多肉植物

乙女心

学名…Sedum pachyphyllum
和名…アツバベンケイ(厚葉弁慶)
別名…オトメゴコロ(乙女心)
科名…ベンケイソウ科
属名…マンネングサ属(セダム属)
原産国…メキシコ
花色…黄色
草丈…10㎝~30㎝
日照…日なた
難易度…星
USDA Hardiness Zone:

乙女心とは

乙女心

乙女心は、ベンケイソウ科マンネングサ属(セダム属)に属する多年草で、多肉植物です。
自生地はメキシコ南部の高地と言われており、やや高温多湿に弱い性質です。
「アツバベンケイ(厚葉弁慶)」の和名を持ちますが、流通名の「オトメゴコロ(乙女心)」の名前で定着しています。
多肉植物として最もポピュラーな品種の一つである「虹の玉」の交配親である可能性が高く、草姿も似ています。

乙女心は草丈10~30㎝に成長する多肉植物です。
ぷっくりと厚みのある葉は、白味を帯びた美しいライトグリーンで、先端が赤く染まります。
秋から春にかけての低温期には、赤い部分が葉全体に広がり、美しい紅葉を見せてくれます。
小苗の内は徒長して間延びした草姿になりがちですが、経年と共に茎が木質化し、先端にまとまって付く葉は締まった愛らしい草姿になります。

▼乙女心の株姿

乙女心

株がある程度大きくなると、春先の2月~3月頃に葉の付け根から花茎を伸ばし、黄色の小花を房状に咲かせます。

多肉植物の中では比較的寒さに強い性質で、強い霜や雪の心配がない場所であれば戸外での冬越しが可能です。
夏の高温多湿に気を付ければ、育てやすい植物で、挿し木でも簡単に増やすことが出来ます。

乙女心の近縁種

乙女心が属するマンネングサ属(セダム属)は、世界の温帯~亜熱帯地域にかけて約470種が分布しており、日本でもマルバマンネングサや、メキシコマンネングサなどの種が自生、または帰化しています。

マンネングサ属は、カーペット状に広がる品種から立ち性の品種など、草姿、性質共に変化に富んだ属で、多系統のため細分化されつつあります。
以下は観賞用として栽培されるマンネングサ属の代表的なものです。

乙女心の育て方

乙女心の育て方

栽培環境

日当たりが良く、水はけの良い、乾燥気味の環境を好みます。
日照時間が足りないと、徒長して草姿が乱れます。
よく日が当たり、雨があまり当たらない場所だと最適です。

基本的に日なたで育てますが、夏の高温多湿の環境がやや苦手です。
夏場は風通しの良い、半日蔭くらいの涼しい場所で管理して下さい。

季節の管理

春、秋

春と秋は、しっかりと日に当てて育てます。
秋は彼岸頃になって暑さが和らいだ頃から、よく日の当たる場所で管理します。

冬に室内に取り込んでいた場合は、いきなり強い直射日光に当たると葉焼けを起こすことがあります。
少しずつ戸外の環境に慣らすようにして下さい。

夏越し

高温多湿の環境にやや弱い性質です。

長雨の時期になったら、雨の当たらない場所に移動します。
夏場は、出来るだけ涼しく風通しの良い、半日蔭の場所で管理しして下さい。

冬越し

比較的寒さに強く、耐寒温度は-1℃~-2℃程度です。
よく陽の当たる場所で、強い霜や雪を避ければ、戸外での冬越しが可能です。
多少の霜であれば大丈夫ですが、心配な場合は対策を施して下さい。

その他の地域では、室内に取り込んで、窓際などのよく陽の当たる場所で冬越しをさせます。
屋外で簡易ビニールハウスなどを使用する場合は、朝になったらビニールを開け、夕方になったら閉めます。
通気を怠ると、日中と夜間の温度差や蒸れで株が傷むので注意して下さい。

水やり

年間を通じて乾燥気味に管理します。

春と秋は、用土の表面が乾いたら水やりをして下さい。

夏場に過湿な環境が続くと根腐れを起こすので、水やりは控えます。
鉢の大きさ、株の状態で水やりのタイミングは異なりますが、葉に張りが無くなって来るようだったら、涼しくなる夕方に水やりをして下さい。

冬場も乾燥気味に管理します。
水やりは月に1~2回程度で十分です。

肥料

あまり肥料を必要とする植物ではありません。
鉢植え、庭植えともに、元肥として少量の緩効性化成肥料などを用土に混ぜ込んでおけば、追肥の必要はありません。

植え付け、植え替え

適期は4月~6月、9月~10月です。

植え付け(用土)

市販のサボテンの土や、多肉植物の培養土などが手軽です。

植え替え

鉢植えの場合は、1~2年に一度、植え替えを行って下さい。
小さな鉢で育てている場合は、すぐに鉢がいっぱいになります。
鉢底から根が出ているようなら、適宜植え替えを行って下さい。

切り戻し、仕立て直し

必ずしも必要な作業ではありませんが、大きくなりすぎた場合や、草姿が乱れた場合は、好みの位置で切り戻すことが出来ます。
適期は4月~6月、9月~10月です。
切り戻した茎は、挿し穂として使うことが出来ます。

増やし方(挿し芽)

挿し芽で増やすことが出来ます。
適期は4月~6月、9月~10月です。
葉挿しもできますが、発根までに葉が枯れてしまうことが多く、難易度は高めです。

挿し芽

茎の部分を長めに付けて芽を切り取り、挿し穂にします。
下の方に葉がついているようなら取り除いて下さい。

挿し木用土にはサボテンや多肉植物の土、または川砂を使います。
土を湿らせる必要はありません。
そのまま挿すと切り口から腐ってしまうことがあるので、日陰で2~3日ほど乾かして下さい。
切り口が完全に乾いたら、割りばしなどで用土に穴を開け挿し木用土に挿します。
発根までは水やりの必要はありません。

病気・害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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