- 学名…Tulbaghia
- 和名…ルリフタモジ(瑠璃二文字)
- 別名…ソサエティ・ガーリック、ツルバキア
- 科名…ネギ科
- 属名…ツルバギア属
- 原産国…南アフリカ
- 花色…紫、白、ピンク
- 草丈…30㎝~60㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:7 to 10
ツルバギアとは
ツルバギアは、アフリカ南部に約24種が分布するネギ科ツルバギア属の多年草です。
ツルバギアの名前は、18世紀にケープ州の喜望岬の総督であったツルバグ(Tulbagh)の名前に由来しています。
これはツルバギア属の植物の多くが南アフリカ・ケープ州に分布しているためです。
花の美しい幾つかの種が観賞用として栽培されますが、日本で流通しているのは主に二種のツルバギアです。
四季咲き性が強く花期の長いツルバギア・ビオラセア(Tulbaghia violacea)と、甘い芳香があるフツルバギア・フラグランス(Tulbaghia simmleri)です。
どちらの種もアガパンサスを小さくしたような草姿で、愛らしい花を咲かせます。
花期はフラグランスが3月~5月、ビオラセアが5月~9月。
花期になると、花茎を長く伸ばして花序を出し、多数の花を咲かせます。
花茎は20~50㎝、花序は散形花序で、一つの花序には15~20個の花が付きます。
▼ツルバギアの花序
花は基部が筒状、先端が6裂した星形です。
▼ツルバギアの花
裂片の基部には小さな副花冠(ふくかかん)が付いています。
※副花冠(ふくかかん)…花被や花冠の内側にある弁状、または花冠状の付属物。スイセンなどに見られる。
▼ツルバギアの副花冠
花色は紫、白、ピンク。
葉は30~40㎝程度の紐状で、株元で茂ります。
葉茎は傷つけるとニンニクのような匂いがします。
▼ツルバギア葉
耐寒性があり、丈夫な性質です。
病害虫の発生もほとんど無く、数年間は植えっぱなしでもよく花を咲かせます。
冬に地上部は枯れて、球根の状態で冬越しします。
球根植物ですがポット苗で流通していることもあります。
ツルバギアの主な品種
ツルバギア・ビオラセア(Tulbaghia violacea)
南アフリカ・リンポポ州から東ケープ州、ジンバブエに分布するツルバギアで、ルリフタモジの和名を持ちます。
花期は5月~9月。
花径2㎝程度の花を、長い花期の間、ポロポロと咲かせ続けます。
副花冠は筒状にならず、3つの鱗片状になるのが特徴です。
葉は幅0.5~0.8㎝程度と細く、株元で茂ります。
基本種の紫の他、白やピンクの花を咲かせる品種もあります。
ツルバギア・シルバーレース(Tulbaghia violacea ‘Silver Lace’)
ビオラセア種の斑入り品種です。
花色は紫。
葉に白い覆輪が入り、花の時期以外にもカラーリーフとしての観賞価値があります。
ツルバギア・フラグランス(Tulbaghia simmleri)
南アフリカ・リンポポ州とムプマランガ州の一部の地域に分布するツルバギアで、南アフリカ固有種です。
標高960~1120mの山林の開けた場所に自生しています。
花期は3月~5月。
暖かい地方では1月頃から咲き始める春咲き品種です。
花は花径1.5㎝程度、副花冠は筒状で先が6裂しています。
花には甘い芳香があります。
花色はピンク、白など。
葉は幅2~3㎝程度でビオラセアより幅があります。
ツルバギアの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
半日蔭でも育ちますが、日照時間が短いと徒長して花付きも悪くなります。
少なくとも半日程度は日の当たる場所で育てて下さい。
乾燥にも強く、やせ地でも元気に育ちます。
夏越し・冬越し
夏越し
耐暑性は高く、特に対策の必要はありません。
冬越し
耐寒温度は-5℃程度です。
寒さで地上部は枯れますが、春に再び芽吹きます。
球根が凍らなければそのまま庭で冬越し可能ですが、土が凍るようであれば、盛り土をしたり腐葉土などでマルチングして凍結対策をして下さい。
寒冷地の場合は、鉢植えにして室内に取り込んで冬越しをさせます。
水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと。
肥料
肥料はそれほど必要ではありません。
庭植え、鉢植え共に、春と秋に緩効性肥料を置き肥する程度で十分です。
植え付け・植え替え
適期は4月~5月、9月~10月です。
植え付け
フラグランスはアルカリ性~中性の土壌を好みます。
土壌が酸性の場合には、用土に苦土石灰を混ぜて土壌を中和しておいて下さい。
※ビオラセア種は酸性~中性~アルカリ性の土壌で育ちます。
庭植えの場合は、用土に腐葉土を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
深植えを嫌うので、球根が半分程度埋まるくらいの深さで植え付けて下さい。
株間は10㎝程度です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7・腐葉土3などの一般的な配合土を使います。
球根が半分程度埋まる深さに植え付け、6号鉢に5~6球が目安です。
植え替え
庭植えの場合は数年は植えっ放しで大丈夫です。
鉢植えの場合は、株が込み合って生育が悪くなるようなら分球を兼ねて植え替えを行って下さい。
花茎切り
花が咲き終わった花茎は、根元から切り取ります。
増やし方(株分け)
株分けで簡単に増やすことが出来ます。
株分け
適期は4月~5月、9月~10月です。
掘り上げた株を、数芽を1塊として株分けして植え付けて下さい。
病気・害虫
病害虫の発生はほとんどありません。