- 学名…Anagallis L.
- 科名…サクラソウ科
- 属名…ルリハコベ属
- 原産国…世界の温帯、亜熱帯
- 花色…青、オレンジ、ピンク
- 草丈…20㎝~30㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8 to 10
アナガリスとは

アナガリスは、サクラソウ科ルリハコベ属の多年草、または一年草です。
ルリハコベ属には約20種の植物が分類されており、花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されています。
主に栽培されるのはアナガリス・モネリー(Anagallis monellii)で、他にもアカバナルリハコベ(Anagallis arvensis)、アナガリス・テネラ(Anagallis tenella)などが栽培されています。
アナガリス・モネリーは多年草、その他は一年草です。
日本にはルリハコベが、紀伊半島、四国、九州などに分布しています。
ルリハコベはヨーロッパ原産のアナガリスですが、世界の温帯地域に広く帰化状態にあり、日本でも古い時代に渡来し、帰化したものではないかと考えられます。
※かつてはアカバナルリハコベの変種とされていましたが、現在では同種として扱うのが一般的となっています。
高温多湿に弱く、暖地では多年草タイプでも夏に枯れることが多いので、秋に種をまいて春に花を楽しむ秋まき一年草として扱うのが一般的です。
アナガリスの花期は4月~5月。
多年草タイプの品種は、夏を越せば秋の9月~10月にも開花します。
花期になると、分枝した茎の頂部に直径2㎝ほどの花を咲かせます。
▼アナガリスの花

花弁は4~5個あり、倒卵形~長楕円形で基部に赤紫色~ピンク色が入ります。
雄しべは4~5個あり、葯は鮮やかな黄色。
花糸には細かな毛が生えています。
雌しべは1個、柱頭は丸くなっています。
▼アナガリスの雄しべと雌しべ

花は花期の間次々と開花します。
花色は青、オレンジ、ピンク。
特に青花は鮮やかな瑠璃色で美しく、アナガリスの代名詞とも言える花色です。
▼オレンジ色の花のアナガリス

葉は対生、または輪生し、円形~卵形~披針形です。
立ち性の品種や、這い性の品種が流通しています。
▼アナガリス・モネリーの葉の様子

暖地では夏越しの難しい植物で、秋まき一年草として扱います。
ある程度の耐寒性はありますが、霜よけを設置した方が安心です。
環境が合えば、こぼれ種でも発芽します。
※アナガリスはオカトラノオ属(Lysimachia)に分類されることもあります。
アナガリスの育て方

栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
高温多湿の環境が苦手なため、暖地で夏越しを考えている場合は、鉢植えで育てた方が管理がしやすくなります。
冬越し、夏越し
冬越し
耐寒温度は-5℃程度です。
霜に何度も当たると株が傷むので、霜よけを設置して冬越しさせた方が安全です。
夏越し
多年草タイプのアナガリスは夏を越せば秋に再び開花します。
花が一段落したら、草丈の1/2程度の高さに切り戻して下さい。
鉢植えの場合は、梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動します。
出来るだけ涼しく風通しの良い場所で管理すると、夏越しすることがあります。
暖地の場合はそれでも夏越しの難しい植物ですが、夏を越せば秋に再び花を咲かせます。
水やり
乾燥気味の環境を好みます。
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
やせ地でも育つ植物で、多くの肥料は必要としません。
庭植えの場合は、元肥として堆肥などを少な目に用土に混ぜ込んでおきます。
追肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、元肥の他、開花中に液体肥料を施します。
植え付け
酸性土壌を嫌います。
庭植えの場合は、あらかじめ用土に苦土石灰を混ぜ込んで土壌を中和しておいて下さい。
水はけが悪いようなら腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作り、さらに元肥として堆肥を少な目に混ぜ込んで下さい。
株間は20㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの配合土を使います。
切り戻し
多年草タイプのアナガリスは、花が一段落したら草丈の1/2程度の高さでバッサリと切り戻します。
うまく夏を越えれば秋に再び開花します。
種まき
適期は9月中旬~10月中旬です。
寒冷地の場合は春の3月~4月に種をまきます。
発芽温度は15℃~20℃程度です。
種は播種箱やポットにまき、覆土は種が隠れる程度に軽く2㎜ほど。
発芽後、播種箱にまいた場合は、本葉が3~4枚程度になったらポット上げして下さい。
ポットに根が回ったら定植します。
鉢植えの場合は、霜の当たらない暖か場所で、庭植えの場合は霜よけを設置して冬越しをさせて下さい。
※苗の時に摘心をすると、こんもりと茂って花数も増えます。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことができます。
花後に種ができるので採取しておき、秋にまいて下さい。
環境が合っていればこぼれ種でも増えます。
種まきについては上記「種まき」の項目を参照下さい。
病気・害虫
アブラムシが発生することがあります。
発生した場合は、薬剤などで駆除して下さい。