育て方のポイント
ハナトラノオの育て方早見表
ハナトラノオは、夏から秋にピンクや白の花穂を咲かせる丈夫な多年草です。 日当たりのよい場所で花付きがよく、耐寒性・耐暑性にも優れています。 地下茎でよく広がるため、増えすぎた場合は株分けや間引きで整理します。
- 分類
- 多年草・宿根草
- 開花期
- 8月~10月
- 花色
- ピンク、白
- 草丈
- 40cm~120cm。花壇の中段~後方に向く
- 日照
- 日なた。半日陰でも育つが花付きは少なくなる
- 適した場所
- 日当たりと水はけがよく、広がれるスペースがある場所
- 水やり
- 庭植えはほぼ降雨のみ。夏の乾燥が続く場合は水やりをする
- 肥料
- 控えめでよい。多肥では草丈が高くなり倒れやすい
- 植え付け
- 3月~4月、10月
- 植え替え
- 鉢植えは毎年を目安に植え替える
- 冬越し
- 耐寒性が高い。冬は地上部が枯れ、春に再び芽吹く
- 増やし方
- 株分け。地下茎を3芽程度ずつ切り分ける
- 注意点
- 地下茎でよく増えるため、広がりすぎに注意
- 病害虫
- ほとんど発生しない
育て方のコツ: ハナトラノオは丈夫で放任でもよく咲きますが、地下茎で横へ広がります。 狭い花壇では周囲の植物の場所まで入り込むことがあるため、春か秋に株分けして整理します。 肥料を与えすぎると草丈が高くなり倒れやすいため、施肥は控えめにします。
ハナトラノオの基本情報
- 学名…Physostegia virginiana (L.) Benth.
- 和名…ハナトラノオ(花虎の尾)
- 別名…カクトラノオ(角虎の尾)
- 科名…シソ科
- 属名…ハナトラノオ属
- 原産国…北アメリカ
- 花色…ピンク、白
- 草丈…30cm~120cm
- 日照…日なた
- 難易度…

- USDA Hardiness Zone:3 to 9
ハナトラノオとは

ハナトラノオは、北アメリカ原産のシソ科ハナトラノオ属の多年草です。
自生地はカナダからアメリカ、メキシコ北東部までの広範囲に渡り、草原や河川敷、道端や線路脇など、開けた日当たりの良い場所で普通に見られる野草です。
ハナトラノオ属は北アメリカを中心に分布する植物群で、観賞用としては本種とその園芸品種が広く栽培されています。
日本には大正時代に渡来し、丈夫な性質で育てやすいことから、夏を彩る定番の花として広く普及しています。
繁殖力旺盛で、民家周辺で野生化しているものもよく見られます。
ハナトラノオの花期は8月~10月。
花期になると、茎の頂部および最上部の葉腋に花序を出し、多数の花を咲かせます。
花序は穂状で長さ25cm以下、花は下から上へと咲き進みます。
▼ハナトラノオの花序

茎の断面が四角形であるため、花も四方に規則正しく並びます。
別名の「カクトラノオ」は、この四角い茎の形に由来しています。
「トラノオ」とは長い花穂を虎の尾に見立てたものです。
▼ハナトラノオの花序

花は長さ2~3cm程度の唇形花(しんけいか)です。
※唇形花(しんけいか)…シソ科の植物に多く見られる花の形です。
筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれており、この様子を口に見立て、上部を上唇(じょうしん)、下部を下唇(かしん)と呼びます。
ハナトラノオの唇形花は、上唇はほぼ平ら、下唇は3裂しています。
下唇は中央の裂片が大きく、濃色の斑点があります。
▼ハナトラノオの花

雄しべは4個は上唇に沿い、雌しべは1個。
雌しべの柱頭は2裂しています。
▼ハナトラノオの雄しべと雌しべ


花色はピンクの他、白。
▼白い花を咲かせるハナトラノオ

果実は4分果で、分果は長さ2.5mmの3稜形です。
※4分果…1つの子房が成熟すると4個の小さな分果に分かれる果実です。
▼ハナトラノオの果実

葉は十字対生し、披針形~長楕円形で縁に鋸歯があります。
▼ハナトラノオの葉の様子

茎は直立し、無毛で断面は四角形です。
▼ハナトラノオの茎の様子

花を咲かせながら草丈40~120cm程度に成長します。
▼たくさんの花を咲かせるハナトラノオ

耐寒性、耐暑性に優れ、日本の気候によく合った植物です。
冬は地上部を枯らし、小さな芽を出して冬越しします。
放任でもよく花を咲かせ、地下茎で横に広がってよく増えます。
ハナトラノオの英名は「オベディエント・プラント」
ハナトラノオは英語で「Obedient plant(従順な植物)」と呼ばれます。
花を左右に軽く押すと、動かした向きにしばらく留まる性質があることに由来する名前です。
ハナトラノオの育て方

栽培環境
日当たりが良ければあまり場所を選びません。
半日陰でも育ちますが、花つきが悪くなります。
たくさんの花を楽しむためには、よく日の当たる場所で育ててください。
地下茎でどんどん横に広がっていき、草丈も高くなります。
庭植えの場合はある程度のスペースが必要です。
ハナトラノオが増えすぎる場合
ハナトラノオは地下茎を伸ばして横へ広がり、環境が合うと大きな群落になります。 丈夫で育てやすい反面、狭い花壇では周囲の植物の場所まで入り込むことがあります。
増えすぎた場合は、3月~4月または10月に株を掘り上げ、 不要な地下茎を取り除いて株分けします。
広がりすぎるのが心配な場所では、 あらかじめ十分なスペースを確保するか、鉢植えで管理すると扱いやすくなります。
冬越し
耐寒性は高く、防寒の必要はありません。
秋になって朝晩が冷え込むようになると地上部が枯れるので、株元で切り取ってください。
根元から新芽が伸びて来て冬を越します。
春になるとこの芽が大きくなり、夏にはまた花を咲かせます。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫ですが、夏場に乾燥が長く続くようなら水やりをしてください。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
やや乾燥に弱い性質なので、夏場の水切れには注意してください。
肥料
あまり肥料をやりすぎると、草丈が高くなり倒れやすくなります。
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。
追肥は、春と花後に緩効性化成肥料を株元に置き肥してください。
鉢植えの場合も同様です。
ハナトラノオが倒れる場合
ハナトラノオは草丈が高くなるため、肥料を多く与えたり、 日照不足で茎が間延びしたりすると倒れやすくなります。
日当たりのよい場所で育て、肥料は控えめにします。 風の強い場所や高性の株では、必要に応じて支柱を立てます。
株が密集している場合も茎が細くなりやすいため、 春か秋に株分けして風通しを確保します。
植え付け、植え替え
適期は3月~4月、10月です。
植え付け
庭植えの場合は、水はけの悪い場所では、腐葉土や軽石などを加えて土壌を改良します。
さらに元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込んでください。
株間は20~30cm程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え替え
鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすいので、毎年植え替えを行ってください。
根鉢を崩して一回り大きな鉢に新しい用土で植え替えるか、株分けを行います。
庭植えの場合は、混み合って生育が悪くなるようなら、株分けを兼ねて植え替えを行ってください。
増やし方(株分け)
株分けで増やすことができます。
株分け
適期は3月~4月、10月です。
地下茎を掘り上げて、3芽くらいを一株として切り分けてください。
病気、害虫
病害虫の発生はほとんどありません。
よくある質問
ハナトラノオのよくある質問
ハナトラノオを育てるときによくある疑問をまとめました。 増えすぎる場合の管理、倒れる原因、花が咲かない原因、冬越しなどを確認しておきましょう。
ハナトラノオは増えすぎますか?
ハナトラノオは地下茎で横へ広がり、環境が合うとよく増えます。 広がりすぎた場合は、3月~4月または10月に株を掘り上げ、 不要な地下茎を取り除いて株分けします。 狭い花壇では、周囲の植物との間隔を十分に確保しておくと管理しやすくなります。
ハナトラノオが倒れる原因は?
肥料の与えすぎや日照不足で茎が徒長すると、倒れやすくなります。 日当たりのよい場所で育て、肥料は控えめにします。 草丈の高い株は、必要に応じて支柱を立てると安心です。
ハナトラノオの花が咲かない原因は?
花が咲かない場合は、日照不足、肥料の与えすぎ、株の混み合いなどが原因として考えられます。 半日陰でも育ちますが、花を多く楽しむには日当たりのよい場所で育てます。 株が密集している場合は、春か秋に株分けして整理します。
ハナトラノオは冬になると枯れますか?
冬になると地上部は枯れますが、株自体が枯れたわけではありません。 地下部で冬越しし、株元に小さな芽を作ります。 春になると新しい芽が伸び、夏から秋に再び花を咲かせます。
ハナトラノオは半日陰でも育ちますか?
半日陰でも育ちますが、日照不足では花数が少なくなります。 できるだけ日当たりのよい場所を選ぶと、花穂がよく育ちます。
ハナトラノオは鉢植えでも育てられますか?
鉢植えでも育てられます。 地下茎と根がよく伸びるため根詰まりしやすく、毎年を目安に植え替えます。 株が大きくなった場合は、植え替え時に株分けして整理します。
ハナトラノオはどうやって増やしますか?
株分けで簡単に増やせます。 3月~4月または10月に地下茎を掘り上げ、 3芽程度を一株の目安として切り分けて植え付けます。