名…ベロニカ・ジョージアブルー、ベロニカ・ペドゥンクラリス、ジョージアブルー・スピードウェル
科名…オオバコ科
属名…クワガタソウ属(ベロニカ属)
原産国…ヨーロッパ
花色…青
草丈…5㎝~20㎝
日照…日なた~半日蔭
難易度…
USDA Hardiness Zone:6 to 9
ベロニカ・オックスフォードブルーとは
ベロニカ・オックスフォードブルーは、オオバコ科クワガタソウ属(ベロニカ属)の多年草です。
ベロニカ・オックスフォードブルーが属するクワガタソウ属は、アジア、ヨーロッパを中心に約250種が分布しており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。
ベロニカ・オックスフォードブルーは、その中のベロニカ・ペドゥンクラリス種(Veronica peduncularis)から作出された園芸品種です。
ペドゥンクラリス種は、南東ロシア、南ウクライナ、コーカサス地方、西アジアに分布する常緑性の多年草です。
日本では流通していませんが、欧米やヨーロッパなどでは、原種の方もロックガーデンや花壇のグランドカバーなどとして利用されることがあります。
ベロニカ・オックスフォードブルーの花期は3月~6月。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から短い花序を出し、花径1㎝前後の小さな花を咲かせます。
花は4枚の花弁を持つように見えますが、これは花冠が深い切れ込みを持っているためで、基部で一つに繋がっています。
花冠は品種名の由来にもなっている深い青色で、基部は白くなり、中心には2本の雄しべと1本の雌しべがあります。
▼ベロニカ・オックスフォードブルーの花の様子
花は同属の近縁種であるオオイヌノフグリに酷似しており、オックスフォードブルーの方がやや花径が大きく花色が濃いという違いがある位です。
花は受粉をするとすぐにポロリと落ちますが、花期の間、次々と開花します。
夏の間も返り咲くことがあります。
▼ベロニカ・オックスフォードブルーの花序の様子
葉は対生し、卵形~楕円形で縁に鋸歯があります。
葉は常緑性で、冬になると美しい銅葉になります。
▼ベロニカ・オックスフォードブルーの葉の様子
茎はよく分枝して地面を這うように広がり、草丈5~20㎝程度に成長します。
ほふくして横に広がるため、グランドカバーとしてよく利用されています。
また、茎が枝垂れるため、ハンギングバスケットにも向いています。
▼ベロニカ・オックスフォードブルーの草姿
耐寒性が高く、育てやすい植物です。
高温多湿な環境がやや苦手な性質ですが、適した環境で育てれば、放任でもよく広がり、よく花を咲かせます。
成長はやや遅く、爆発的に広がることはありません。
オックスフォードブルーの名前の由来
「オックスフォードブルー」の名前はイギリスのオックスフォード大学のスクールカラーに由来しています。
花色が濃青のスクールカラーに似ていることから名付けられたようです。
「ジョージアブルー」とも呼ばれますが、この名前は、本種であるペドゥンクラリス種(V.peduncularis)が、南コーカサス地方にあるジョージア国(グルジア国)の辺りに分布していることに由来しています。
クワガタソウ属とルリトラノオ属
クワガタソウ属の中で密生した穂状の花序を付けるものをルリトラノオ属として分離する説もあります。
その分類に従うと、青い花穂を立ち上げるベロニカ・ロンギフォリアなどはルリトラノオ属、オックスフォードブルーはクワガタソウ属ということになります。
ベロニカ・オックスフォードブルーの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境が適しています。
明るい半日蔭でも育ちます。
真夏の直射日光を嫌うので、暖地で庭植えの場合は、午後から日陰になるような半日蔭の場所に植えて下さい。
冬越し、夏越し
冬越し
寒さには強い性質です。
特に対策の必要はありません。
霜や雪で葉や茎が枯れることがありますが、根が生きていれば春にまた芽吹きます。
土まで凍るような寒冷地の場合は、凍結対策を施して下さい。
冬越し中の株はやや乾燥気味に管理します。
夏越し
高温多湿な環境がやや苦手な性質です。
花が一段落したら、草丈の1/2程度の高さでバッサリと切り戻し、株が蒸れるのを予防して下さい。
鉢植えの場合は、午後から日陰になるような場所に移動して、強い西日から株を守ります。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植え、鉢植え共に、春と秋に、緩効性化成肥料を株元に置き肥します。
植え付け、植え替え
適期は3月~4月、9月下旬~11月上旬です。
植え付け
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
株間は30~40㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
植え替え
生育旺盛で根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合は1年に一度、植え替えを行います。
根鉢を1/3程度崩して、一回り大きな鉢に植えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合は、株が込み合って生育が悪くなるようなら、株分けを兼ねて植え替えを行います。
切り戻し、剪定
花が一段落した初夏に、草丈の1/2程度の高さでバッサリと切り戻して下さい。
多湿な環境がやや苦手なため、株を蒸れから守ります。
冬越しした古い茎には花があまり付かないので、不要な場合は花期に花の咲いていない部分をカットします。
切り戻した茎は、挿し芽に利用できます。
増やし方(株分け、挿し芽)
株分けと挿し芽で増やすことが出来ます。
株分け
適期は3月~4月、9月下旬~11月上旬です。
植え替え時に掘り上げた株を分けて、植え付けて下さい。
挿し芽
適期は5月~6月、9月~10月です。
切り戻した茎も挿し穂に利用できます。
茎を2~3節程度の長さに切り、挿し穂にします。
花が付いている場合は取り除き、下の節の葉も取り除きます。
水揚げをしたら挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
病気・害虫
アブラムシ
生育中はアブラムシが発生しやすくなります。
見つけ次第、駆除して下さい。