- 学名…Cleyera japonica Thunb.
- 和名…サカキ(榊)
- 別名…ホンサカキ、マサカキ
- 科名…モッコク科
- 属名…サカキ属
- 原産国…日本、中国、台湾
- 花色…白色
- 樹高…2m~10m
- 日照…半日蔭~日陰
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:8b to 9
サカキとは
サカキは、日本、中国、台湾に分布するモッコク科サカキ属の常緑高木です。
日本では、本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄に分布しており、山地の照葉樹林の中に自生しています。
神事や仏事に利用される他、斑入り品種などが庭木としても植栽されます。
サカキの花期は6月~7月。
花期になると、伸びた側枝の基部の葉腋に、白い花を咲かせます。
葉腋には1~4個が下向きに束生します。
花は径1.5㎝程度の大きさの5弁花です。
▼サカキの花の様子
雄しべは25~30個、雌しべは1個。
雌しべの柱頭は2裂しています。
▼サカキの花の雄しべと雌しべ
花は咲き進むと黄色を帯びていきます。
▼咲き進んだサカキの花
果実は7~8㎜の球形の液果で、晩秋に黒紫色に熟します。
中の種子は径2㎜程度の大きさで、黒く、光沢があります。
▼サカキの果実
葉は互生し、長さ5~10㎝、幅2.5~4㎝の長楕円状披針形です。
革質で表面に光沢があり、通常は全縁です。
葉柄は0.5~1㎝。
▼サカキの葉
樹皮は暗赤褐色で、小さな皮目があります。
樹高2~10mに成長します。
▼サカキの樹皮
丈夫な性質で、育てやすい樹木です。
ある程度の耐陰性があるので、日陰の庭でも育てることが出来ます。
アメリカ農水省による耐寒温度の分類では-20℃前後となっていますが、日本の自生地を見るとそれほど耐寒性があるようには思えません。
栽培は関東以西の地域の方が無難です。
サカキの主な品種
フクリンサカキ(Cleyera japonica ‘Tricolor’)
葉の縁に白い斑が入る品種です。
基本種よりやや成長が遅くなっています。
モッコク科の樹木
モッコク科の植物では、本種の他、ヒサカキ、ハマヒサカキなどが栽培されます。
ヒサカキはサカキ同様に神事や仏事に利用されます。
サカキの葉には鋸歯が無いのに対し、ヒサカキの葉には鋸歯があるので簡単に見分けが付きます。
ハマヒサカキはヒサカキの近縁種で、海岸に多く自生しており、葉が丸いのが特徴です。
サカキの育て方
栽培環境
自生地は山地の照葉樹林の中で、半日蔭の環境を好みます。
ある程度の耐陰性があるので、明るい日陰であれば問題なく育ちます。
日なたでも育てることが出来ますが、強い乾燥を嫌うので、夏場に株元まで西日が当たるような場所は避けて下さい。
耐寒性
あまり寒さに強い性質ではありません。
自生地は関東地方以西の地域であれば育ちますが、その場合も、冬場に寒風が当たるような場所は避けます。
水やり
根付けばほぼ降雨のみで大丈夫です。
長く乾燥が続くようであれば水やりをして下さい。
肥料
冬場に寒肥として、骨粉や固形の油粕などを株の周辺に埋め込みます。
植え付け
適期は春の3月下旬~4月、秋の9月下旬~10月です。
根鉢の2~3倍の植穴を掘り、用土に腐葉土を混ぜ込みます。
植え付け後はしっかりと水やりをし、棒などで突いて根と土を馴染ませます。
必要であれば支柱を立てます。
剪定
自然に樹形が整うので、必要な場合のみ、剪定を行います。
適期は3月~4月、9月~10月です。
枯れ枝や不要な枝を切り取って下さい。
生垣に仕立てている場合は、伸びすぎた枝を適宜、刈り込みます。
増やし方
挿し木と種まきで増やすことが出来ます。
挿し木
適期は梅雨時期の6月中旬~7月上旬です。
枝を10~15㎝程度の長さに切り取って挿し穂にします。
水揚げをしっかりとし、挿し木用土に挿して下さい。
明るい日陰で水を切らさないように管理して発根を待ちます。
種まき
11月~12月頃にしっかりと熟した果実を採取し、中の種を取り出します。
種が小さいので注意して下さい。
取り出した種は乾かさないようにすぐに蒔くか、翌3月~4月に蒔きます。
すぐに蒔かない場合は、乾かないように湿らせたキッチンペーパーなどで包み、さらにビニール袋に入れ、冷蔵庫で保管します。
病気・害虫
カイガラムシが発生することがあります。
数が増えるとすす病を併発するので、早めに対処します。
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