Synonyms…Papaver somniferum subsp. setigerum、Papaver somniferum var. setigerum
和名…アツミゲシ(渥美罌粟)
別名…パパヴェル・セティゲルム
科名…ケシ科
属名…ケシ属
原産国…南西ヨーロッパ、北アフリカ
花色…ピンク
草丈…30㎝~80㎝
日照…日なた
USDA Hardiness Zone:Not Applicable
アツミゲシとは
アツミゲシは、ヨーロッパ南西部、北アフリカに分布するケシ科ケシ属の一年草です。
分布域は海抜600m以下の場所にあり、牧草地や畑、道端や空き地などに自生地しています。
モルヒネなどのアルカロイドを未熟果に含むため、あへん法で栽培が禁止されているケシの一種です。
アツミゲシの名前は、1964年に愛知県の渥美半島で、本種の帰化が初めて確認されたことに因みます。
以来、発見されたアツミゲシは速やかに駆除されていますが、全国各地に広がっているのが現状です。
禁止されているケシと知らずに栽培してしまう例もあり、注意が必要です。
アツミゲシの花期は5月~6月。
花期になると、茎の頂部に花径6㎝程度の花を咲かせます。
花は光沢のある薄い4枚の花弁を持ち、花弁の基部にはしばしば暗紫色の斑紋が入っています。
※5枚花弁になることもあります。
▼アツミゲシの花の様子
▼5枚花弁のアツミゲシ
中心には多数の雄しべに囲まれた雌しべがあります。
雌しべの子房は特徴的な円筒形で、頂部には5~9本の筋が放射状に入ります。
▼アツミゲシの雌しべと雄しべ
花後にできる果実は長さ1.5~3㎝の長球形で、果実の中には数千個にも及ぶ微細な種子が詰まっています。
▼アツミゲシの果実
葉は互生し、長楕円形~披針形でしばしば切れ込みがあり、縁に不規則な鋸歯があります。
葉は葉柄を持たず、基部が茎を抱いているのが特徴です。
▼アツミゲシの葉の様子
上部の茎や葉裏の葉脈には長さ3mm程度の剛毛が生えています。
▼アツミゲシの茎に生えた剛毛
茎はまばらに分枝しながら草丈30~80㎝程度に成長します。
▼アツミゲシの草姿
花後には多数の種を残して株は枯れます。
種は秋に発芽し、放射状に葉を広げて冬を越し、春に再び花を咲かせます。