和名…ベニカノコソウ(紅鹿子草)
別名…レッド・バレリアン
科名…オミナエシ科
属名…セントランサス属(ベニカノコソウ属)
原産国…地中海沿岸
花色…ピンク、白、赤
草丈…50㎝~80㎝
日照…日なた
難易度…
USDA Hardiness Zone:5 to 8
セントランサスとは
セントランサスの仲間は、南ヨーロッパに約12種が分布するオミナエシ科の植物です。
主に栽培されるのは、ベニカノコソウの和名を持つセントランサス・ルベル種(Centranthus ruber)です。
ルベル種は、地中海沿岸地域に分布する多年草で、美しい花を咲かせることから世界の広い地域で栽培されています。
現在では栽培を逸出したものがヨーロッパの他、アメリカ、ハワイ、オーストラリアなどでも帰化植物として定着しています。
アルカリ性の土壌に強く、分布域では道路沿いや都市部の空き地などで普通に目にすることが出来る植物です。
若葉と根は食用となり、料理の添え物やスープの具材としても利用されますが、ハーブとしての薬効はあまり無いようです。
日本へは明治時代中期に渡来しています。
セントランサスの花期は5月~7月。
花期になると、伸びた茎の上部から散房花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花は花径5㎜程度で、花冠は5裂し、付け根には距(キョ)と呼ばれる長い筒が伸びています。
小さな花が密生した花序は美しく、初夏の花壇を彩ります。
花色はピンク、赤、白。
白花は頂部まで咲き進む前に、下部の花が茶色く変色するのであまりお勧めではありません。
▼セントランサスの花
葉は披針形で対生し、茎は株元から多数伸びて半球状にまとまります。
草丈50~80㎝程度に成長します。
乾燥に強く、丈夫で育てやすい植物で、こぼれ種でも発芽します。
花の最盛期は初夏ですが、8月頃までぽろぽろと咲きます。
高温多湿の環境がやや苦手です。
暖地、温暖地では株元の葉を残して越冬しますが、寒さの厳しい地域では地上部が枯れて春に再び芽吹きます。
セントランサスの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日陰程度の日照でも育ちますが、花付きが悪くなります。
乾燥した環境を好むので、風通しも良いと最適です。
弱アルカリ性の土壌を好みます。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜて土壌を弱アルカリ性にしておいて下さい。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-10℃程度です。
関東以西の地域であれば、そのまま戸外で冬越し可能です。
根まで凍るような寒冷地の場合は、株元に敷き藁を敷くなどして防寒対策を施して下さい。
鉢植えの場合は、凍結の心配のない場所で管理して下さい。
夏越し
高温多湿の環境がやや苦手ですが、風通しの良い場所で育てれば問題ありません。
鉢植えの場合は、暑さの厳しい時期だけ半日陰の場所に移動しても良いです。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
冬越し中の株は乾燥気味に管理します。
肥料
庭植え、鉢植えともに、春と秋に少量の緩効性化成肥料を株元に施します。
肥料が多いと草丈が高くなって草姿が乱れます。
乾燥気味のやせ地でよく育つ植物なので、肥料は少なめを心がけて下さい。
植え付け、植え替え
適期は春の3月~4月、秋の10月~11月です。
植え付け
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで土壌を弱アルカリ性にしておきます。
さらに腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
株間は30㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)5・腐葉土3・パーライト2などの配合土を使います。
植え替え
鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行って下さい。
庭植えの場合も、3年ほど経って株が混み合って来たら、株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。
花茎切り、切り戻し
花が終わった花茎は、脇芽が出ている位置で切り戻します。
時期が早ければ、脇芽が伸びて再び花を咲かせます。
秋になり朝晩が冷え込むようになったら、株元の葉を残して切り戻して下さい。
増やし方(株分け、種まき)
株分けと種まきで増やすことが出来ます。
株分け
適期は植え替え時の3月~4月、10月~11月です。
掘り上げた株を分けて、植え付けて下さい。
種まき
適期は9月下旬~10月です。
寒冷地の場合は、春の4月~5月頃にまいて下さい。
発芽温度は15℃~20℃です。
種は播種箱にまき、覆土は5㎜程度。
発芽までには2~4週間程度かかります。
本葉が4~6枚程度になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回ったら、花壇や鉢に定植します。
秋まきで苗が小さい場合は、霜よけを設置すると安心です。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。